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日本人はイスラム教が怖い?将来ムスリムになるかもしれぬ大学生が考えてみた

ムスリムの友達の多くは、イスラム教に対して周囲が誤解しているという風に思っているようです。

「イスラム教は危険な宗教だ」「女性差別が激しい」など誤った印象を持たれているのではないかと。

言われてみれば、イスラムに対して怖いと思っている人もいるような気もしたけれど、本当に思っている人は多いのかなと疑問に思っていました。
(私はそんなこと思ったことなかった…)

ちょうど図書館に『「イスラーム/ムスリムをどう教えるか」ステレオタイプからの脱却を目指す異文化理解』という本がありました。

小・中・高校の教科書の中でのイスラム教についての記述や
日本人生徒やイスラム教の生徒に対するアンケート結果が載っていました。
印象に残ったことを書き残そうと思います。

イスラム教に対する負のイメージ

まず日本人生徒についてのアンケート結果では、イスラム教に対して「教えを厳格に守る」「攻撃的で怖い」「砂漠の宗教」「理解しにくい」などの回答率が高かったようです。

イスラム教に関する教科書の記述

多くの教科書であげられるのは
「お祈りをする」
「豚肉とお酒禁止」
「布で体を覆う」などの決まりや
サウジアラビアでの厳しい規範について書かれていたり、コーランに細かく生活様式が規定されている、などの記述があります。

また他の宗教との扱い方の違いについて本の筆者が指摘していて
2社の公民の教科書では、
キリスト教:仏教:イスラム教=(8:7:2)(10:8:4)
のページが当てられ、さらに記述の点では
キリスト教…愛の教え、仏教…心理をみつめる、イスラム教…生活のすべてが信仰のあかし
と、なんとなくイスラム教だけ厳しい印象がある感じがします。

一方、中学校の地理の教科書や高校の歴史の教科書などではイスラム教について肯定的な記述も認められています。
「女性の服装について多様性がある」(中学校地理)
「子供と病人は断食を免除される」(高校地理)
「「剣かコーランか」という認識は誤り。コーランには「宗教に強制無し」とあり、諸宗教との共存を図ってきた。」(高校歴史)
「イスラム教では自然現象を論理的に説明しようとすることが神に忠実な営みであると考えられ、化学の発達をもたらした」(高校歴史)
「貧しい人々の分け合って食べる」(高校地理、平成28年改正版)

イスラム教の理解に対して教科書が果たせる役割

実はイスラム教の考え方では、助け合いの精神寛容さが大事にされていたりします。しかしそのことを知る機会はあまりないです(ISがテロを起こしたときに誤解を招かぬよう配慮する報道がなされることはある)。

教科書には肯定的な記述もあったけれど、それはコラム欄に書かれていることが多く、どれだけ授業中に取り上げられるかは微妙な感じだそうです。

各科目の特徴を活かして
歴史は、7世紀イスラム教が拡大した理由から「寛容さ」
地理は、地域多様性があること
倫理は、イスラム教の教えについてより多くのページを割いて「相互扶助」の精神があること
などを取り上げてほしいなと思います。
(教科書出版社さんも改正につれて意識するようになっていて嬉しい)

イスラム教の理解に対して自分ができること

私は彼がインドネシア人のムスリムなので、将来ムスリムになりそうです。その分イスラム教について調べようというモチベーションが生まれます。

私ができることは、イスラム教について勉強し、その考え方を他人に説明できるようになること。そして、普通に友達を家に招いておいしいインドネシア料理をふるまうことですかね。

宗教に関わらず、変わらずみんなで仲良く過ごしていけたらなと思います。

以上

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