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ロードアイランドの10月 消えたコロンバス・デー

コロンバス・デー(Columbus Day)は、1492年10月12日に、かの有名なクリストファーコロンブスがアメリカ大陸を発見し到着したことを祝う日で、アメリカの多くの州の祝祭日にあたり、10月の第2月曜日がお休みになる学区※も多いです。

私たち家族は2019年の夏に渡米し、長男は右も左も英語もわからない状態で9月の学年始まりから現地校に放り込まれ、いきなりコロンブスになりきった文章を暗記するという洗礼を受けていました。とは言えクラスメイトと一緒に15世紀の船乗りたちの仮装、変装をして舞台に立つことは、非日常で心に残る体験になったようです。

3歳年下の次男も「ひげをつけたら面白いよ」などと兄からアドバイスを受けてその学年を迎えたのですが、その年2021年はなんのお知らせもなくその行事はすっぽり学校のカリキュラムから消え去ったまま10月が去っていってしまいました。

いくつかのプロスポーツチームの改名もちょうどこの頃でしたし、白人優位主義への反省から、この祝日を先住民の日と認識する動きは年々高まり、ネイティブアメリカン・デー、インディジュナス・ピープルズ・デー(Indigenous Peoples' Day)と呼ばれるようになっていることは私も肌で感じていましたし、'Indigenous'という単語を何回唱えても覚えられず苦労していました。

彼らが通った現地の小学校では、先生は学年を持ち上がらず、担当の学年を毎年教えます。兄が5年生で習った時と同じ先生たちが弟の5年生の担任も受け持ってくれ、他のカリキュラムや授業内容はほぼ同じだったのに、コロンバス・デーの行事だけがカットされていました。このことは身近な教育現場を通しても、コロンブスを描いた劇が消えていくなどアメリカの歴史認識が大きく変容しつつあると教えてくれた出来事だったと思います。

※同じ州でも学区によって運営が異なり、スクールカレンダーさえ違うものが作成されています。




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