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負の連鎖を断ち切る ~映画「学校をつくる、難民の挑戦」 @第19回難民映画祭2024

秋恒例の難民映画祭。今年もオンラインで6本の映画を配信しています。

家や職場の休み時間なんかに、自分のデバイスで鑑賞できるのは本当にありがたい!

それに、「ん? どういうこと?」と思ったら、巻き戻して(死語?)確認できる!

さっそく「永遠の故郷 ウクライナを逃れて」を鑑賞。

次はどれにしようかな~。

よし、教育系でいこう。

ということで、「学校をつくる、難民の挑戦」にしました。

アフガニスタンでの迫害を逃れてきたハザラ族の青年たちが、避難先で自主学校をつくったドキュメンタリー映画です。

2008年から13年にかけて、5万人強の難民がオーストラリアを目指して海を渡ります。

しかし、オーストラリア政府は、2013年に、無許可での上陸を禁止、多数の難民が、中継地点であるインドネシアに滞留することになります。

当時、インドネシアのUNHCRは、難民が組織活動をすることを許可していませんでした。

難民たちは、教育も、就労も許されず、第三国定住の見通しも立たず、不安な毎日を過ごさざるを得なくなります。

そのなかで、規則正しく秩序だった生活を送り、あるもので楽器を作り出すなどして、文化的な暮らしを営もうとする青年たちがいました。

彼らは、教育はすべての人の権利だという強い意志をもって、自主学校をつくることを難民らに持ちかけます。

組織的活動を禁止されているなかでの学校づくりは、下手をすると難民認定に差しさわりが出るかもしれません。

それでも難民たちは、乏しいお金を出し合って、建物を借り、物品をそろえ、みんなで学校開設の準備を進めます。

女性たちが教師役を買ってでて、学校は大盛況。

そして、学校は、子どもたちだけではなく、孤立した難民たちのコミュニティセンターの役割も果たすようになります。

入学希望者はあとを断たず、さらに大きな建物に移ります。

インドネシアの子どもたちとの交流、オーストラリアのボランティアからの支援など、学校を核として支援と交流の輪が広がっていきます。

学校設立の中心となった青年の一人が、彼の母親の人生を語る場面は、涙なしには見られませんでした😢

男女を問わず、教育を受けられるようにしなくてはいけない、母のような目に遭うことがあってはいけない、自分たちの代で負の連鎖を断ち切るんだ、と彼は涙ながらに語ります。

意欲も能力もありながら、民族差別や社会情勢の悪化のために、すべてを奪われ、あるいは捨てて、異国の地でゼロからどころかマイナスから生きていこうとする人たちの実情をもっと伝えていかなくてはいけないとつくづく思いました。

詳しい説明はこちらに↓

https://www.japanforunhcr.org/appeal/rff/the-staging-post


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