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Horizon Forbidden West 感想

基本データ

  • プレイ環境
    PS5

  • プレイ時間
    50h

  • プレイ日程
    2022/2/18-2022/2/23

  • クリア状態
    トロコン済み、サブクエは一部やっていない、収集物もやってないのもある。ゲーム内進行度は78% (難易度基本Nomal、一部闘技場などストーリー)

感想

オープンワールドに関して

オープンワールド(OW)が大々的にゲーム界の一大ジャンルとして認知を受けたのはGTAやTESなど洋ゲーの超巨大フランチャイズが分類的に同ジャンルであったことが間違いなく大きいと思うが、同作群が数年に一回(もはや10年か?)しか出せないのに対しバイオミュータントなどインディーデベロッパーからもOW作品が出るようになったこの状況を作り上げたのは間違いなくUBIがOWを工業製品化したことによると認識している。
ここで言う工業製品化とは、現実の製品がそうであるように規格を定めてやることを定型化したと言う意味である。

GTAやTESなど前者は何でもできるという自由さや何にでも自分のスタイルで生きるという自由からOW的なマップ構成になっていったのに対し、UBI型のOWは以下のように規定できる

  • 明確なストーリーラインが存在する

  • シナリオに関係ない遊びとして、マップに収集物やサブミッションなどが溢れておりアイコンで示される

  • マップ間を移動するファストトラベル機能を有する

上記3点を絶対条件としてあとは作品ごとに要素を取捨選択して作るのが基本路線となっている。実際のところこの特徴を満たすだけであればOWである必要はないようにも思うが、見た目や技術的インパクトからUBI式OWという表現形式は様々なメーカーが同じスタイルで作品を作る一大ジャンルに成り上がった。

マップの移動そのものが遊びでありそのために世界は繋がっていなきゃだめで、移動のモチベーションとなる視界作りでOWであることの必要性を示した作品がゼルダBotWでありOWゲームの方向性を示してくれたと思うが、講演で語られた内容はかなりのテストとマップの配置が重要であり物量で逃げられない世界であるためあまりフォロワーが生まれていない状況にある。

本作のゲーム性

上記で述べた所謂UBI的なOWとして、horizonは前作から非常に高いレベルでまとまっておりその特徴は前作から変化していない。

  • 写実的で美しい世界のグラフィック

  • OWとしては珍しい巨大な敵も普通に闊歩する迫力ある戦闘(アサクリに代表されるステルスで殺して、見つかったらパリィカウンタ一辺倒みたいな対人戦オンリーゲームじゃない)

  • トールネック(背の高い機械)によるマップ解放や、機械炉による機械機能解放などMAP要素を埋める楽しみ

  • ポストアポカリプスの世界設定を保管するデータログを取集物にすることで世界観を掴むために能動的に収集する楽しみ

これらの楽しみは前作から変わっておらず、特に美麗なマップや節目節目に出てくる新規の大型機械など長所であった部分をより伸ばそうとする意図はとても伝わってきた。

ラスベガス跡地にホログラムで再現された美しい光景
割とオーソドックスな形の新機械 かっこよ強い


新しいアクションとして泳ぐ・パラセールもどきが増えているが、泳ぎに関しては泳いでる間は戦闘できないため完全にアスレチックと同義になり後者は操作性が悪くあくまでクエストで高いところに登った後の移動手段でしかないため特筆すべき点ではないと感じた。
泳ぎの実装に伴いOWでは基本触れられていない海がMAPとして実装されている。浅瀬は実際に泳ぐことができ美しいグラフィックと相まって素晴らしいが、全部泳げるわけではなく範囲外は海流のため泳げないとなる。実際泳いで楽しいことはないため割り切りだと思う。

見渡す限りの海、遠くに見える島は実際に行ける場所
海の中までしっかり入れるOWは貴重

機械炉はワンパターンにならないように展開を毎度変えていたり、収集物も種類によって考え方を変更するような作りになっているなど随所に前作から進歩しようという部分は見える一方で、全体のプレイ感としては前作からほぼ変わっておらず後半までは良くできた前作の焼き回しだなと言う印象が強かった。(82点だなぁくらいの印象でプレイしていた)

