【MTGアリーナ】ヒストリックのDeath&Taxes【2024/10】
はじめに
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先月(2024年10月度)MTGアリーナの構築フォーマット(主にヒストリック)で#250以内を達成しました。この記事はその時使用したアリーナ版「Death&Taxes」ともいえるデッキを紹介することで、デスタクの魅力やらヒストリックのメタゲームやらをふんわり知ってもらうことを目的としています。
白いデッキが好き
クリーチャーで殴り合うゲームがしたい
選択肢の多いデッキが好み
相手の動きを縛りながら戦いたい
という方にはおすすめのデッキなので、参考になれば幸いです。
※アリーナでデスタクしたい、がモチベーションなので「いきなり勝てる!最強デッキ!」ではありません。ちゃんと勝率を高めたい場合は素直に後半に述べるような環境デッキを握りましょう。
MTGアリーナでデスタクを組むには
何を以ってデスタクなのか
Death&Taxesは環境に応じてその姿を変え続けるためこれが入っていれば名乗れる、というキーカードはほとんど存在しません。強いて言えば「白いビートコントロール」です。
≪スレイベンの守護者、サリア≫や≪リシャーダの港≫によって相手のテンポを削ぎ≪護衛募集員≫や≪石鍛冶の神秘家≫から対策札やフィニッシャーを探し≪ちらつき鬼火≫で再利用するといった多角的な攻め筋を用いて長い間レガシー環境で生き残ってきました。
ここで中心的な役割を果たすのが≪霊気の薬瓶≫です。
≪リシャーダの港≫でマナを縛るとき本来なら両プレイヤーの動きが止まりますが≪霊気の薬瓶≫があれば一方的に展開できます。
クリーチャー主体では仕掛けが単調になりますが、≪霊気の薬瓶≫ならインスタントタイミングで奇襲できます。
1/1という貧弱スタッツの≪護衛募集員≫ですが、≪霊気の薬瓶≫があれば3マナも払わずに着地でき、何なら後続も踏み倒せます。
ボードを取って殴り勝つ(Death)か課税して相手の動きを縛る(Tax)かの両方を同時に行える≪霊気の薬瓶≫はこのデッキの上振れかつ核であり、その意味でDeath&Taxesはビート以外にステータスを振ったバイアルデッキとまで言えるでしょう。
≪霊気の薬瓶≫の不在
ところで2024年11月現在、MTGアリーナに≪霊気の薬瓶≫は存在しません。つまりレガシーフォーマットに存在するいわゆる正統なDeath&Taxesを組むことは不可能です。組めるのはいいとこ二者択一の「Death xor Taxes」です。それでもDeath&Taxesというカッコイイ響きとスレイベンの守護者に惹かれてデッキを組むこととします。
フォーマットとタッチ色
今回私が主に参加したのはヒストリック、使用デッキは類型として「ヨーリオン型、タッチ青」です。
フォーマットの選定について。≪護衛募集員≫や≪石鍛冶の神秘家≫といった由緒正しいデスタクの面子を使えるフォーマットはヒストリックかさらに下のタイムレスです。この二つのフォーマット、デスタク的にはフェッチや想起エレメンタルの有無などいろいろ差がありますが最も大きいのは≪オークの弓使い≫のナーフです。
月の中頃まではタイムレスでタッチ黒型を試していましたが≪スレイベンの守護者、サリア≫を撃ち抜かれすぎて萎えきったのでヒストリックへ転進。サリアをメイン4積みできる嬉しさは≪孤独≫や≪剣を鍬に≫を失っても余りあるものでした。
≪霊気の薬瓶≫なしのヨーリオンは本当に重いですが≪護衛募集員≫≪石鍛冶の神秘家≫のツールボックス構築では素引きしたくないカードが多いので仕方なく80枚型を採用。また強力な装備品を求めて青をタッチ。
≪フラッドファームの境界≫の存在もタッチ青の要因です。色を絞るメリットの一つにショックインを減らしライフを高く保てる点があります。そのため境界土地はかなり有効なのですが、無条件に白が出せる境界土地は今のところこれだけです。
なお私は「タッチ○○」が好きなので今回不用意に色を足しましたが本来の目的は不利なマッチアップの改善です。タッチすべきか否か/何色を足すかについて、以下の記事など2年前のレガシーの記事ですが参考になるかと思います。
デッキリストと個別カード紹介
Companion
1 Yorion, Sky Nomad (MUL) 129
Deck
4 Cavern of Souls (LCI) 269
14 Plains (LTR) 263
1 Loran of the Third Path (BRO) 12
4 Giver of Runes (MH1) 13
