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【実験?】モールを使ったジアステレオマーやメソ体の説明の試み

~Abstract~

生徒から、「不斉炭素が二つある物質は、”必ず”異性体は2×2=4つではないのか」という質問を受けた。ちなみに聞かれた物質は酒石酸。口頭で説明しようとしたがうまく伝えられず、モールを使って説明することを思いついた。その、モールを使った模型の作り方と、実際に作ったモノを紹介する。

使ったモノ

カラーモール(100円ショップ)とはさみ。

作成手順の紹介

持っている分子模型はこれ。「化学基礎」から「化学」まで学ぶ理系の生徒には是非持っておいてほしい(と思っている)分子模型。

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amazonで調べたら、3,500~4,100円でした。そこそこするよね。

今回説明する物質は酒石酸。その構造式はこれ。

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この物質の特徴は、真ん中に対称面があるということ。これがある物質の立体異性体の数は2×2-1=3になる。事実、上の二つが鏡像異性体の関係なんですが、この二つが同じものになります。この化合物をメソ体といいます。

で、これを分子模型で作るとこうなる。

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4つの構造式のうち、上の二つを分子模型でつくったものです。
(黒・・・炭素、水色ボール・・・水素、赤・・・ヒドロキシ基、青・・・カルボキシ基)

あと二つあるんだけど、青と赤のブロックがこれ以上無くて、作成断念。
そこで、100均で販売しているモールを使って、模型を作ってみることを思いついた!よく思いついた、私^^

使ったモノはこれ。

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モールはダイソーで販売されていたモノを使用しました。
なお長さが2種類あったので、長い方を購入しました。

それでは酒石酸をモールで作っていきます。
酒石酸は、炭素についている基が三種類(-H、-OH、-COOH)なので、モールは3色使用しました。

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これを半分に切り、

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3色1本ずつ、合計3本をひとまとめにして(写真上)、両端から3分の1の長さのところで、モールをねじってまとめます(写真下)。
この“ねじったところ”が“不斉炭素”の場所になります。

あとは、色と基を対応させて広げるだけ。

こんな感じです。

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白と青、赤の三色のモールで同じようなモノを作ってみました。それがこちら。

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分子模型の「白・青・赤」を、モールの「白・青・赤」に対応させて見ました。

そして4つのモール模型を作り、左右に鏡像異性体をおいてみたのが次の写真。

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これなら、モール模型を実際に触って、立体的に動かしてみて、ジアステレオマーやメソ体などの説明ができそうです^^

ちなみに、3-クロロ-2-ブタノールのように、基が四種類あるものも作ってみました。まず構造式がこちら。

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基が四種類(-H、-OH、-CH3、-Cl)ありますね。

これらを4色のモールを使用してつくり、こんな感じになります。

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モールが4本あるうち、使わない1本は、ねじねじしたところに折り込みました。(たとえば、左下のモール模型でいうと、上の部分に白・赤・青がひろがっていますよね。使わなかった緑は「柱」の部分に折り込んでいます。)


これを使って、次週、質問にきた生徒に返答してみます。

なんならこのモール模型をプレゼントしようかと思います。うまく伝えられればいいのですが。


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