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芸州鹿革手袋

皆様こんにちは。

我が身にどんな不幸が起ころうとも、せめてもの救いは花粉症ではない事だと自分を励まし続けて40年。
その思いも虚しく遂にデビューしてしまいました花粉症、本厄恐るべしです。
鼻より目より喉が辛いです、コロナではそこまで神経質には気にしてなかったマスクがここにきて大活躍です。

更に、昨夜から機種変でデータ移行作業を行っておりましたが途中で不具合が起きてしまい、一旦初期化して再度データ移行し環境が整うのに仮眠時間を除いて11時間掛かりました、本厄恐るべしです。

そんな厄災が降りかかりながらも作品が完成しましたので写真で綴ります。


先ずは製図から試作。
試作から再度製図し、荒裁ちから最難関のベタ漉き。
画像左が元厚の約2.5mm厚、右がベタ漉き後の0.9mm厚。
染色、表面処理、手揉み、再度ベタ漉きを経て本裁ち、部分漉きまで。
この白い山は今回漉き落とした漉きカスの量です。
細いのは全て部分漉きなので、それだけでも結構な量になります。
表に見えるステッチは全て左撚りの糸を手縫い専用の右撚りに撚って作った独自の麻糸を使います。
ステッチの見えない内縫い部分には強度重視でポリエステルの糸を使います。
漉き機で部分漉きした縫い代でも段差が気になる部分は手作業でゼロ漉きに。
先ずは手の甲、親指の縫製から。
親指のここがまた難関、たった一針が大きく強度を左右します。
マチを表側に縫い付けて縫い代を割ります。
外出を縫い合わせ縫い代を処理し、ひっくり返して口元の見返しを貼り合わせて縫製し(途中の写真を撮り忘れまくりました)
最後は手縫いでボタンホールを縫います。
因みに指の縫い代処理用に木の棒を削って治具を作りました、

ワックスで磨いてボタンを取り付けて完成です。

芸州鹿革手袋

革はジビエの特注油鞣しの鹿革、縫製は全て手縫い、染色は手染めです。
付きっきりの残業三昧でも制作期間が半月という、度外れに手間の掛かったな手袋となりました。
手袋の場合は元来ミシンの方が早くて綺麗に縫えるところをわざわざ手縫いで縫うというのは、一般的な革小物よりも難易度も作業時間も余計に数十倍に膨れ上がります。
説明が難しいんですが労力=仕上がりに直結しないんです。
ミシンに負けない手縫いのクオリティも求められますし、それが見た目に分かりにくい。
ただオーバークオリティに仕立てる事すら難しい訳です。
とても良い知識、経験になりました。
今回も良いオーダーを有難うございました!

さて、次はリペア&メンテナンスの仕事に取り掛かろうかと思います。
それでは皆様また会う日まで。

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北崎厚志

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