Nkunku の解剖図🫀
1.前書き
・去年の Leipzig は5節終了後に監督が交代してます
前任 Tedesco → 新任(現監督) Rose
・第5章でChelseaでの Nkunku の起用法に触れますが、それまでのデータ、スタッツ、話題は全て Leipzig での事象です
2.昨シーズン(2022-23)の歩み
︎ ⚪︎開幕〜W杯前(全24試合中23出場)
・21試合先発。途中出場はPokal 初戦(主力温存)と Bundes 第11節(手首手術による練習不足)の2試合。
・欠場は1試合。Pokal 第2戦で手首手術の影響。
・17得点をマーク
⚪︎ W杯メンバー選出後の怪我
・合宿で膝の外側側副靱帯を断裂
・絶好調の中、怪我で途中離脱となる
⚪︎復帰〜シーズン終了(全25試合中13出場)
・最初の6試合を欠場
・Bundes 第21節にて、途中出場で復帰。以後2試合連続で途中出場。
・Bundes 第23節で先発復帰も、試合終了後にハムストリングの部分損傷を確認。その後の6試合を欠場。
※この試合の直前に Werner が風邪に罹り、Nkunkuに白羽の矢が立った。試合後、Leipzig は「彼が耐えられる負荷を誤ったかもしれない」と Nkunku の先発復帰が時期尚早だった可能性を報じた。
・ハムストリング損傷から復帰後は2試合を途中出場
・その後7試合を全て先発出場し、シーズン終了
・最終的に13試合中8試合で先発。6得点をマーク。
※個人的には第23節の怪我(復帰後のハムストリング損傷)が特に勿体無かったと感じます。
3.データ、スタッツ関連(2022-23)
⚪︎出場記録(フォーメーション)※全36試合
・3412:2トップ(6試合)※全て Tedesco 政権
・343:1トップ(5試合)※内1試合が Tedesco 政権
・4222:2トップ(12試合)
・4231:1トップ(1試合)
10番(9試合)※内試合が Tedesco 政権
右SH(1試合)
左SH(2試合)
※前任の Tedesco 政権では3412が中心
・主に Werner と2トップ
※新監督の Rose 就任後は4バック。
・就任後からW杯までの間は、左から Werner Nkunku Szoboszlaiで2列目を形成し、Andre Silvaを最前線に置いた4231が中心。
・靭帯損傷から復帰後は WernerとNkunkuの2トップ。その下に Olmo と Szoboszlai を置いた4222が中心。
・Rose 就任後の最初の3試合でSHとしてプレー
※343では全て最前線で出場
※ Leipzig でのラストマッチ、Pokal 決勝の前半では4231の1トップを務めた。2列目は左からWerner Olmo Szboszlai 。後半は Werner と2トップ、2列目にOlmo とSzoboszlai を置いた4222に変え、1得点1アシストで優勝に貢献。
⚪︎スタッツ
36試合出場(先発29試合)
23得点6アシスト
・全23得点の内訳
右足:14 (PK:4,FK:2)
左足:7
ヘッド:2
ペナ内:21
ペナ外:2(FKのみ)
⚪︎怪我前と復帰後の違い(ストライカー化)
怪我前と復帰後では、役割やプレーする高さがやや変わりました。簡単に言うと、「最前線でプレーする傾向が強まり、タッチ数が減少」しました。これは怪我明けの Nkunku に守備の負担を与えないという意味合いも含んでそうだと感じていますが、変化が可視化できるデータを用意しました。
🔽怪我前のデータ
・フル出場時の平均タッチ数:46.9回
・怪我前の平均ポジション(18番)
🔽復帰後のデータ
・フル出場時の平均タッチ数:37.25回
・復帰後の平均ポジション(18番)
4. Christopher Nkunkuの特徴
ドリブル、パス、シュートが圧巻!みたいな論調は避け、Leipzig の試合を見続けている身として、90分の中で見て取れるリアルな特徴や傾向を記載します。
⚪︎攻撃
・Joao Felix のような「ボールを触りたがる傾向」は無く、ゴールから離れる事を嫌う
・中央からやや左側のエリアを好む
・球離れ◎(さっさと人に預けてボックス入りたい!)