4 Stoneforge Mystic (SPG) 29
2 Timeless Dragon (MH2) 35
2 Skyclave Apparition (ZNR) 39
4 Recruiter of the Guard (MH3) 266
1 Dissection Tools (DSK) 245
1 Lion Sash (NEO) 26
2 Extraction Specialist (SNC) 12
1 Aether Channeler (DMU) 42
2 Witch Enchanter (MH3) 239
2 Thalia, Guardian of Thraben (MUL) 72
1 Eiganjo, Seat of the Empire (NEO) 268
1 Cryptic Coat (MKM) 50
1 Glasspool Mimic (ZNR) 60
2 Island (DSK) 280
1 Shadowspear (THB) 236
4 Phelia, Exuberant Shepherd (MH3) 40
4 Hallowed Fountain (RNA) 251
4 White Orchid Phantom (MH3) 47
4 Path to Exile (OTP) 6
1 Assimilation Aegis (OTJ) 192
2 Thalia, Guardian of Thraben (VOW) 38
4 Floodfarm Verge (DSK) 259
4 Ajani, Nacatl Pariah (MH3) 237
2 Archon of Emeria (ZNR) 4
1 Charming Prince (ELD) 8
Sideboard
1 Yorion, Sky Nomad (MUL) 129
2 Charming Prince (ELD) 8
1 Skyclave Apparition (ZNR) 39
3 Fragment Reality (Y22) 4
3 Gideon's Triumph (WAR) 15
2 The Battle of Bywater (LTR) 2
1 Fragment Reality (Y22) 4
2 Ghost Vacuum (DSK) 248
いろんなプレイヤーのデッキリストをチャンポンして組んだので特に土地配分とサイドボードが不安です。適宜調整し直してお使いください。
ここから採用したカードについて個別に解説します。かなり長くなるので諸学者以外は次の項に飛ぶことをお勧めします。
クリーチャー
ルーンの与え手
唯一の1マナクリーチャー。単体除去をすべて腐らせ戦闘サポートも出来る縁の下の力持ち。そのため最速で除去が飛んできますが、万が一残れば爆アドです。
プロテクションについて
黎明期からある割に複雑な能力で、「ダメージの軽減、対象にされない、装備されない、エンチャントされない、ブロックされない」の合併です。自分の装備品が外れないよう注意して張ってください。また土地は出すマナの色に関わらず基本は無色の発生源です。魂力で投げられたときは気をつけましょう。
スレイベンの守護者、サリア
メインヒロイン枠です。
スペル主体のデッキならこれ1枚で半壊させられるほどの力を持ち、同時に自分のスペルにも課税するためデスタクがクリーチャー主体になった原因の数割を担っています。(残りは護衛募集員と霊気の薬瓶)
コントロールの全体除去を1ターン遅らせても強力ですが、細かいスペルを連打する青赤ウィザードなど相手には芯から刺さります。逆にクリーチャー主体のデッキには全く効かないうえこちらのサイドインした呪文を重くするばかりなので勇気をもって抜きましょう。
ナカティルの最下層民、アジャニ
このデッキは赤くないので出力の半分くらいしか出せませんが、除去で触りづらいPWが猫を呼び続けること自体が強いですね。また単体除去しかできないデスタクがメインから入れられる全体除去です。押し負けそうなら奥義、押し込めそうでも奥義です。
能動的に変身させる手段は≪解剖道具≫のみなので注意。パワーカードですがこのデッキの戦略に会っているかと言われると疑問。タッチを赤にした方がいいかも?
石鍛冶の神秘家
サーチと踏み倒しを同時に行える平成屈指のパワーカードです。重いところを持ってきて踏み倒し起動前に除去されると面白くないので次ターンまで生き残るか、今は攻めか守りか、しっかり判断してサーチしましょう。
なおこのデッキの装備品は5枚中3枚がクリーチャーやそれに準ずるもの、1枚が除去です。装備品とは……?