この感覚が大きく変わるのがメインストーリーほぼラストで解禁される自由に空を飛ぶ機械への騎乗解禁である。今まで記載した内容と違うじゃないかとなりそうだが、正直なところ遊びの幅が広がるわけではないもののこれだけ丁寧にかつ広大に作られた世界を完全に自由に飛べると言う体験はWiiUのゼノブレイドクロニクル以来の衝撃と愉しさである。本作はリアリスティックなマップであるため言及したゼノクロのように宙に浮いた都市など空を飛ぶことでという要素こそ大してないものの、今まで地面を走っていた区間をひとっ飛びして駆け抜ける爽快感・作り込まれていながら地面の視点からでは見えなかった世界の全貌そこで見える古代の死ぬほど巨大な機械の残骸など新たに提示された手段と視点は新しいゲーム性と言っても過言ではないくらいの要素と感じた。
UBI的な作り方をする以上、遊びの楽しみはこれ以上広がらないと思うため陸海空を全て実装した本作がこのジャンルの限界値ではないかと思う。

ラスベガスを空から一望
集落も上から見下ろすとちっちゃく見える
岩山の上も全て飛行で移動できる


ストーリー

どう書いてもネタバレにしかならないのでネタバレあり







正直なところ前作でこの世界の肝となる設定(なぜこんな原始的な世界であんなに発達した機械が闊歩しているのか)と言うところは全て話しきっていたので本作から話の方向を変える必要があるのはわかっていたが、正直満足のいくものでは無かった。
前作の過去世界から実は宇宙に脱出できていた権力層が実はいたと言うのも微妙だが、そいつらが技術で不老不死になってて生きていて戦うと言う設定がキツい。1000年以上の技術差があるのに相手が常時展開しているシールドをよくわからないが機械で停止させられますとか、そもそも敵の攻撃手段もちゃちいビームですとか説得力に欠ける。その挙句にそいつらは実はカマセでそいつらの意志だけ抽出した悪意を持った機械生命体が発生して、それが本当の脅威ですそれから逃げてきただけでした。本当の脅威は次回作これが真の敵だ!ってのは方向性は微妙だしどう考えても勝てるわけないし(ご都合で勝つわけなのだろうが)、シリーズとして続けるためだけに無理やり用意された設定に感じて乗りきれなかった。
ファロのゴミ屑エピソードが追加されたのはシンプルにもはや笑ってしまった

もう一つの軸である部族間の問題に関しても正直前作から興味あるのはポストアポカリプス世界の設定だけで、引き続き原始的部族のありそうな話って感じでしかなく良くも悪くも前作と変わりない。アーロイが割と仲間を頼るようになったなと思う人間性の進歩はあってよかったね。(前作で部族の話が好きなら今作も楽しめるのでは)








ネタバレ終わり

不満点

ゲーム性でUBI式としては上限と書いたが勿論不満点は存在する

  • 無駄にアスレチックが多い

    • マリオみたくタイミングの合うアクションとしての楽しみもないアスレチックはただの時間稼ぎであり面白くはない

  • アスレチックの操作性が悪い

    • ドローンの回収時など正解の場所からアクションしているのに反応せず落下するみたいなことが多い

  • いちいちモーションが長い

    • アスレチックでちょっと飛ぶと反動で体が揺れて操作不能になったり、爆破できる壁やアイテム拾いなどは頻度が多いのに無駄にモーションが長いのでイラっとする

  • L3・R3を押させる頻度が異常

    • 本作はかなり写実的なためインタラクトできるオブジェクトが背景と同化して視認しにくい。このためR3でフォーカスを行うのだが滅茶苦茶頻度が多いのでコントローラーに負担が凄そう

  • オブジェクトの引っかかり

    • 特に地上騎乗時だが、小さな段差や草むらに引っかかり移動しにくいことが多々ある。登れる壁登れない壁も差別化できておらずオブジェクト干渉は雑

  • 対人戦がストレス

    • 近接武器がコンボなど強化されたため使って欲しいのか、雑魚敵の人間もヘルメットを被り狙撃で倒しにくくなっておりステルスで狙撃していく楽しみが減った

  • アーロイのモデリング下ぶくれになってない?

全般的に快適性に関して不満点が残っているように思う。
いい方向の調整として持ち歩き容量を超えた分の素材は勝手に保管庫に送られると言う完全に現実の整合性を無視したゲームの快適さを優先した実装もしているので、長いモーションやアスレチック操作性などゲームの面白さに関与しない部分はバッサリと快適性に振るもしくはアクセシビリティの一環として提供することを期待したい。

総評

従来的なOWゲームとしては細かい操作性以外グラフィック・戦闘とほぼやり切ったのではないかと思う。特に改めて示された空を自由に飛ぶと言う行為の素晴らしさは今後のOWどれにも取り入れてもらいたいほど。
一方でBotWなどOWをより意味のある使い方を知ってしまっているので前作もそうだがその分を差っ引かざるをえずやや不憫に思う。
ストーリーは好みなので点数には加点も減点もしていないが、前作好きならやや肩透かしか。


点数:89点

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