平和祈念展示資料館と出張展示@滋賀県立美術館で学ぶ
なんということでしょう、すっかり記録を怠っていました。
昨夏(2023年)、初年次教育学会での発表@山梨学院大学のあと、バスで新宿へ移動し、平和祈念展示資料館と半蔵門ミュージアムを見てきました。
平和祈念展示資料館は、第二次世界大戦下の ①兵士、②戦後強制抑留者、③海外からの引揚者 の労苦について扱っています。※戦争で負傷したり病気になったりした兵士についての展示がある「しょうけい館」も似たコンセプトで、やはりとても良かったです。
国が委託している施設ですが、単独の建物ではなく、高層ビルの上層階。たまたま通りかかって入る人はいないんじゃなかろうか… とても良い展示なのに。無料だし。
こちらの↑トップ画像は、展示物のなかで一番印象に残ったもの。シベリアに抑留されたいた方々が自作したスプーンの数々です。
食べ物や身の回りのものに事欠く抑留生活では、なけなしの材料を使って、さまざまな生活道具や、娯楽の道具、記録するための道具が作り出されました。(娯楽については、あとの方でも紹介します)
このころはチェコ旅行から帰ってすぐ学会で、そのあとも立て続けにいろいろ飛びまわっていて記録がずさんですが、たいへん学ぶことの多い、心打たれる展示なので、東京に行くなら立ち寄ってほしい場所です。
資料類も豊富。リーフレットや冊子をいただけます。平和祈念展示資料館は、設立の経緯から、図録やグッズの販売はされていないそうです。
そして、東京から帰ってすぐ、地元・滋賀県立美術館に、平和祈念展示資料館の出張展示が巡回してきました。学芸員さんのギャラリートーク(2023年9月17日)に合わせて家族で見に行きました。
こちらも出張展示とは思えないほどの充実した展示。さすがに実物大ジオラマはありませんでしたが、現物もたっぷりで、新宿の展示と遜色ないと言えるくらいでした。
HPを見てみると、所蔵資料:約23,000点、常設展示:約400点(グラフィックやジオラマ含む)とあるので、実は私たちが見る展示というのは、収蔵品のごくごく一部ということなのですね。ふむふむ。
そのさらにごくごく一部を載せておきます。継ぎあてがいくつも施された抑留者の作業服。
先述したように、過酷な状況でも(だからこそ)、人はなにかを書き留めたり、楽しみを見出したりするもののようです。自由のない、極度に制限・管理された環境下でも娯楽品を作り出す行為は、いろんな施設で見られるようです。他の施設での例を文末にリンクで挙げておきます。
滋賀県に関わりのある引揚者の方が寄贈されたものもありました↓
美術館らしく、抑留から帰還された画家さんの作品展示も。
ギャラリートークには結構な数の人が来ていました。東京の本館から学芸員さんが来られていたので、ちょうど新宿にも行ってきたところです~とお声掛けして、少しお話させていただくこともできました。
やはり研究・展示に関わっておられる本職のお話を聴くと、ああそういうことか!と勉強になります。時間はかかるけど、スケジュールが合えば解説を聞くのが良いなと思いました。(で、後日行った和歌山県立近代美術館の展示もギャラリートークの時間を狙っていきました)
新宿の平和祈念展示資料館ではSNS投稿をしてノベルティグッズの「ああ黒パン」メモ帳をいただいてきたのですが、出張展示でもクイズラリーに答えるといただけました。ギャラリートーク参加でも、もらえたのだったかな。家族3人で行ったので、何種類も増えて嬉しい!
犬のノートは、映画「ラーゲリから愛を込めて」の公開を受けて作られたようです。可愛い!
このあとさらに少しお尋ねしたいことがあって学芸員さんとやりとりがあったからでしょう、後日、企画展のご案内の年賀状をいただきました。
それがまた、私と息子の関心にジャストミート(「極限下のエンターテイメント シベリア抑留者の娯楽と文化活動」)だったので、春休みに行きました。
ということで、9月から3回も展示を見る機会がありながら、ここまで記録をブログってなかったことに4月になって気づき、慌てて思い起こしてアップした次第です。春休みの見学記録は別途!
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