溌溂の牧羊犬、フィリア
モダンホライゾン3がもたらした最強生物であり、≪霊気の薬瓶≫に匹敵するデスタクの新たな核です。自分のみならず相手パーマネントまで手が出せる一時的追放は非常に多くの選択肢を与えてくれます。
有効なETBの再利用、置物やブロッカーの一時的な除去、トークン除去など使い道は無限大。ついでにサイズアップして早仕掛けも狙えます。
攻撃というリスクを常に背負うのでなにかしらバックアップをできるとよいですが、使い捨てでも十分なくらい強いです。
魅力的な王子
魅力的(Charming)と3つから1つを選ぶモードの魔除け効果(Charm)のダブルミーニング王子です。どのモードも使い勝手が良いですが最後の一時的追放が一番の狙いですね。
「あなたがオーナーである」という珍しいテキストをしており、相手に奪われた自分クリーチャーを奪還できます。「強奪」というメカニズムのあるMTGアリーナ環境では結構使うテクニックです。
白蘭の幻影
≪幽霊街≫っぽい能力を内蔵しています。基本土地を入れていない多色愛好家を殲滅することが主目的ですが、ミシュラランドを割ったりカラースクリューを起こしたりとできることは多いです。
献上する土地はタップインなので相手の構えるマナを1つ減らして予期せぬ妨害になることも。
エメリアのアルコン
ごちゃごちゃしたデッキを一度に黙らせられるため、≪護衛募集員≫のサーチ圏外ですが採用。こちらは≪石鍛冶の神秘家≫やそこからサーチした装備品のおかげで呪文を唱えず動けるためデメリットを相手に押しつけやすいです。ただ近年のカードパワーの上昇に今一つ追いつけていない感覚があり、後手だと頻繁に抜いています。
救出専門家
レガシーの≪戦前の正装≫ほどではないにしろそこそこのクリーチャーを引っ張ってこれます。苦労して除去した≪ルーンの与え手≫やサリアを呼び戻すと相手が動きづらそうでうれしくなります。
≪魅力的な王子≫を釣ればその能力でこれを追放し、エンドフェイスにもう一人釣れます。
護衛募集員
デッキのほとんどのカードにアクセスできる最強の中継役です。ただ≪霊気の薬瓶≫なきアリーナでは3パスに等しい動きなので運用には注意が必要です。タイムレスなら≪孤独≫サーチでテンポ損をカバーできますがヒストリックにはそれすらないのでアグロ相手は2枚くらい抜きます。
第三の道のロラン
普通に置物除去ができる白のクリーチャーでは最軽量。おまけのドロー能力は≪迷宮の霊魂≫がいない以上ほとんど使いません。見た目は平等ですがなんとなく不利に回ることが多いもので。ただ対処しないと負けるタイプの脅威に対して最後の1ドローが勝利をもたらすこともあるかもしれません。
スカイクレイブの亡霊
≪一つの指輪≫さえ対処可能なこのデッキ最高の除去であり、裏を返せば5マナ以上には無条件に触れないというデッキの限界を定めるカードでもあります。返却代わりのスピリットは意外と馬鹿にならないサイズになるのでご利用は計画的に。このデッキではほとんど狙えませんが追放の前に亡霊をどかしてしまえば疑似返却が先に解決される(追放される前だから参照するマナコストがなくスピリットが出てこない)ため完全除去になります。
霊気の媒介者
タッチ青して獲得した追加戦力です。バウンスモードは味方の再利用や大型PWの除去に役立ちますし、とりあえずドローしておけばアドになります。飛行戦力は結構足りているので鳥のモードはほとんど使いません。≪火と氷の剣≫とかを採用して通したい攻撃ができれば一考の余地はあります。
波璃池のミミック
正直ちょっと力不足を感じる1枚です。護衛募集員からサーチできる土地であり、また味方をコピーしてETBを使ったりできます。ただ多くの場合は≪魅力的な王子≫で事足りるので1マナ重いこちらを使うには相応の理由が求められます。アジャニをコピーしてレジェンドルールで死亡すればひっくりかえせるとか。
魔女の結界師
