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【ゲスト日記 #5】旅の仲間が増えた カンパラより

記念すべき30投稿目の今回は、やすこのアメリカ大学院時代からその後の仕事に至るまでの身近な友人、あきこさん(@aki_coco)にゲストで書いていただきました。

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やっすー(やすこさん)、りなさん、

いつも楽しく読ませてもらっている交換日記に参加する機会をいただき光栄です。

やっすーとはアメリカ大学院留学で知り合い、卒業後もウガンダで一緒になり、お互い20代最後―30代のチーズを探す旅を励ましあいながら進んで行っている仲間です。りなさんとは直接お会いしたことはないのですが、今のポストを獲得する前に、先輩として知り合いに紹介してもらい、電話で色々とアドバイスいただきました。その際は本当にありがとうございました。

りなさんが最近オフィスのミスで契約が1ヶ月延長された(そしてその後キャンセルされた)、と投稿されていましたが、同じ機関で働く私としてはさもありなん、という感じです。日本ではキラキラした話ばかりが取り上げられがちな機関ですが、2年少ししかこの組織で働いていない私でも、アドミン・人事系の愚痴なら尽きません。

例えば、職員は色々な国から採用されるので、採用通知をもらってから赴任まで、健康診断・各種予防接種料・超過手荷物などの必要経費を一旦自己負担して、着任してから返金の申請をします。私は1人での赴任でしたが40万円ぐらいかかったので、家族帯同の方はかなりの額になると思います。この結構な額が返済されるのに、私の場合は赴任から9ヶ月かかりました。着任後何週間以内に申請というルールを守り、音沙汰がないので再三のリマインド、担当者から返信がなければ担当者の上司まで巻き込み、申請内容に不備があると言われれば私が関連部署に問い合わせる(本来担当者の仕事です)、執念のフォローをして9ヶ月です。同じ時期に着任した同僚は、もう手間がかかりすぎるので返金してもらうのは諦めたと言っていました。

りなさんが経験されたような契約管理ミスの話も聞くし、私は滞在国のWork permit更新時期も自分で管理してオフィスに再三問い合わせ・お願いしないと延長の手続きをしてもらえませんでした。一番法律とか遵守しないといけないといけない機関な気がするんですけどね…。日本で働いていた時からは考えられない事態なのですが、もはやこれぐらいでは驚かなくなってしまいました。

と、愚痴は尽きないのですが、日本ではまだまだ遅れている印象のある職場の男女平等意識、職員の権利・ワークライフバランスへの理解など、良い側面もあります。私は日本で働いている時は男性が多い職場で、日本では比較的普通だと思われる新入社員に課される出し物や飲み会でのセクハラ、長時間労働などを経験しました。そのエピソードを欧州出身の同僚に話すと、日本ってもっとリベラルだと思っていた、信じられない!という顔をされます。

私は昨年出産したのですが、直属の上司もユニット長も女性、所属しているユニットもほぼ女性で、妊娠中も復帰後も周りは皆大変サポーティブでした。妊娠中―復帰後、日本のニュースで目にするようなマタニティーハラスメントを経験することもなく、元のポストに復帰することができ、今は同僚に謝ったりする必要もなく時短で働いています。

しかし、これは私がラッキーだということもあります。特に若手は不安定な雇用体系で働いている人がほとんどの職場で、半年間(24週)の産休(厳密には日本のように出産休業と育児休業にわかれておらず、maternity leaveという扱いです)を取り、元のポストに戻ってくることができたのは本当にありがたかったです。短期契約で産休がないとか、出産後復帰できるポストがないというのも残念ながら珍しい話ではないので…

復帰後ウガンダはすぐロックダウンになってしまい、私は98%ぐらい在宅勤務なのですが、日本に帰りたいような、ナニーさんがいない日本で在宅勤務なんて想像不可のような、そんな感じでウダウダしています。しかし私の契約も後半年ぐらいしか残ってないので、次を考え始めねば、と思っています。

恥ずかしながらこのブログのテーマになっている「チーズを探す旅」を読んだことがないのですが、これまでブログを読んで理解した内容から、今の私はどんな旅をしてるのかな、と考えてみました。

これまで一人旅だったところに過去2−3年で一緒に旅する仲間が増え、制約も増えましたが、もう歩きたくないと思った時に支えてくれる人も増えました。前なら躊躇わず探しに行こうと思った場所に行くのも家族会議と下準備と時間が必要です。身一つで飛び込んで行くのには躊躇してしまうようになったので、それで逃してしまうチャンスや美味しいチーズもあるのだろうなと思います。

そして、あれが私のチーズか?いや、それは私は好きそうだけど、パートナーと子供は好きじゃないんじゃないか?などと、もともとグラグラしている理想のチーズ像と現実のすり合わせをしながら、次のステップを模索しています。寄り道しつつ、時には迷子になったりしつつ、チーズを探す旅は続くのだろうなぁ、と思う次第です。

P.S. 在宅勤務が続く中、おうちライフを充実させようと思ってベランダにウッドデッキを作ってもらいました。


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