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BIOHAZARD RE:4 感想

基本データ

  • プレイ環境
    PS5

  • プレイ時間
    45h

  • プレイ日程
    2023/05/30-2023/06/04

  • クリア状態
    トロコン済み

感想

バイオハザードシリーズの転換点である4をReエンジンによって現代風に降るリメイクしたTPS。
バイオハザードというシリーズは節目節目で大幅なモデルチェンジをすることでシリーズとしての寿命を延ばしてきたシリーズに思う。ラジコン操作であった1-3、TPSとなった4-6、FPSに変化した7-8と頃合いを見て大きな変化を入れることで時代に合ったバイオを生み出してきた。
その中でも4に関してはTPS(視点ではなくシューターとして)がまだそこまでビックタイトルが無かった時代に大きなシリーズが大ボリュームで、普段の視点を動かす操作と、構えた時に狙うという二つの視点移動を操り狙う楽しさ、アクションの派手さで非常に高評価を得たタイトルと思っている。
バイオ4に大きく影響を受けた作品としてGears of WarやDead SpaceなどのTPS名作が生まれたことからも大きな意義のある作品だった。

美しくなったグラフィック

当たり前ではあるが、GC時代に発売された旧4に対して非常に美しいグラフィックになっている。旧4に関してはHDリマスターも多くの機種で出ているが、やはりオブジェクトから作り直したグラフィックには到底及ばないことがよくわかる。
Re2や8などからめちゃくちゃな進歩があったかというとそうは思わないが、現代の最先端でも通用する美しいグラフィックで旧作を作り直したマップは本当に良く作ったなと思わされる。Re3などリメイクに際してかなり端折られることが多かったが、本作Re4に関しては一部削除されたボスや簡素化されたフィールドなど変化はあるものの、大まかなところではかなりMap自体を再現しており元々ボリュームの多かった4をよくここまで再現したなという気持ちが強い。ファンにとってはそこだけでも一見の価値はあると思える。

現代に合わせた遊びの修正

旧4に関しては非常にQTEが多く、当時からしても賛否があり特に現代ではQTEなんてネガティブでしかない今全編通してQTEがほぼ排除されているのは好印象。
それ以外にもナイフによるパリィや歩き撃ちなど、現代に合わせて操作感を変更しておりそこは正しい進化だと感じる。

再構築されたシナリオ

元々3週間で書き上げたという旧4のシナリオはB級ホラーというかバカゲーというかで逆に面白い部分はあったものの、ルイスの扱いなど適当だった感が否めず全体的にまじめな大作ではない感じであった。
シナリオに関してはRe4で特にルイスがしっかりとバディっぽく描かれて、彼の結末はちゃんと扱われるなどシナリオ面に関しては大きなテコ入れがあり全体的にまともになったように感じる。
一方で”まとも”と評したように旧作ではあった敵のハッキングによる通信での軽口の独特なコミカルさは消えて、敵に関してはつかみどころの薄いキャラになってしまったように感じる。
この辺は7,8でちゃんと伏線を張った感動できるシナリオにしたりと、バイオハザードのストーリーをまともにしたいという開発の意図なのかなと感じた。旧4のホラータイトルであるくせにバカゲーみたいなアクション要素以外の謎の魅力もあっただけにもったいない部分はあると思うが、シリーズの価値としてみたときに適切な判断だったのだろう。