表面は置物破壊、裏面土地は3点払えばアンタップインします。見たまんま強力ですね。流石に平地の代わりに4積みは出来ませんがどのタイミングで引いても仕事の出来る非常に使い勝手の良いカードです。≪ちらつき鬼火≫のようにパーマネント全般をブリンクできるカードがあれば土地で置いて表面で帰還させたりできるのですが……。
永久のドラゴン
2マナで土地を確保でき、そのまま4マナで4/4飛行、素出しでも強いいぶし銀……というバランスの取れたカードではあるのですが≪霊気の薬瓶≫なしではテンポが悪すぎるきらいがあります。装備品で絆魂をつけて悠々と殴ったり除去されても帰ってきたりで弱いわけではないのですが、尖りが足りないというか。レガシーでも最近のリストから消えていますし、次に調整するときは抜けていると思います。
空を放浪するもの、ヨーリオン
分割払い8マナもかかりますが、着地すれば莫大なアドバンテージを稼いでゲームを終わらせる力を持ちます。こいつを悠長に唱えられるならもう結構有利かもという意味も込めて文字通りのフィニッシャー。
デッキ80枚という制限はサーチ手段が豊富なこのデッキだとあまり負担に感じません。……というより自分はデスタクを組んでから60枚でやったことがないのでキーカードが引けない状況に慣れっこという方が正しいですね。
装備品
影槍
最軽量の装備品で、優秀なキーワード能力を与えると共に相手の呪禁と破壊不能を剥がせます。ただ最近は護法の存在で耐性貫通できない場面が増え、軽量カードのインフレで軽さのメリットも薄れている気がします。サーチを経由せず素引きしてしまったとき弱いのも気になってきています。永久のドラゴン同様、強すぎないので枠がなくなっていく感じです。
獅子の飾緒
ゆっくりと墓地を食い荒らしながらサイズアップする≪漁る軟泥≫ライクな能力に加え装備したクリーチャーにもそのサイズを貸してくれます。
即効性はなくとにかくマナを食いますが墓地対策できるアタッカーという性質が強いので重宝しています。
装備している間はクリーチャーでないので全体除去をよけながら即座に殴り返せる点も評価が高いです。
謎めいた外套
護法②ブロック不可3/2という性能がPWに対して非常に強力です。運よくフィリアが偽装されれば宇宙に突入できます。またマナさえあれば出し入れすることで単体除去しづらい護法②2/2を大量にばらまけます。総じてコントロールとの相性が良いですね。タッチゆえ青マナが枯渇しやすかったり≪白蘭の幻影≫や≪獅子の飾緒≫の白マナ要求とかちあっているのはいただけませんが。
手札に戻す能力は相手の除去をかわすのにも使うので余裕があれば構えておきましょう。
同化の神盾
大型クリーチャーを除去したうえで、あわよくばコピーして逆転ホームランが狙えます。石鍛冶の神秘家から除去をサーチできるというオリジナリティに魅力を感じました。割られたらちゃんと返却しないといけないので注意が必要です。
装備中はコピーになるため、≪スカイクレイブの亡霊≫に装備したまま亡霊を追放して疑似返却を踏み倒すテクニックもあります。
解剖道具
かの≪殴打頭蓋≫を彷彿とさせるカードで、ダメージレースを全壊させる4/4接死絆魂で襲い掛かります。これが除去されても2/2が残り、逆に装備クリーチャーが死んでも(生け贄要因さえいれば)装備し直せます。地味に無条件のサクり台なのでアジャニの起動も可能。ブリンクすれば非常に強力ですが、このデッキで装備品を出し入れできるのはフィリアのみ。
5マナ払って唱えるのは骨なので石鍛冶が除去されなさそうなときにもってくるのがベストですが、スペックが高すぎるので何も考えずにサーチしちゃうこともしばしば。新入りながらサーチの筆頭候補です。
呪文
流刑への道
いろんな面でクリーチャー主体を要求するこのデッキなので触りづらい大型クリーチャー含めて軽く除去できる≪流刑への道≫だけ採用しています。土地の献上はそこそこ重いデメリットですが≪白蘭の幻影≫と被っているので運が良ければ基本土地が枯渇してくれています。
