新パッケージに込めた想い
はじめに、
忙しくても、健康とおいしさを諦めなくていいように。
大変な時こそ、頼ってもらえる「パートナー」になれるように。
そんな存在を目指して、CHEFBOXはお客様からいただいた声を大切にしながら、日々改善に向けて奮闘しています。
このnoteは、そんな私たちの改善の軌跡を少しずつ発信し、お客様との繋がりを育んでいく"場"にしていきたいと願って開設しました。記念すべき第一弾は、これまでで一番ご要望の多かった「新パッケージ」の開発ストーリー。
企画開始から約10ヶ月、長らくお待ちいただいた皆様への感謝を込めて、新パッケージに込めたこだわりと想いについてお届けします。
--CHEFBOX初期のパッケージとシェフの中村--
voice #1 冷凍庫にパッケージが入らない
2020年7月にサービスを開始してから、一番多くいただいた声は「冷凍庫にパッケージが入りきらない」というものでした。
確かに、巷の食品容器はスーパーや店頭などで見栄え良くディスプレイすることを目的に開発されているため、とても大きいのです。私たちは国内外の食品容器を探し回りましたが、なかなか冷凍に対応したコンパクトな商品に出会うことができず、どれも最適とは言えませんでした。
お客様にストレスなく継続いただくためには、「内容量はしっかり入るけど保管スペースを圧迫しないサイズのパッケージ」が必要だと感じたことをきっかけに、本プロジェクトがスタートしました。
まとめ
・食品容器は大きめに設計されているものが多いため、「コンパクトだけど内容量はしっかり入る」オリジナル・パッケージが必要。
--パッケージが大きく冷凍庫がパンパンになってしまう--
voice #2 解凍ムラが出てしまう、お肉が硬い
2番目に多くいただいたお声は、「美味しく温められない」というものでした。例えば、おかずとブロッコリーでは水分量が違うので、指定の時間で温めても「おかずはアツアツ、ブロッコリーはまだ冷たい」などの解凍ムラが生じることが多々ありました。また容器が大きいため解凍に9分前後かかり、お肉に熱が入りすぎて硬くなってしまうという課題もありました。
シェフの中村も、「丁寧に調理しても解凍中に品質が落ちてしまうのが申し訳ない。この問題をどうにか解決したい」と頭を悩ませていました。
--調理したばかりの、しっとり柔らかい豚ロースト--
私たちは、冷凍食品に詳しい専門家からのアドバイスや学術論文を参考にしながら、「水分量が違う食材を分けて保管したり、容器を薄くしたりすることで美味しく温められるようになる」ということを知り、今回のパッケージ開発にも活かしています。
まとめ
・ご飯など水分の多い食材は惣菜と分けて温める必要がある。
・容器を薄くして温め時間を短くすることで食材の硬化を防ぐ必要がある。
環境保護のために、竹とバガスを主材料に選択
CHEFBOXはお客様の日々の生活を支えるパートナーでありたいと願うので、食後にカラの容器を捨てる時でさえも、豊かな気持ちで過ごしていただきたいと考えています。そのため、新パッケージにはエコ素材を使用することにしました。
しかし、ただ適当にエコ素材を扱うのではなく、少しでも環境保護に貢献できる選択をしたいと考えたため、現在アジアを中心に問題視されている「竹林問題(竹害)」の緩和、資源ごみリサイクルの一環として、”竹”と”バガス”を材料に選択しました。
竹林問題(竹害)とは
高度経済成長期以降、プラスチックなど安価な材料の台頭により竹の需要が低迷し、放置された竹林が拡大しました。高く伸びた竹が日当たりを悪くして雑木を枯らしてしまったり、竹の根が地盤を弱らせることで土砂崩れ被害の原因にもなるとして深刻な問題となっています。
バガスとは
サトウキビから砂糖を絞った後の繊維のことで、バガスの多くはゴミとして捨てられていましたが、近年ではエネルギー資源や非木材紙、食品トレーや容器などに活用されるようになりました。森林伐採の抑制にもつながるとして、世界的に注目されている資材です。
--バガスの写真(wikipediaより参照)--
しかし、竹とバガスの加工実績のある国内業者は少なく、ようやく最適な条件で協力いただける会社様に巡り会うまでにまるまる3ヶ月かかってしまいました。最後まで弊社の無理難題にお付き合いいただいた担当者様には、心から感謝しています。
