化学プラント設計業務の進め方(1)
はじめに
ざっくりですが、化学メーカの生産技術として、
最低限知っておきたい設計業務の進め方を書きたいと思います。
設計はざっくり2段階ある!?
設計業務は、基本設計と詳細設計の2つに大別できます。
基本設計は、設計の初期段階で実施し、
プラント仕様の大枠を決める設計となります。
詳細設計は、実際の施工を念頭に、配管/配線、電気計装、制御、土建、
設備の内容を決める設計となります。
基本設計で最低限、必要な資料は以下のようなものとなります。
(業務経験上、バッチ式反応器のプラント設計に
絞って説明させていただきます。以下、同様。)
プラントの基本条件をまとめた資料
設備機器リスト
計装機器リスト
配置図
P&ID
バッテリーリミットが分かる資料
詳細設計では、最低限、以下のようなもの。
配管平面図
アイソメ図(あるいはスプール図)
設備製作図
土建設計資料(建屋建設などを含む場合)
盤図
電気計装資料
ループ図
制御システム設計資料
試運転資料
基本設計では何をどうすればよいか?
とにもかくにも、どこにどれくらいの生産ができるものを設備導入
しなくてはならないのか?
ここを明確にする必要があります。
そのために、基本設計(1)の資料が必要となります。
必要な生産量は?
どこのスペースに新設するのか?
設備の種類は(バッチ?フロー?)?
適用法規は?
ユーティリティは新設?既設活用?
ウルトラザックリですが、こんなもんでしょうか。
バッチ式反応器のプラントであれば、
生産量が決まり、スペースが決まれば、
反応器サイズ・基数が決まってきます。
適用法規は、過去実績も踏まえ、きちんと初めに整理
しておくとよいでしょう。
ユーティリティは新設or既設活用では、
設計や工事、コストなどが大きく変わってきます。
反応器基数などが決まった段階で、
1基あたり、蒸気、工水、窒素、エア、溶剤など
何をどれくらい必要かを概算し、既設でカバー可能か?
あるいは、新設し増強しないといかんのか?
このあたりを明確にすると、スムーズに進むと思います。
次回、基本設計(2)以降の資料を順に解説していこうと思います。