その他の土地、サイドボードには全然自信がないので省略します。他人のリストを適当にコピーしたり私怨でメタを張ったりせずに確率論的最適解と環境分析で正しい枚数を見極めましょう(自戒)。
環境デッキとその対策
この章では筆者がよく当たった/よく負けたデッキを紹介しつつ、その対策を記します。
今回のリストは相手手札への干渉が非常に弱いため悪化しているマッチがあります。自分は試せませんでしたが≪精鋭呪文縛り≫や≪重鎮の領界守り≫で改善するマッチアップもあるかと思いますのでご検討ください。
赤白(+黒)エネルギー(相棒ルールス)
≪魂の導き手≫≪オセロットの群れ≫≪電気放出≫がナーフされているものの大まかな動きは変わらず、モダンホライゾン3の凶悪生物を叩きつけてスピーディーに相手の命を刈り取るアグロデッキです。また≪ゴブリンの砲撃≫と≪ナカティルの最下層民、アジャニ≫による自作自演の報復コンボは無類の強さを誇り、デスタクの盤面を焼き滅ぼしながら2ターンくらいで決着をつけてきます。サクリファイス的な要素を強めるために黒を加えて≪マリオネットの見習い≫≪黄泉帰る悪夢≫を入れるパターンも存在します。
対策
デスタクより早いビートデッキなのでこちらは受けに回りましょう。石鍛冶では≪解剖道具≫をサーチしてライフレースを仕掛け、護衛募集員では≪スカイクレイブの亡霊≫による除去か≪救出専門家≫で横並べして耐久します。ライフが安定さえすれば肉質ではややこちらが上回るので最初の3,4ターンを耐えるのが肝要です。ただアジャニの裏面はちょっとどうしようもないので頑張ったとしても勝率は四割くらいです。黒が入っている場合は≪白蘭の幻影≫を使いまわしたランデスプランが通ることがある分若干相性が改善します。
余談ですがこのデッキとデスタクは強みを共有しているらしく、他の対面でエネルギー対策に入れたカードがとばっちりでこちらに刺さることが頻繁にあります。勘弁してください。
赤白軽脚オーラ(相棒ルールス)
≪皇の声、軽脚≫でデッキからオーラを直接つけて特大火力で殴ってくるヒストリックの番長です。1T≪悪魔の大騒動≫を計画から2T軽脚、即装着が可能になったため最近は赤を2色目にしています。またダスクモーンより≪幽霊による庇護≫が参入。
オーラデッキになかった(あってはならなかった)万能除去であるばかりか絆魂でライフレースしつつ護法②で除去にも強い!今までより明確に強くなっています。≪破片魔道士の救出≫でインスタントの防御札もありますね。やりすぎです。
対策
4,5枚オーラがつくと致死圏内なので≪スレイベンの守護者、サリア≫や≪エメリアのアルコン≫によって減速させているうちにこちらの対処札を探しましょう。幸い他のデッキと比べても置物破壊は出来る方です。もちろんそれだけでは焼け石に水なのでどこかで軽脚をしばかなければなりませんが。≪溌溂の牧羊犬、フィリア≫はここでも強力で、相手クリーチャーを飛ばすことでついていたオーラを軒並みはがせます。
また、デスタクが白いことも若干のアドバンテージです。相手がしばしば使う≪ルーンの与え手≫でこちらの除去をかわそうとするとオマケでついていた白いオーラが外れるんですね。
自分はこのデッキに何連敗かした反動でピンポイントメタである≪ギデオンの勝利≫をサイドに入れたので五割五分くらいは勝てている気がします。≪静寂をもたらすもの≫がサイドインされなければ、ですが。
赤白青スタイフル
基本構造はエネルギーを使ったコントロールなのですが、≪厳しい試験官≫などでデメリットのあるETBを消して突如強力なカードを叩きつけるパターンが存在します。3Tで着地した≪虚構漂い≫や≪火の怒りのタイタン、フレージ≫を対処するのはなかなか骨が折れます。
対策