デザインでこだわったこと
〜容器のサイズ編〜
容器のサイズを決定する際には、次の4点を意識しながら、粘土を使って検討を進めました。できる限り無駄を削ぎ落とし、「小さいのにしっかり入る」理想的なパッケージが出来上がりました。
①お料理の内容量が変わらないこと
②ギリギリまで幅を小さくすること(省スペース化)
③ギリギリまで高さを薄くすること(温め時間の短縮)
④お惣菜とご飯を分けて保存できるようにすること(温めムラの防止)
--粘土でサンプルを作成していた時の様子--
〜フタとラベルのデザイン編〜
フタとラベルは、ロサンゼルスで活躍するデザイナーのMika Tohmonにデザインしてもらいました。彼女のコメントを引用します。
”CHEFBOXのパッケージをデザインする際に意識したことは、料理名や栄養素などの”知りたい情報”が、冷凍庫を開けた瞬間に、読みやすく鮮やかに目に飛び込んでくるように設計する、という点です。
おうちに居ながらにして、好きな時に食べたいものを選べるCHEFBOXの楽しさを最大限に味わってもらうための取り組みです。
また、本来ならば裏面に事務的に貼られる「食品ラベル」を主役に用いたことで、素材やレシピにもこだわりを持ってお届けするCHEFBOXらしさを演出しました。”
─ Mika Tohmon.
まだまだ新しいサービスであるCHEFBOXではオペレーション上の制約も多く、その中で最大限美しいパッケージをデザインしなければいけませんでしたが、チームと何度も意見交換しながら、機能的で無駄のないデザインに仕上げていただいたMikaさんに大変感謝しています。
こうして、完成した容器はこちら!
1食分のお料理を盛り付けるとこのような見た目になります。今まで通りの内容量が盛り付けられて、30%近くのサイズダウンに成功しました。
--盛り付け例--
導入に向けたオペレーションテスト
新パッケージの導入準備は、小林さん、有元さん、中村シェフに担当してもらいました。限られた時間の中で様々なパターンをテストし、無事リリースに間に合わせることができたのは3人のおかげです!
まず第一に、最もおいしい状態で食べていただくための「解凍テスト」を実施しました。食材の水分量に合わせて何パターンも解凍テストを行う必要がありますが、CHEFBOXはメニューが多いため、非常に時間と根気がいる作業です。また解凍時間は電子レンジの種類などによっても異なるため、”温まりすぎず、冷たいところが残らない”ギリギリラインを探すのに苦労しながら進めてもらいました。
※現在進行形でテストを繰り返しながら微調整を行っています。
次に、配送テストです。せっかく綺麗に盛り付けた食材が配送の過程で崩れてしまわないように、オーダーメイドダンボールのサンプルを手配して物流テストを実施しました。パッケージの納品日が予定よりも遅延するなどのトラブルがあり、数が足りない中でテストを進めなければいけなかったのですが、柔軟に検証を進めていただき、無事お届け準備が完了しました!
「全部ご飯」プランはお米20g増量!
パッケージを新しくしたことで嬉しい変更点は、ご飯を入れられるスペースが以前よりも増えたことです。そのおかげで、「全部ご飯」のプランに関してはご飯の量を160gから180gに増やせるようになりました。
※2021年12月6日お届け分から、ご飯の量が増えます。
ゆくゆくは、「ご飯大盛り」などのカスタムもできるようにしていきたいと考えています。
最後に、お客様へ。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。10ヶ月前から開始した「新パッケージプロジェクト」ですが、ようやくお客様にお届けできることをとても嬉しく思います。
忙しくても健康とおいしさを諦めなくていいように。大変な時こそ頼ってもらえる「パートナー」になれるように。まだまだ改善点は多いですが、より良いサービスをご提供できるよう、引き続き、お客様の声を大切にしながら改善に努めていきたいと思います。
今後ともCHEFBOXをどうぞよろしくお願いいたします。
CHEFBOXチーム一同.
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