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謎解き日本一決定戦Χ2023決勝大会 体験レポ(前編)
はじめに
こんにちは。ちーたーと申します。記事の公開時点で20歳、大学2年生です。普段はAnotherVisionという謎解き制作サークルで謎解きの制作をしています。『今夜はナゾトレ』という番組の『東大ナゾトレ』から一枚謎にハマり、そのしばらく後に、より広く謎解きというものを知り始め、昨年度あたりから謎解き公演にも参加し始めました。
そんな僕ですが、この度、松丸亮吾さん率いるRIDDLERによって主催された『謎解き日本一決定戦Χ2023』という大会にて、上位8名に残り、「決勝大会」に参加してきました〜〜〜〜〜〜!!!!!
上位8名による「決勝大会」の様子が2023年3月26日にTBS系列で地上波放送されました。その後期間限定でTVerでも配信されています。まだ見てない人はぜひ見てくださいね。
なおここから先は番組のネタバレを大いに含みます。まだ見てない人はブラウザバック推奨!!!
さて、この記事では、あの決勝大会の日に僕がスタジオで思っていたこと、どんなことを考えて謎を解いていたかを裏話的な感じでつらつらと書いていこうと思います。
決勝大会前の話
勝負飯はカレー
決勝大会は午後から。昼食を食べて会場に向かいます。昼食はカレー。僕には昔から、頭を使うことの前にカレーを食べると良い感じの結果が出せる!というジンクスがあります。僕が1位という成績を残した最終予選の前に食べたものと同じのを食べました。願掛けはバッチリです。
帽子の話
僕が被ってる帽子、気になった方も多いかもしれません。あれは僕の私物なんですが、最終予選のときに300人の中でちょっとだけ目立ってやろうということで被っていったんですよね。可愛いし。
そしたら、テレビ局の人にいい感じにキャラ付けとしてウケて、「決勝大会でも是非!」って言われちゃったんですよね、「ほなまあ被るしかないかあ」ってことで被って行きました。まあ、可愛いし。
気になった方のためにAmazonのリンク置いときますね。
控室にて
会場に着くと、すぐに控室に通されます。そこですぐに応援団の2人とはお別れとなってしまいました。情報の流出、特に応援団との情報共有を防ぐため、スマホなどの電子機器類もすぐに回収されました。応援団の2人ともっと喋りたかったよ…。
しばらくして、控室には衣装に着替えたプレイヤー8人が揃います。持ってきた謎を解いてみたり、ご飯を食べたり、頭を使うカードゲームをしたりと各々時間を潰します。結構待ち時間長いから暇つぶし大事だよ!というのは聞いていましたが、スマホ没収がこんなに早いと思ってなかったので、思っていたよりはるかに暇でした。
プロの方にメイクもしてもらいます。楽しみです。僕のやつは他の人より色が濃いめのやつになってた気がします。髪色とか見て似合うやつにしてくれたんでしょうか。メイク詳しくないから分かんないや。でも、これからテレビに映るんだっていう実感は湧いてきました。だんだんテンションが上がってきます。でも不思議と緊張はしませんでした。「ここまで来れたんだからあとは楽しむだけ」の気持ちが緊張を和らげてくれたんだと思います。こういった場の緊張感には結構強いタイプです。
応援席について
応援席は2人まで呼べるということで、サークルの同期を2人呼びました。
ハルティは昨年のペア戦ではペアで一緒に出た仲、ということで呼ばせて頂きました。キャラがめちゃめちゃウケまくってて良かったですね。ハルティ回と言っても過言ではない。
もう1人は、サークル同期の最終予選進出組から呼ぼうと思ったんですが、この話をしたら行きたい!っていう人が多かったので、僕が作った謎で応援席争奪戦を行うことになりました。1位だったすねーくが来てます。ここで使った謎ももしかしたらいずれ公開するかもしれません。
本番は2人の温かいコメントにとても助けられましたね。彼らを呼んで本当に良かったです。ありがとう。
いざ、ステージへ
長い長い待ち時間が経過した後、ようやく案内された我々を迎えてくれたのは、去年テレビで見たようなでっけえセットたち。「いまから俺、ここで謎解きするんだ…!」と更にテンションが上がります。
まずタブレットやボタンのチェック、その後オープニングの収録→プレイヤー紹介のコーナーの収録が行われ、いよいよ競技が始まろうとしています。緊張2割楽しみ8割ぐらいの気持ちで説明を待ちました。
なお、放送はされてませんがプレイヤー紹介コーナーでFUJIWARAの藤本さんに「ホンマに予選1位ですか?」「頭良さそうに見えない」と言われました。ホンマです!!!
