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直観をつかって観る世界を体験

日本民藝館改修記念 名品展Ⅰを見てきました。

柳宗悦の思想によってうまれた「民藝」という新しい美の概念で、1936年に日本民藝館が開設されました。
一歩足を踏み入れると、シンメトリーに階段があり、太い梁の天井、年月が経ってもなお褪せることのない建物の設計は柳宗悦がされました。
ここでは見る人の直観を大事にしていて、作品の説明書きは漆塗りの札に朱色の筆書きで作品名が添えられているだけです。直に観ると書くように、素直な受け取り方で「今観る」ことを大事にしています。
美しいとか醜いとかを判断するのではなく、ただそこにあるがままに受け取ります。
このことを柳宗悦は「これは“感じ”があるね」と言っていたそうです。
まさに心で感じる見かたです。

木喰上人の彫刻

柳宗悦はその審美眼をもって全国を行脚して民藝を発掘していきました。
今回の展示でもパンフレットになっている木喰上人の作品があります。
木喰上人は22歳で出家して、45歳のときに木喰行道の僧名を与えられました。56歳のときに15両の寄付を募り、日本廻国の旅に出ます。61歳で最初の像を掘り始めました。それから93歳で他界するまで各地を巡礼しながら造像していきました。

今回の展示では自刻像、不動明王像、地蔵菩薩像、菩薩像、秋葉大権現像、柿本人麻呂を観ることができます。1789年(72歳)、1801年(84歳)頃の作品です。

これが木を彫って出てきたのかと思うような丸みを帯びたつやつやな肌、にこやかな微笑みを浮かべた口元の地蔵菩薩像に見入ってしまいました。

二階の陶磁器の美の部屋で唯一撮影許可がありました。
用の美といって、日常で使われる工芸品に美しさを見出しています。




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