発見
この前「チャーリーとチョコレート工場」を初めて英語で見てみました。
わたし結構この映画好きなんですよね。
ファンタジーだけど、やっぱりあの工場には夢がある。
はじめて見たのは、子ども会の映画鑑賞会みたいな時で、小学生の時に、同じ地区の子たちと公民館のプロジェクターで見たのを覚えています。
その時は、あんな工場があったらいいな〜とかくらいしか思わなかったし、そこから今までにも何回か見たことがあるのに、まだ、新しい発見がありました。
まず単純に、子どもの時はお菓子に見惚れるだけで気づいていなかった、この映画の真のテーマ(たぶん)に、この年になってから見たことで、気がつきました。
「チャーリーとチョコレート工場」って、ステキだけどちょっと変な工場(と工場長)に目が行きがちですが、あれって結局、ウィリー・ウォンカが家族の大切さに気づいて、孤独から脱却するストーリーですよね。
今までトラウマだった家族(特にパパ)との和解のきっかけを、出会った少年・チャーリーがくれて、大好きな工場を手放すことなく、あったかい家族も手にする。結構ハートフルな映画な気がします。
ハートフルで言えば、ちょっと嬉しかったのが、売店のおじさん。
チャーリーが最後の金のチケットを手にした時、周りにいた大人が、口々に高値でそれを買い取るとチャーリーを翻弄しました。
でも、売店のおじさんは違って、そんな大人たちを追い払って、チャーリーに、そのチケットを絶対に売らないようにアドバイスをしたんです。
このおじさんの出番はこれだけなんですが、ただ優しい人だからハートフル、ってことではなくて。
この役者さんが白人の方ではないんですね。
細かく言ったら違うのかもしれないけど、黒人の方なんです。
最近はだんだん動きが変わってきたけど、古い映画になればなるほど、いい人役で出ている黒人の役者さんは少ないと思います。
チャーリーとチョコレート工場も、全然古い映画じゃないけど、それでもちゃんと黒人の役者さんを配役していて、そこになんだか感動したんです。
きっと、まだまだアメリカを中心にした、黒人差別がおきていることが関係してるんじゃないかな。
あとは英語で見たからこそ気がついたことが。
今まで、工場に招待された子どもたちの出身地とかを気にして見たことはなかったんですが、英語で見てみたら、最初に金のチケットを手にした太っちょ君は、ドイツの子だったということを知りました。
というのも、(英語)字幕でtheがzaと表されていて、これって、ドイツ人の英語のなまりを表しているんですよね。
「日本人がrとlの区別が苦手」みたいなものがいろんな国にもあって、ドイツなまりになってしまう人はこの、「theの発音が苦手」なのが定番。
それに気づくと、
太っちょ君のお父さんは精肉屋さんでソーセージを作っている
↓
ドイツと言えばビール
っていう表し方とか、背景にチラッとうつるドイツ国旗とかが見えてきました。
これまではなんとなく、この映画の世界は1つの国で、選ばれた5人の子たちはみんなその国の子かなーとか思っていましたが、
(正直いうと、そんな事さえ考えた事ないけど、強いていうなら)
ちゃんと現実を舞台にして、子どもたちも世界中から来ていることになっているんだと気付きました。
それと同時に、世界中から来た割にはみんな欧米人だな。とか、みんな英語うまいな。とかいうところも気になり出したんですが、それを言い出すと、映画の深い問題にまでいきそうなので、やめておきます。
ただの娯楽として見ていた映画を、違う視点から見てみると、また違った発見があって、おもしろいです。
映画研究が学問になるのもうなづけます。