夢体験、夢想起、夢保持の条件

1.抑圧仮説
ノイズを受け入れる準備ができていないと変換以前に夢が抑圧される。準備ができていればノイズは安全に変換されて夢として現れる。準備がそもそも必要なければダイレクトに現れる。

夢体験の信念の側面。構えによって、無意識から意識への変換のされ方が異なる。本当に見たくないことなら夢は体験されないし、そろそろ見ないといけないことならヒントのような形で体験される。そして特殊な状況下では、夢がそのまま体験されてしまうこともある。

2.生活スタイル仮説
違和感、意味やイメージに敏感な人ほど夢を見る

夢体験の感性の側面。無意識を意識に現す意味敏感性があれば、夢は体験されやすい。

3.妨害仮説
無意識と意識の間で影響を受けるのではなく、覚醒のところで影響を受ける。起きつつあるところで覚醒がなだらかであるほど夢の想起は妨害される。

夢想起の開始後の側面。準覚醒状態でボヤボヤとする条件の時、夢を想起できる。

4.顕著仮説
寝る前までの覚醒時・夢体験覚醒時、重要な出来事や情動的(特にネガティブ)な経験をしていると、起きてからその夢が顕著に想起される。

夢想起の開始前の側面。寝る前や夢の体験が印象的だった条件の時、夢を想起できる。

5.覚醒-回復仮説
脳が活性化している時に、その時の夢が短期記憶に保存される。故に、起きる直前の夢が1番多い。
想起できていない直前の夢やそれまでの夢を回復させるには、顕著する条件や妨害条件に気をつけながら、短期記憶の手がかりを見つける。

記憶としての夢保持の側面。夢は短期記憶の活性化で保存される。

6.機能的状態変動仮説
夢の体験状態が覚醒状態に近いため、起きてから覚醒している状態でその夢を想起しやすい。

脳状態としての夢保持の側面。夢は脳の近い状態で保存される

参考文献
岡田斉(2001)「夢:その生成過程と想起頻度の個人差」(p.10-17 )『イメージの世界-イメージ研究の最前線(菱谷晋介 編)ナカニシヤ出版

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