・単一的な立ち位置でCBを背負うようなポストプ レーは出来ないものの、動きの中では足元にガンガン縦パスを付けて良い。涼しい顔で捌いてくれる
・ラストパスに対する裏抜け精力的に行うが、Nicolas Jackson のような陣地挽回の出口としてバリバリ走り回るような性能は持ってない
⚪︎守備
・撤退守備は出来ないものだと思った方がいいです。確実にボロが出ます。
・カバーシャドーしながら前プレに出るのは上手です。しかし Nicolas Jackson のように1人で広範囲を追っかけ回すのは厳しいです。後ろとの連動を大切に。
🔽 Rose 体制の初戦。4231の右SHとして出場した Nkunku が見れます。時間のある方は前半15分だけでもご覧になって下さい。Nkunku の撤退守備がいかに機能しないか見て取れると思います。
🗣️小話「とにかく守備を免除されるNkunku 」
Leipzig の監督である Rose は強度の高い442の守備を好みますが、相手の力量を認めた試合ではツートップを縦関係にした4411に変え、相手のアンカーへの守備を強化します。
去年の Away の Bayern 戦。Nkunku とツートップを組んだ Andre Silva。攻撃時は Silva のやや下に Nkunku がポジションを取りますが、守備時は上下関係が変わり、Silva が Kimmich の位置まで下がります。
配置の整合性を加味すれば、体格に優れポストワークの効く Silva が最前線でしょう。しかし、Rose が選んだのは Nkunku に守備の負荷を負わせないという方法でした。
5. Chelsea での現実的な起用法
− 各ポジションで抽出できる強みと懸念点 −
※4231が前提です
⚪︎9番編
🔽強み、メリット
・守備での負荷を避けられる
・ゴール前での仕事量に期待ができる
・現状のバランスをあまり崩すことなく組み込める
🔽弱み、デメリット
・馬力を使った前進への貢献は期待できない
・試合から消える懸念
ゴール前でのクオリティはChelsea の選手の中で最も期待できるが、Nicolas Jackson の走力やポストワークがビルドアップの出口として機能しているのは事実。Nkunku を最前線で使う場合は Palmer や Enzo らが後ろと前を繋ぐような仕事に専念する必要がありそう。
⚪︎10番編
🔽強み、メリット
・9番と連携し、ゴール方向へと前向きに解放できる
・守備での負荷をある程度減少できる
🔽弱み、デメリット
・Gallagher,Enzo,Caicedo のトリオが解体される
・Spurs の Madisson や Man United の Bruno のような8番兼任の10番ではなく、セカンドストライカーとしてプレーする傾向があるので、中盤のビルドアップが人数不足になる可能性。
実際、Pochettinoは PSMで Nkunku を10番で起用した際に「セカンドストライカーとしてプレーしすぎだ。中盤での組み立てに加われ!」と指示。
⚪︎左WG編
🔽強み、メリット
・9番と連携し、WGストライカー的な運用ができる
・左サイドでのプレーに集中できる
🔽弱み、デメリット
・撤退守備に組み込む必要がある→最大の懸念点
・今のChelsea のバランスでは左WGは張れる選手が望まれるが、Nkunku は張り続けると良さが出ない。
左WGとしてのNkunkuと相性が良い左SBは Chilwell ですが、今の左SBに求めるのは Colwill や Cucurella のように、後ろにステイしてバランスを取ること。
今の構造を変えずして Nkunku を左WGで起用するのは厳しいと思います。
⚪︎12月中のNkunkuの起用法
・12月15日現在で、12月は残り5試合。全て途中出場(150分程度)でプレーして欲しいです。
・個人的にベストだと思うのは Nicolas Jackson の交代要員としてプレーすること。
・ビハインド時は Gallagher や Enzo と交代し、ストライカーの近くで攻撃の火力を上げる役割にも期待。
12月中は先発出場は求めません。起用法は様々な選択肢がありますが、Nicolas Jackson が 1月中旬から1ヶ月間、AFCON で離脱する事を加味するとストライカーでのプレーに適応させたいです。
6.終わりに
Nkunku がチームトレーニングを全て完了し、スカッドに入る予定だということで、彼を徹底解剖しました。攻撃なら何でも出来る本当に凄い選手です。低迷するチェルシーを救って欲しいです。そのためにも、まずは元気な姿を。チェルサポ一同で戦っていきましょう。長々と書き連ねてしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございました😊
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