1st STAGE 「お笑い謎解き」
1st STAGEは去年のような一枚謎速解きなのかな、純粋に解けない一枚謎が出たら怖いな、などと思っておりましたところに、
今田さん・小芝さん「1st STAGE、お笑い謎解き〜〜〜〜!!!!!」
僕「ええ〜〜〜〜〜!?!?」
なんとなんと、最初からお笑い謎解きのコーナーでしたか。
お笑い謎解きは、去年も存在したコーナー。芸人さんの漫才やコントを見て謎に答えるというものですが、長尺の動画に対して謎が1問というシステムなので、情報の取捨選択やメモ力、「ここ謎解きに使いそう!」センサーの精度の高さが求められます。
また、このステージはロックボタンシステムが採用されていました。昨年テレビで見て学んだロックボタンシステムの特徴は
・問題数が少ないとき、前半の1問でしくじると大きなディスアドバンテージを負う。特に誤答に対するペナルティが非常に大きい。
・時間ギリギリに正解しても不正解のときと大して得点が変わらない。
・つまり、「タイムで大きな遅れを取るとたった1問で負けうる」「ただし、焦りすぎてミスった時のディスアドバンテージも大きいから気をつけて」という恐ろしいシステム。
という感じですね。怖いね。
今回の問題数は3問。絶対に1問もしくじれません。8人→5人なので、どちらかというと守りの姿勢でいくことにします。
1問目 マヂカルラブリーさんの漫才
1問目はマヂカルラブリーさんの漫才からの出題。シンプルにマヂカルラブリーさんのネタが好きなので嬉しかったんですが、その喜びも束の間。ネタで笑ってる暇などありません。謎解くぞ。
7つの玉のうち最後の玉の場所を平仮名5文字で答えよ、とのこと。この時点で「7つの玉に何かしら規則性があり、前半を聞いただけで最後の玉の場所が分かる、という問題なのだろう。7つというと、曜日か音階?」ぐらいは思考が巡ります。
しかし、何も手がかりが掴めないまま玉が2つ見つかってしまいました。
村上さん「あったーーーーー!!!!」
ちーたー「どこだよ💢💢💢💢💢」
流石に焦ります。「みんな」と「ファイト」があまりに文脈に自然に入れ込まれていて、完全にスルーしてしまいました。笑ってる場合じゃないです。
しかし、3つめで「幸せ」をちゃんとキャッチしました。自分偉い。頭の中で「幸せ」→「ドレミの歌」の思考回路が組まれていたのが幸いでしたね。
ただ、やはりここは安全を取りたい。「これまで出てきた2つは何だったのか」「5文字は本当に青い空だけか」、手元にドレミの歌を書いてちゃんと確認して答えました。押して画面を見たらもう4人押してます。あっぶね〜〜〜悠長にしてる暇ないじゃん。まあでも結果的には合格圏内です。良い滑り出し。
ロックした後は漫才を楽しめるから嬉しいね。せっかくだから最初からネタを楽しむ気で見たかったですが。
後から番組を見て分析してみると、この漫才が、「みんな」「ファイト」「幸せ」の前半部分→深海でサメに喰われてる全く手がかりの出ない部分→「ドーナツ」「レモン」「ラッパ」の分かりやすいヒントが出る後半部分、のような構成だったので、「前半で分かった人」と「後半で分かった人」にタイムが大きく二極化されました。僕は確認作業に15秒近くかけてしまったのでその2つのグループのちょうど中間ぐらいでしたが。この問題で下位だった人がこの後の問題でスーパーファインプレイを出せば話は別だったかもしれませんが、実はこの時点で4人はほとんど勝ち抜けが決まっていたように思えます。ロックボタンの1問目、やはり恐ろしい。
2問目 ロバート秋山さんのVTR(前半)
何が問題に出るか分かりませんので、何となく全てをメモる時間が続きます。結果的に前半はほぼ使わなかったのでそのメモは無駄になりました。「真のつくものが好き」とか余計なこと言わないでくれ!!!俺が「真が名前につき」かつ「とくことができる物」を探していたあの時間は何だったんだ!!!おい!!!
