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データドリブン人事について

こんばんわ。ちーたんです。

今日は、データドリブン人事について、私が大事だと考えるポイントを、いくつかお話しします。

1.データ利活用の目的を明確化

データ利活用あるあるなのですが、とりあえずデータを集めたら、何か知見が得られると思いがちです。データ利活用に限らず、どんな仕事でもそうですが、最初に目的を明確化することが重要です。

2.プロセス標準化(業務の見える化)

最新の人事システム、データベース、ノーコードアプリ、BIツールなどがあると、いきなり開発に着手したい気持ちになりますが、まずはプロセス標準化、業務の見える化をすることが重要です。

むしろ開発に着手するのは、プロジェクトのかなり後半くらいで、最初はかなり工数をかけてでも、しっかりと標準化・見える化を進めることが重要です。

なぜなら、標準化できていないと、データとして比較可能なものにならないので、いくらデータベースやBIツールを導入しても、データとして使えるものにならないからです。

3.データ活用プロセス(DIKWモデル)

データはそのままの形では、活用することができません。例えば、勤怠のデータであれば、ただ氏名などの文字や、残業時間などの数字が羅列されているだけだからです。

これらのデータを活用できる形に整理して、そこから智慧を引き出すことが重要です。残業時間の例でいうと、誰が、いつ、どのような要因で残業時間が増えているのかを明らかにし、その要因に対して対策を打つことで、残業時間を減らす工夫をすることが重要です。

次のアクションにつながらなければ、いくらたくさんのデータがあっても、宝の持ち腐れになります。

4.データ構造の標準化

上記のお話とも通じるのですが、データを整理して知恵を引き出すには、まず、データ蓄積するまでの段階で、データ利活用から逆算して、データ構造を標準化しておくことが重要です。

例えば、冷蔵庫にたくさんの食材があっても、いつの間にか賞味期限が切れていたりした経験がある人もいると思います。

また、カレーなどの料理をするときに、にんじん、じゃがいも、肉、ルーなどの材料がすぐに取り出せる形になっていないと、料理ができません。

料理ができてから、キノコ、ナス、カボチャなどがあったことを思い出して、カレーに入れればよかったと後から後悔することもあると思います。

データ利活用も同じで、データベースにたくさんのデータがあっても、それが利活用できる形で、標準的な構造で蓄積されていないと、散らかった冷蔵庫と同じで、どこに何があるのかわからず、十分にデータを利活用することが出来ません。

5.基準や条件の統一(Appe to Apple)

データを比較分析する際には、基準や条件をそろえる必要があります。これを、Apple to Appleといいます。

例えば、エンゲージメントサーベイのデータを、経年で比較する時は、設問数・設問の文言・実施の時期・対象者の層などに差異があると、適切な比較にならない可能性があるので、要注意です。

差異を認識した上で、適切な読み替えや補正ができていればよいのですが、基準・条件の差異を認識せずに、結果を鵜呑みにするのは、ミスリードになる可能性があります。

おまけ:標準化の歴史

最後に、標準化の大切さを示す、故事をご紹介します。

東洋では、古代中国の秦においては、始皇帝が統一国家を築くために、道路網、文字、度量衡を統一したことで有名です。度量衡とは測量の単位で、度は長さ、量は容積、衡は重量の事を示しています。万里の長城など、現代にも残る歴史的な土木・建築において、測定単位の標準化が不可欠となり、度量衡の統一が進められました。

西洋では、古代ローマ帝国において、規格の標準化が、強大な軍事力や土木構築力を支えています。アッピア街道などの主要街道には、規格化された轍(わだち)があり、各地への軍隊の展開や、物資の輸送を可能にしました。水道橋や公衆浴場など巨大建造物が、現代まで何世紀にもわたって維持されているのは、規格を標準化した計量の仕組みが根底にあります。

このような標準化の事例は、歴史を紐解けば、どの国でも、新しい国を創る時に、標準化に着手している事例が見つかります。京都の街の、碁盤の目の街づくりも、その一例かもしれません。このことから、標準化がいかに重要であるかがわかります。


いかがでしたでしょうか。いずれも基本的なポイントなのですが、足元の業務が忙しくなると、ついつい忘れがちなので、たまには初心に戻って、基本を振り返ることが大事ですね。

データ利活用や、データドリブン人事のお話は、お仕事の中身には触れられないのですが、今回のような一般論的なお話で、今後も折に触れてお話しできたらいいなと思います。


ちーたん