6月の花嫁

「ジューンブライドって憧れるよね!」

梅雨のジメジメとした空気を吹き飛ばすかのようなユノの声に私は目を覚ました。

まだニ限目すら終わっていないのに。彼女はどこからそんな元気があるのだろう。私は不思議に思って、授業の準備をした。

橘ユノは私の幼なじみで、家も近い。内向的な私の唯一と言っていい友達だ。

いつも教室の隅で読書をしている私は、ユノのおてんばな性格に振り回されている。

「ユリ!?聞いてんの?」

そうだ。ジューンブライドについて聞かれていたのだ。私はまだ酸素が通いきっていない脳に無理やり酸素を行き渡らせるように大きく深呼吸をした。

「雨で結婚式が台無しになりそう。」

自分でも驚くほど陰鬱な回答。6月にピッタリだ。

ユノは眉をひそめて、不機嫌そうに私を見つめた。

始業のベルがなり。ユノはそのまま席についた。

あの返事はよくなかったかな、もっとマシなことは言えないのだろうか。自分の中で反省会を開くのはこれで何度目だろうか。

私の嫌いな現代文の授業。余計に頭が入ってこない。

「…さん?柊さん!?」

私はあまり親しみのない自分の苗字を呼ばれていることに気がついた。

「柊さん…。しっかり授業は受けないとまた赤点ですよ!?」

先生のお怒りの言葉とクラスメイトの笑いがこだまする。

今日は散々な1日になりそうだ。

授業が終わり、ニヤニヤしながらユノが歩いてきた。

「おんぎょぇ~チポチポビュッ!!!」

「中出し臭衛門。見参だっら!!ウマー亜!?!?」

やったぜ。

けつの穴にちんぽをつうずるっこんでみろぉ…

うぅぅ下痢うんち、さいこぉぉぉぉぉ!