ReエンジンによるTPSの作りとアクション性のかみ合わせの悪さ

バイオハザードReシリーズは2,3と今までもリメイクを行ってきており、特に2では閉鎖空間の恐怖やタフなゾンビ・徘徊する倒せない敵、ぶれる照準など様々な要素が噛み合い非常に怖いホラーとしての高い完成度があった。
一方で4に関しては残念ながらそもそもホラーではないという部分に多いな食い違いが出てしまっているというのが率直な感想になってしまった。
バイオ4は序盤は屋外が多く、また敵の数も非常に多い。こうなるといつ敵が出てくるかわからないという不安感による恐怖より、あー敵が多いという完全に”敵”としてみてしまう作りになっている。
それだけでなくよろけた相手には体術を決めて吹っ飛ばすなどそもそもホラーとして捉えるものではなく(ややホラー要素のある)アクションシューティングゲームというのが本作や旧4に対して適切な評価と感じている。
特に操作しなくても手ぶれする銃であったり、レティクルが広く集弾性が悪い武器であったり、撃つたびに反動で照準がずれるなど全ては確かに”リアル”でありこのもどかしい感じはホラーであればよくあっている要素だと思う。しかし本作は数多くいる敵を狙ってガンガン倒していくゲーム性だと思うと途端に上記の要素はただのノイズとなってきてしまう。
ヘッドショットによる怯みの弱体化・体術による吹き飛ばしの効果やモーション中の無敵時間などアクション部分に関しては体感で割と弱体化を受けており、爽快アクションシューティングからもっさりシューターへと印象が変わってしまったのは否めない。
敵の数・配置、速度などを調整してよりホラー味を出すのであれば理解できる調整であるが、その辺の要素は変わりないかなんなら旧4より敵の攻撃が早くなっている分もっさり感が強い印象になってしまった。

今作から導入されたナイフによるパリィに関しても、ナイフに耐久度の概念を持ち込んだことでもったいなさを感じてしまったり、肝心な時にナイフが壊れていたりなどアクションに寄せたいのか微妙で噛み合わなさを感じる。

エイムに関してもスティックエイムが中々難しく、ある程度PCのキーマウ前提で作っているのかなとは思う。
この部分はどうせPC版を後から買うし、PCに寄せるのは正しい戦略なのだろうがCSに出すならそれ単体でもちゃんとしてほしかった気持ちはある。(特に射撃の髑髏コンプはパッドでは相当厳しく感じる)

鼻につく周回要素

バイオハザードはクリア後の周回を割と推奨しているタイトルだと思っているが、本作に関してはちょっと導線がいまいちだなとおもうことがある。
本作のご褒美装備は最高難易度を1周目プレイでセーブ上限・時間制限ありでクリアするというものになるが、それのためのゲーム的に考えられた調整が無限武器というのが気に食わない。
具体的に言うと、事前に最高難易度をクリアして武器を手に入れそれをステージ2(城)から無限武器化して進めるというのが一番の回答になると思うが(無限武器化のためのアイテム交換が城開始からで、村での依頼すべてこなすと交換できるだけの素材が集まるようになっているあたり調整されたものであると感じる)このバランス放棄感がいまいちだと感じる。
勿論うまい人は特典武器など使わずクリアしている(できる)というのはわかったうえで、大量の敵にはこっちも無限武器で対応だといわんばかりの調整は正直雑だなぁという印象が多きい。
Re2のS+では完全に初期状態からシナリオをクリアしなければいけないわけで、それと比べて調整の妙が正直感じられず適当に救済要素与えとけばいいんでしょみたいな感じが、アクションなのに爽快感を減らしたりもっさりした動きになるなど全体的に噛み合っていない本作を象徴しているように感じてしまった。

総評

時代的にとても意義のあったリメイク元を、とりあえず現代のグラフィックにして再現しただけの作品。
エンジンや作りの使いまわしで本質的なゲーム性と操作感が噛み合っておらず正直元からは遊び心地としては劣化してしまった印象が強い。
といっても元からの大ボリュームとそれを最新のグラフィックで構築しなおした部分は一定のクオリティにはなっており、十分に遊べるゲームにはなっている。
単純に面白いTPSをしたいというのであればいまいちお勧めしきれないが、きれいになったバイオ4を見たいという要求にはしっかりと答えており一定の作品であるとは思う。
ただしかし大きな意義やインパクトのあった4のリメイクがこれでよかったのかという部分では個人的にはNoであり、もっとゲーム性と向き合うか、いっそ全く新しい形のバイオを見せてほしかった言うのが正直な感想。


点数:82点

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