このデッキと戦う上で問題なのが、デスタクはETBを多用するデッキであるということ。≪厳しい試験官≫が吐くほど刺さります。相手のギミックのついでにこちらがガンメタされている格好なので正直明確な勝ち筋が思い浮かびません。結局シーズン中も対抗策は用意できず、サリアやアルコンで動きを止めているうちに殴り切るほかありませんでした。たまに≪同化の神盾≫で相手のフィニッシャーをパクる合気道が成立しましたがこれも≪神聖な粛清≫≪現実の断片化≫が間に合ったらおしまいです。勝率三割くらいかも……。
緑単信心
≪ニクスの神殿、ニクソス≫がマナを、≪ビヒモスを招く者、キオーラ≫と≪荒野無頼団の先駆者≫が手札を、≪収穫祭の襲撃≫がパーマネントを、それぞれ無限に等しい数持ってきて圧倒的リソースで圧し潰すデッキです。≪大いなる創造者、カーン≫によるウィッシュボードでフィニッシュも上手い。
対策
出たものを対処するデスタクにとって出てくる量が半端じゃないこのデッキもまた不利よりのマッチです。先手が取れればマナクリを≪スカイクレイブの亡霊≫や≪霊気の媒介者≫で潰して回ったり≪エメリアのアルコン≫で動きを阻害したりできますが後手だとそれも厳しい。≪水の辺村の戦い≫や≪ナカティルの報復者、アジャニ≫の奥義で全部流せればいいのですが最悪そこから再展開してきます。そもそも≪茨の騎兵≫が越えられません。
ただランプ系のデッキは基本コンセプトからして軽量のマナ加速と重量のフィニッシャーを合わせて引かないといけないお祈り要素があるので、たまに何でもなく勝てます。相手がそうするようにこちらも祈りましょう。信心が足りていれば四割勝てます。
その他のデッキ
上の環境デッキに今一つ勝ち越せない以上、他の全てのデッキには七割勝てるようにしましょう。もともとデッキパワー自体は高い方なので相手に応じて適切な脅威と対策を投げれば勝てるはずです。
基本思想はこれで学ぶとして、ここでは特に選択のタイミングの話をしようと思います。Death&Taxesは選択肢の多いデッキと言われますがなかでも重要なタイミングがいくつか存在します。大きく分ければマリガンとサーチです。
80枚型のデスタクはデッキが分厚い分初手のバリエーションが豊かになります。どれが来ても中くらいには回りますがそれだと対策がかみ合わず力負けするケースがままあります。いわく「ヨーリオンは8枚目の手札」らしいので気持ち強めにマリガンしてより相手に効く初手を探してみることをお勧めします。
サーチはもっと直接的な選択肢で、ここを当てれば相手のデッキを封殺することも夢ではありません。表面的な理解を越えて、双方のプランニングを俯瞰してサーチするのが理想です。例えば石鍛冶サーチについて、同じ墓地利用デッキ相手でも細かく墓地を使うなら≪獅子の飾緒≫が間に合いますがドレッジ(っぽいなにか)のような高速ビートならちょっと遅いです。逆にドレッジは除去が薄く次のターンまで≪石鍛冶の神秘家≫が残るので≪解剖道具≫でのライフレースが可能です。リアニメイトなら≪同化の神盾≫でフィニッシャーをパクれるかもしれません。
あとはコンバットや除去でもかなりの選択肢が生じますが、反省するときは上の二点で正しい選択ができていたかをまず振り返るとよいと思います。またなんとなく勝てないときはこの二点で普段しない選択を取ってみても良いでしょう。
ちなみにこれらの選択肢のさらに奥にはデッキ構築段階で何を入れるかという問題がありますが、語り尽くせないのでやめておきます。
さいごに
固有名のついたデッキが好きだったのでデスタク(もどき)で結果を出せたことがうれしく今回記事にするに至りました。ぶっちゃけ最上位デッキには勝てませんが、中堅くらいの出力で楽しく戦えたので満足です。(最終日近くは強いデッキに当たらないよう祈ってばかりでしたが)
妨害の方向性、サーチ先、タッチ色などカスタマイズできる要素が多いのが「Death&Taxes」というデッキです。より優れたリストがあればぜひ教えてください。