ただ、やはりVTRの途中で「買い物多いな」という気持ちになります。買ったものを整理していると「酢」「イカ」「スイカ」が見つかりました。これはね、流石に出る。と思いながら謎に突入。
「 + = 」を2行と「?」を書いたところで、「たぶん例示がスイカなんだけど万が一のためにスイカって書いとくか〜」「あ、酢置いた。消せ消せ消せ」をやりました。あとは「同じような言葉の組み合わせをもう1組見つけるゲー」です。
とりあえずある物の名前を調べましたが見つかりません。おそらくこれらの物が何かしら形を変えて登場するのでしょう。例えば、物の一部だけ取り出して別の言葉として使う、とかね。「焼き鳥の『串』あるな」「は、くし」「白紙だ!!!急げ急げ」「そっか〜焼き鳥食べてたもんな〜、確かに。」てことでこちらも合格圏内。良い感じ!!!
荒本さんの「そのまま物の名前を使うのは単純すぎる」という発言に僕「いや〜、確かに。」
この手の思考は僕が特に苦手とする物で、制作者の思考を読み取って内容を予想する、いわゆる「メタ読み」というやつです。世界観が良い感じの謎解き公演とかであんまりやりすぎると冷めちゃう原因にもなるんですけど、勝負の場では大事なテクニック。僕の課題でもあります。
それにしても、めちゃくちゃ良い問題ですよねこれ。この問題に割り当てられた時間が60秒しかないので大きく差がつく問題にならなかったのがちょっと残念です。最後まで見たら易しい問題だが、上位8人を5人に絞るための問いとして「あなたにはこの串が見えますか?」と問うてくる。めちゃくちゃ面白いけど、恐ろしい。実際それに一瞬で気付いたのは8人中2人だけ。良い難易度設定だ〜〜〜〜
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3問目 ロバート秋山さんのVTR(後半)
さて、2問ともめちゃめちゃ良い成績という訳ではないですが、なんだかんだ安全圏には入れてる雰囲気がしたので、落ち着いて3問目に取り組みます。
マジで意味が無さそうな(実際に意味が無かった)リドラ×AKI-MARUさんの茶番を超え、謎パートへ。僕は一瞬映ったペンたちを、ちゃんと見ていました。自分偉いパート2。正直謎に使うとはこの段階では思っていませんでしたが…。
最初から気になっていたカラフルな線がやはり問題に使われる様子。問題は「2文字の生き物」を問うていて、おそらくこの図形から特定の色だけ抜き出してカタカナとして読むのだろう。何色かな?見た感じ「カニ」「カバ」あたりが拾えそうだな〜、どっちだろう?
左側「ガチャン」
僕「ん?????(みんなのロックタイムとかが見れるモニターを見る)」
僕「は???おいたくさんロックしてんだけど????もう解けるのこれ?」
ここでパニックになりかけましたが、冷静になって考え直して気付きました。そうか、さっき見たペンを使って書いてるから、無い色は書けないのか。確か、赤、青、黒の他は、ピンク?だったような。少なくとも黄色と緑のペンは無かった気がする。だから「カニ」「カバ」は答えにならないはずだ!!!
よく気付いた自分。これに気付かなかったらもしかしたら「カニ」「カバ」に突っ込んでいたかもしれない。あぶね〜〜〜。考え直そう。
……ピンクどこ?????
困りました。解けないのです。幸いタイムに余裕があったので良かったですが、結構多くの人がロックをしています。ちょっと焦りつつ、動画に集中します。「インクがない」のくだりに戸惑いましたが案の定AKI-MARUさんはピンクの丸を描き始めます。分からねえ…。何だ…?
「あああああああ服だーーーー💢💢💢💢💢💢」
と思いながら「カメ」と書きロック。そういえば最初から気になっていました。癖の強いシャツ。ここで再び苦手が出てしまいました。「最初の方に『絶対謎に使うわこれ』と思ったものを後半まで覚えてられない」。精進ですね。
3問目は手こずっちゃいましたが、序盤の貯金もあって1st STAGEを4位で乗り越えました。よかった〜。
1st STAGE まとめ
1st STAGEは、「最後まで見たら比較的解きやすいけど、ちょっと賢く考えたり、センサーが鋭いと早めに解ける」という傾向が強い問題たちでした。テレビナイズが上手い!!なるほどね。視聴者も楽しみやすいし、プレイヤーにとってもちゃんと競技になる。良い問題だ〜。舞台裏で流石リドラ、と感心していたちーたーなのでした。
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(この肩書き、放送まで知らなかった)
2nd STAGE 「呪術廻戦謎解き」(前半)
僕「2nd STAGE何だろうな〜去年はここがお笑いだった訳だし。ドラマとかかな?」
僕「脱出だったら良いな〜。ロックボタンしんどいから嫌だな〜〜。」
松丸さん「まずは、こちらをご覧ください。」
「 闇 を 祓 っ て 闇 を 祓 っ て 夜 の 帳 が 下 り た ら 合 図 だ 」
「 相 対 し て 廻 る 環 状 戦 戯 言 な ど は 吐 き 捨 て い け と 」
(Eve『廻廻奇譚』より引用)
今田さん・小芝さん「2nd STAGE、呪術廻戦謎解き〜〜〜〜〜!!!!!」
僕「ええ〜〜〜〜〜!?!?」
何だそれ〜〜〜?????
