【それってほんと?】米国市場は10月に底値をつけるの?(2007年〜2019年を振り返る)🍒TradingView
「米国株式市場は10月に底をつける」と言う人がいますが、はたして本当なのでしょうか?
■10月に底値を付けるという理由
Google検索で、 米国市場の10月底打ちに関する情報を検索してみたところ次の3つが主な理由のようでした。
(他にもあるかもしれませんが見つけられませんでした)
ヘッジファンドの決算期特有の動きが表れるのが10月だから
大統領就任2年目は10、11、12月の米国株が強くなるというアノマリーだから
リーマンショックの時も10月末が底値だったから
■チャートで過去を振り返る
TradingViewで「S&P 500」の月足を2007〜2019年をで調べてみました。
2008年、2011年、2015年の3回は10月あたりが底値になっていますが、その他の年は10月が底値とは言えません。
10月が底値になるのは、もう一つ「特徴」がありるように思えます。
■ある兆候の年は10月が底になる
それは「弱気相場の年」です。
<2008年>
リーマンショックのときは底を付けたのは11月ですが、細かく見ていくと10〜11月にかけて底値を試し11月の後半から上昇に転換しています。
<2011年>
1年を通して弱気な動きでしたが、10月に底値を打って11月から上昇しています。
<2015年>
この年も同様に弱気相場の年でしたが、10月に底を付けて10月後半から上昇に転じています。
■指数がシグナルになる
相場は市場心理が大きく左右します。10月に底値をつけやすい弱気相場の年というアノマリーよりは、弱気相場で市場心理が弱くなるのが10月に起きやすいということなのかもしれません。
上のチャートは先ほどの「S&P 500月足」に恐怖指数(VIX)を表示させています。底値を付けた時の「恐怖指数」が高いことが分かります。
恐怖指数は、シカゴオプション取引所(CBOE)が、S&P 500を対象とするオプション取引の満期30日の変動率を元に算出し、将来の変動率を予測公表している指数です。
個人的には恐怖指数が30を超えてくると緊張感が高まり、40以上では恐怖のどん底で個人投資家は株式を損切りし、もう二度と株投資なんかしないと思う人が多い気がします。いままで会話に参加していた人でも株式投資に興味なくしているようです。
今年(2022/10時点)の恐怖指数で一番高かったのは、4月の「33.39%」
10月現在は「25.75%」ですので、高いとは思えませんが、2020年〜2022年は世界規模な有事が続いていたので、総じて30%の恐怖を感じていすようです。通常年の平均が15%程度であることを考えると近年は長期間緊張が続いているようです。
そういった背景も含めて考えてみると、今年は超弱気相場であり、恐怖指数も平均して30%超えていますので、アノマリーを信じるのであれば10月に底値を付けて11月12月は上昇に転じるかもしれません。
それだけで判断して良いのでしょうか?
■株式投資は金利が最重要(底はまだ)
株式市場が上昇トレンドに転換するには、米国政策金利の「利下げ」が最も重要な要素になってきます。金利が上昇し続けている間は、株式市場に資金は戻ってきません。
米国の金利がいまどうなのか?
これからどう動いていきそうか?
を見極めながら投資するタイミングを測ることを推奨します。
ロイターの記事に『景気後退の可能性を示すとして注視される3カ月物短期証券と10年債の利回り格差はマイナス(−7.5bp)になった。3カ月物と10年物の利回りは今週に逆転した。』と書かれています。
FRBが景気後退の判断を確認する指標でもあるそうです。逆イールドしたということは「景気後退」に入る可能性が高くなり、FRBが金利緩和を始める可能性が高くなります。
FRBは明確に景気後退に入ったら「政策金利の緩和」をはじめますから、この動向にも注目していきたいところです。しかし、アナリストの見方はまだ「緩和する段階ではない」「FRBは利上げを続けるだろう」という分析をしています。日銀の為替介入で話題になった「ドル安」も昨日からは再び強気に転じています。
私のチームでは『米国株式はそろそろ買い準備?』という話をしています。
実際私もキャッシュポジションを増やしていましたが、10月から少しずつ買い始めました。政策金利緩和が始まったらまた買えるように資金配分しながら投資先の分析をしています。
景気循環や、セクターローテーションも分析し、米国リセッション入り、米国金利上昇の状況下でどのセクターに投資をしたら良いかを話していきます。
■私のチーム活動
ゆるいサークルですが、チームのメンバーへ情報収集のノウハウやTradingViewチャート、投資に役に立つツールを提供しています。