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友人が毒魚に刺されました。

お久しぶりです。

ワタクシ,実は釣りが趣味でして。先日、釣り仲間の友人と太平洋岸某所へと釣りに出向いたわけです。そして事件は起こりました。色々あったので今後のためにも書きとめます。

早朝より超人気のスポットへ

その場所では連日タチウオが釣り上げられており、午前2時前にポイントに到達するも大量の車。20分ほど荷物を持って歩き,ようやく2人で釣りができる場所を見つけ確保。明け方まで仮眠をとります。

タチウオ釣り開始

午前5時30分頃。空が明るくなり始めた頃に少し寝坊したと焦りながら釣りを開始。めちゃくちゃ寒い。寒すぎるのでお湯を沸かして即席のお味噌汁を作りました。最高。

…しかし

…釣れない。え?何も釣れない。

長い堤防のどこを見渡しても、タチウオの釣果はありません。それどころか、魚の気配さえない。。。
ただただ寒い時間だけが過ぎていきました。

周りの釣り人が諦めて帰る中、我々は坊主では帰れないと急遽近くの釣具店でアミエビとアオイソメを購入。私は泳がせ用の小魚調達のためサビキ釣りを。友人は坊主逃れのためちょい投げ釣りをすることにしました。

これが悪夢の始まりだということも知らずに…

ついにヒット!釣れた魚は…

サビキ釣りを開始して数分。私の竿に反応が。

私「おいおい!釣れたぞ!」

友人「まじかよ!やったやん」

小魚がかかった時の小刻みで心地の良い引きを楽しみながら,リールを回すこと数秒。見えてきた魚体をみた私達の表情は無になりました。釣れた魚は

フグ

でした。なんと!フグか〜。外道も外道。食べることもできない巨大魚の餌にもできない餌取りの神。残念。

この後も数匹ヒットがあるも全てフグ。あぁ今日の釣りは惨敗だ。。そんなことを考えていた時。

ちょい投げ釣りにも反応が

友人が声を上げました。「お!引いてる!」

私はどうせフグかな〜とか思いつつも上がってくる魚を楽しみに見守っていました。すると

「フグじゃない!」

私たちの表情が輝きます。赤みがかった魚体。しかも結構大きめ(に見えた)。これはきっとガシラ(カサゴ)に違いない。

しかし目の前に魚が来た時やはり我々の表情は曇りました。

「おこぜやん」「あぁ〜あ」

と,いうわけで無事に本記事の主人公、ハオコゼ(12〜15cm)が登場いたしました。

ハオコゼは背鰭に毒棘を持つ有毒魚として知られ、刺されるとそれはもうそれはもう激痛に襲われる恐ろしい魚でございます。

ま、よく釣れる魚なんですよ。というわけで残念残念リリースして釣り再開。と、私もサビキ釣りに戻りました。そのとき、、

寡黙な友達が叫んだw

まぁ笑い話じゃないんですけど、なんせ寒い時期で手がかじかんでいるわけです。友人が針を外す時に魚が暴れ,やられてしまいました。毒針に。

ここからが恐怖でした。(彼曰く)

刺された直後から鋭い痛みが患部に走り、釣りなんてしてる場合じゃない。病院に行かないとやばい!ってすぐに悟るほどの痛みだったそうです。

これ、もし仮に素潜りとかしてるときに刺されたらそれこそ本当にヤバいんじゃないかなと思います。パニックになると人間本当に動けなくなります。最悪溺死です。

当の我々はというと,毒マニアの私に化学を専門としている友人、多少焦りはあるものの意外なほど冷静に対応できました。

2人で毒の処置

ここからは実際に行った対応を書きます。

1.まず、痛みを我慢してもらいながら,流水で患部をしっかりと洗ってもらいます。若干血が出ていたので止血も行いました。
2. 約50℃のお湯をバケツに溜め、患部を浸漬。これを適度に温度を保ちながら約20分。

基本的にはこれだけで大丈夫です。

オコゼなどの刺毒は、タンパク質が主成分の毒で、このタンパク質、分子構造が大変複雑なのです。そのため温度変化によって分子構造が変化し,本来の効果を失うという性質があります(失活)

それを利用しない手はありません。よって、このようなタイプの毒には温浴などによる迅速な処置が大切です。

また,この種の毒の症状は疼痛が多いです。これも少し熱いくらいのお湯だと気が紛れます。

今回は偶然,味噌汁のために沸かしたお湯がちょうどいい温度で残っていたのが救いでした。

というわけで友人が毒魚にやられる(笑)
というネタ記事でした。

注意

この記事を読んで、海で毒魚にやられたらお湯!と思ってしまった皆さん。早とちりは禁物です。

まず,お湯による対処法が通用するのは基本的にはタンパク質毒のみです。さらに、基本的にタンパク質成分が完全に失活するには60〜80℃の加温が必要な場合が多く,これでは火傷してしまいますし、ぬるすぎては意味がないので50℃前後がある程度有効な範囲だと考えられます。

また、神経毒などお湯が意味のない毒の場合もありますし,患部の強い炎症が見られた場合はむしろ冷却が適切でもあります。

もし適切に状況が判断できなければ、「誰(くらげ?魚?)に、どこ(患部)を、どのようにやられたのか」をなるべく詳しくお医者様に伝えるようにしましょう。

楽しい釣りライフを!



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