よく分かんねえけど面白そう〜〜〜!!!
突然のコラボ謎解きにテンションが上がるちーたー。なお、呪術廻戦については本当に全然知りません。アニメの紹介コーナーで「へ〜、そんな内容なんだ。」と思いながら聞いてます。
前半は5人→4人のロックボタンシステム。問題は2問。また本当に失敗できない戦いが始まります。
内容は、「謎が映った画面上に大量の呪い(否定的な意味の漢字)がかかっており、それが徐々に消えていく」というもの。「インク謎だ…」そのときはこう思いました。しかし出される謎はインク謎よりもタチが悪いものでした。
1問目
まさか1問目から「呪いに同化した同じフォントの漢字」をやってくるとは思いませんでした。が、開始数秒でそのギミックには気付きました。というのも、流石に漢字以外が無さすぎるので、いくつかの漢字は残るんだろう、という目処がだったのです。
そして、右半分にやけに「嘘」が多いのもかなり早く気付きました。実は「嘘」と「ろく」を合わせると「ろうそく」になるというのは別の謎で見たことがあったので、そこから紐解きました。左の「約」を認識するのに時間がかかったのでちょっと上位2人には遅れましたが、まあタイム的にはかなり良かったと思います。
これは僕の推測ですが、左側が「約」なの、もしかして最初は「厄」にしようとしてたけど「流石に厄が消えずに残るのむずすぎ」「漢字の読みの難度がちょっと高い」という理由で「約」に変更になったのでは?と思っています。真相は分かりません。
2問目
まず「たからもの→?」が見える。上には文字が散らばっている。この時点で「た」と「もの」の漢字を結び、その間の文字を読む問題なのだろうと見当はつきます。例示の「ちからもち」も見えたので間違いないでしょう。
しかし、文字が消えるのを眺めながら「た」「もの」を探していると、ある異変に気付きます。
…明らかに存在しない漢字がある。
「俳」だけは実在しそうだけど繋がって言葉になりそうな漢字は無いし、例示が熟語なのに答えるのが「俳」1文字だと思えないし…
現状が整理できないままそんなことを考えていると、目の前でとんでもないことが起こりました。存在しない漢字たちの一部分が消え、カタカナになっていくんです。
「マジで許さねえぶっ潰すぞ💢💢💢💢」
急いで「メイロ」と書き、ロック。モニターを見たら、皆同じぐらいのタイムでした。だよね〜〜〜。
この問題、後から考えると、
「存在しない漢字があるように見えるけど、消えていくのは『否定的な意味の漢字』であることを思い出すと、『不』『非』『苦』が消えてカタカナだけが残ると推測できるし、例示で『俳』がどうやら『イ』として使われていそうだということも根拠になって、漢字が消える前から答えが『メイロ』と特定できる」
という問題なんですが、そんなのあんな短時間で分かる訳ないだろ。ふざけるなよ。ちゃんとテストプレイしたのかリドラ。
2nd STAGE 前半まとめ
さて、蓋を開けてみるとここは比較的余裕を持って通過しました。2問目でほとんど差がついていないので、1問目が順位にかなり大きく影響を与えた感じがします。
1問目、たった1問のストレート球だけで選別しようとしてきた感があって怖かったです。問題数が少なければ少ないほど得意苦手が大きく勝負に影響を与えるので、Χで勝つには「苦手をなくす」ことが一番大切なのかもしれません。打てない変化球があっても基本耐えるけど、打てない直球があると命取りになる。ただ、打てる変化球が来たら、ほぼ確実に勝てるというシステム。怖いよ〜〜〜〜。
次回予告
さて、ここまで何とか勝ち抜けたちーたー。後編は2nd STAGEの後半戦、脱出謎解きからです。僕が何を考えてあの場に立っていたか。そしてあの僕の問題のシーンについても、ちょっとだけ言及する予定です。お楽しみに。
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