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二人の世界は、一緒に生きてる貴きいまーー『緋色、凍レル刻ノ世界、永遠』

令和7年1月、三栄町LIVE

『緋色、凍レル刻ノ世界、永遠』
ABC全員集合

大好きなあなたと一緒に新しい年を迎えられて、心から嬉しく思っています

毎回何か今までやったことのないことをやってきたけど、今回は特にずっと思っていたことを伝えられて、嬉しかった

名前を呼んで

あなたの世界に存在させてほしい

二人だけの世界で、深緋と真朱のように

お互いの存在を確認し合いたい


深緋と真朱、二人は現世を捨てた

世の中の全ての理不尽へ復讐を果たすと言って

二人だけの世界に行ってしまった

誰にも邪魔されることのない、凍りついた永遠の刻

二人は幸せになれたのだろうか

ラチカン』や『煙詰』で、死は一つの答えになるという黒薔薇少女地獄のテーマ?を見た

過去の作品、今回の深緋と真朱、そしてあなたも死を美しく飾り魅せているのを見ていると、死というものに恐怖を感じなくなって、幸せなんだろうと思えてくるよ

僕はかつて考えていた

自分自身「死にたい」と思って生きていた時間で

死が答えになるのならどんなに楽なんだろうって

麻緋の叫びは痛いくらい心に刺さってきたよ

「誰も信じられない」「皆いなくなってしまえばいいのに」って

その当時を思い出して、胸が苦しくなった

でも決定的に違うことがあった

それは、一緒にいてくれる人がいないということだ

僕には友達はいないし、相談できる相手もいないから、独りで抱えているだけだった

生きていても死んでも、どちらにしても孤独であることは変わらない

孤独に殺される

孤独に死んでいく

自分がこの世に存在した意味を何も残せずに、誰にも認知すらされずに消えていくのは、あまりにも寂しい

佐川陽絢さん、入江田純奈さんと


麻緋は深緋にはなれなかった

茜と二人だけの世界はできなかった

「どうして人を殺してはいけないの?」

この問いに答えられないのに、茜を殺してしまった

大人でもはっきりとした答えが出せないこの問いに、中学生が答えられるはずはない

住む世界が違ってしまった以上、互いに孤独にならざるを得ない

麻緋は演じ切れなかったんだ

茜を信じ抜けなかったというよりも、麻緋がきっと正直な子なんだと思う

だけどそのせいで茜は可哀想な子になってしまう

可哀想にさせないために必要なのは、忘れないこと

忘れないためには、どうしたらいい?

深緋の物語に突き動かされて、次の犠牲を生む?

もしくは次の誰かに託す?

物語の中なら、それでいいかもしれない

珊瑚は、どうなる?


物語には二人だけの世界がある

でも僕達が生きてる世界は、そういうわけにはいかなくて

何処の誰かも知らない人物に干渉され、翻弄されることが多い

自ら利害の"害"になりたがるような、関わりたくないと思う人物もたくさんいる

感情を殺してただ時間が過ぎていくのを待つ、与えられた肩書を演じている自分

本当の自分を1ミリも出すことなく、身も名も隠し別人格を演じている自分

どちらにしてもいつしか本当の自分が見えなくなるし、大切なものを見失い、壊れていく

壊れた先に、以前の自分なら死を望んでいたと思うけど、今は選ぶ気はないし、選ばなくてよかったと思うよ

それは、死ではなく生を答えとする出会いの力が大きい

誤解のBar』シリーズだ

この作品で出会い、生きる力をくれた大好きになれた人があなた

もっと生きたい

あなたに会いたい

あなたがいてくれるから、苦しい時間も乗り越えられる

そんなふうにいつも一緒にいて、支えてくれる大好きな人の前で、変に強がったり、かっこつけたりする必要があるだろうか?

……ないよね

だから、ありのままの自分で向き合うことに決めた

その象徴的なものが、名前だ

『誤解のBar〈2階目〉』
『将棋無双・第30番〜神局のヴァンパイア〜』
50minutes 2024『最後の一票』
『冬色シンフォニーII』


他の何者でもない、ありのままの自分で向き合うことが感謝を表すことになると思って、ずっと続けてきた

出会ってから今に至るまで、この間に過ごしてきた時間で、徐々に大きな存在になり、公私の別に関係なく、常に心にいて支えてくれているようになったあなた

1年以上経って、もう一切飾りのない名前を呼んでもらいたかったし、呼びたかった

僕とあなた、二人の世界を確かめたかった

嬉しかった

「何処にいても一緒だ」いつも僕は言う

それはこの世界を一緒に生きていこうということ

たった一つのこの世界で、偶然に出会い、時間と言葉、想いを重ねてきた、他の何者でもない僕とあなた

名前を呼んで

あなたの世界に存在させて

名前を呼んで

あなたを世界に認識したい

忘れないために

名前を、命を呼び合おうよ

僕たちは生きて

言葉と想いを

凍ることのない体温を

伝え合おう

永遠の記憶として

大切な思い出を

一緒に生きて

重ねていこう

令和7年1月26日
『緋色、凍レル刻ノ世界、永遠』大千穐楽


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