DWSIM:気液平衡、Pxy図をよむ、その1
Pxy図からよみとれることを整理します。例として、窒素-メタン系を検討しました。
DWSIM v6.4.5(執筆時)
DWSIMでの設定
Compounds:Nitrogen, Methane
Property Packages:Peng-Robinson EOS
FlowsheetにはMaterial Streamを一つおきます。
Pxy線図
最初に窒素とメタンの基本情報を確認します。メニュー Edit > Simulation Settingsを選択し、Settings画面を開きます。
以下のSettings画面で、Nitrogenを選択し、リストの下のView Selected Compoundボタンを押します。
以下の純物質の物性情報を参照することができます。ここでは、Critical Temperature(臨界温度) を確認すると 126.2 K (-146.95℃)でした。臨界温度とは、熱力学では、気体をどんなに圧縮してもその温度以上では液化しない、その温度を下回ると液化ができる温度の境目になります。
同じくメタンは、190.56K(-82.59℃)である。窒素の方がより低い温度にしないと液化しないと理解できます。
温度が110K(両物質の臨界温度よりも低い温度)で、Pxy線図を描画してみると、全域で液化(気液平衡)が発生していると予想されます。
気液平衡曲線の描画方法は以下を参照ください。
126.2K - 190.56K の間では、どのようになるのか、気になってくるところです。
150Kで描画してみると、以下の結果がえられました。露点、沸点曲線がクロスしており、不可解な印象です。
改めて範囲を0.68 mole fraction 付近で描画しなおすと以下の様になります。より臨界温度の低いNitrogenの割合がおおくなると、液化がしなっていると予想されます。混合物でもその組成における臨界温度が存在すると考えられます。
文献などをあたり、実測データをみて、以下の計算状況を理解し、場合によりPR-EOSのkij(相互パラメータ)を調整してプロセスシミュレーションを実施するのが良いです。
まとめ
Pxy線図から読み取れる情報を整理しました。
所感
混合物の臨界点の確認方法としては、K-factor(Ki = γi/xi)による方法もある。活量係数の計算値を出力する方法を確認が必要で、そこまでの記述ができなかった。DWSIMの開発者に聞いておきたいと思う。
参考文献
J. Gmehling, B. Kolbe, M. Klieber and J. Rarey, Chemical thermodynamics for process simulation wiley-VCH, 2012, P.180