ゲイSNSインフルエンサー
インフルエンサーと呼ばれる人々は、SNSでの発信によって、何を生み出しているのか。大衆の人気を獲得した一部のインフルエンサーは、仕事に繋がり、社会的地位や金を生み出す。SNSの世界自体が、彼らのメインフィールドとなり、生き甲斐にもなり得る。
一方で、大衆ではなく一部のコミュニティーの中で発信を行う、ゲイのツイドル(Twitter上のアイドル的存在)達はどうか。僕は、彼らが生み出すものはほとんど皆無だと思っていた。
彼らの自撮りがいくら盛れても、ジムでの自撮りの腕がちょっと太く見えても、一般社会での地位向上には繋がらないし、例え何かの仕事に繋がり金を生み出したとしても、コンビニでバイトする方がよほど効率が良さそうだ。
彼らが生み出すものなんて、ちょっとしたチヤホヤと、嫉妬に狂ったアンチくらいのもので、そこに時間と労力をつぎ込んだり、個人情報を自ら漏洩させたりすることがいつも不思議でならなかった。
ただし例外的に、エロ系裏アカの人気者の場合、仕事や金に繋がることはないが、生み出すものが明確に存在する。彼らはセックスでセックスを生み出す。鯛で鯛を釣る人もいれば、エビでエビを釣る人もいるが、とにかくセックスをネタとして発信すれば、次のセックスの相手が寄ってくるのだから、めちゃくちゃ効率的で生産性が高い。
(インターネットでのセックスの発信はたぶん法的に問題ありなので、生産したものだけじゃなく、持っているものすら、全てを失うリスクがあることに一応言及しておきます。)
ある日僕は、ツイドルの生態をより深く考察すべく、いっそのこと自分も同じようなことをしてみようと思い立ち、奇跡的によく写った自分の写真だけを載せるインスタグラムのアカウントを作った。決してちやほやされたかったのではない!とは言い切れないが、あくまでも実験というテイで。
実物とかけ離れた自撮りをコツコツと乗せていると、数ヶ月でフォロワー数は4桁になり、写真を上げるとたくさんのいいねがつくようになった。最初のうちは、いいね・コメント・DMの通知に高揚感を感じていたが、だんだんどうでも良くなってくる。
少しずつ更新頻度が落ち、アカウント自体を開くことも少なくなっていった。そんなある日、思いがけないことが起きた。相互フォローのお気に入り男子の中でもダントツの『推し』とDMでたまにやり取りをしていたのだが、急に彼が「ムラムラしているから写真を送って良いか?」と聞いてきたのだ。
僕はSNSでしょうもない自撮りを発信することで、『推し』のいきりたったチンコ画像3枚をゲットした。仕事や金は1円も生み出さなかったが、僕の実験により、ゲイのSNSインフルエンサーが生み出すものは確実に存在することが証明された。スマホの画像フォルダにありがたく保存したチンコ画像3枚。実験は大成功だ。