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三浦春馬さんを語ろう。 成熟の29歳
2019年の僕にプライベートはない、と言っていた春馬くん。『罪と罰』から2か月後に『キンキーブーツ』。映画、ドラマ、歌手デビューと、昨年に続きエネルギッシュな年になりました。
『キンキーブーツ』 再演
とても嬉しそうに、誇らしそうな姿が印象的だったキンキーブーツ再演。
4月16日〜5月12日 東急シアターオーブ(渋谷)
5月19日〜28日 オリックス劇場(大阪)
公開前日のゲネプロ囲み取材での春馬くんコメント要約。
半年前から計画的に体作りをしてきました。前回はドラァグクイーンとして筋肉質の大きな身体を目指していました。今回は、美を追求したと言いますか、曲線を綺麗に見せるための体作りをしてきたつもりです。
作品の大きなテーマ、互いを受け入れる、という大切なテーマがふんだんに込められた作品になっています。素晴らしい音楽とともにストーリーを楽しんでいただけたらと思います。
「美を追求した」発言で周囲に笑いが起きるも、小池徹平さんがすかさず「おかしくないよ。大切なこと」とナイスフォロー。もう、なんと言われようが関係ない。
歌も踊りもパワーアップ!詳しくは再度ですが、過去に書いたこちらの記事で。
こんなに人気なら、ブロードウェイのようにロングラン公演になればいいのに、、と思うけれど、他のスケジュールもあるし、なかなかそうも行かない現状。
きっとこの作品は今後も定期的に続くだろう、と疑いもせず、毎日のように渋谷ヒカリエを通りながら「ああ、次の時はチケット取り頑張ろう」なんて思っていたのでした。
ほとんどのキャストが前回と同じメンバーの中、お1人だけ、今回から参加された方がいらしたそうで、春馬くんはその方を誘って2人で食事に行ったそうです。ギャラの心配までしてくれたとか。
キャストさんに対する思いやりだと思いますが、「産業」として成り立つには、関わる人が仕事として収入と時間が見合わないと続かないことを考えていたのかな、とも思います。
歌手デビュー
8月7日に1stシングル「Fight for your heart」がリリース。
ずいぶん前から話はいただいていたけれど断っていたという歌手デビュー。「普段ドラマを観ない方々が、このサウンドや自分が主題歌を歌うというニュースをきっかけに、『TWO WEEKS』というドラマに興味を持ってくださるのであればうれしいなと思いました。」
それにしては本格的で、テレビ出演時も口パクなし、イヤモニなしでダンスも本格的で、すごいんですけど。
MVの映像を見て「ん?・・え?・・あら?」と気づいてしまった日付。
4月30日 「Fight for your Heart」 レコーディング
5月7日 「YOU」プリプロ
5月13日 「Fight for your Heart」ミュージックビデオ撮影
5月16日 「YOU」レコーディング
なんと、キンキーブーツの休演日にレコーディングとMV撮影!
ついでにもう一つ。5月17日に『コンフィデンスマンJP ロマンス編』が公開に。ということで
5月8日 ワールドプレミア 日本橋三井ホール
5月17日 公開初日舞台挨拶 TOHOシネマズ日比谷
針の穴を通すようなスケジュール。すごい。
夏のFNS出演の際、ダンサーさんと集まって練習できたのは2日のみ。振り付け1日、マイクを持って通して歌うリハを1日、あとは1人で相当練習したと。努力の人ですね。
ドラマ 『TWO WEEKS』
7月16日から9月17日、火曜21時からフジテレビ系で放送された韓国ドラマのリメイク版。地上波の主演は『オトナ高校』以来、約2年ぶり。主題歌も担当し歌手デビュー!で、気合の入ったドラマになりました。
ストーリーや春馬くんの演技については、はるまふじさんが素敵にまとめてくださっています。
このドラマ、世間ではワイドショーなどでちょっと流れた、子役のくるみちゃんと戯れあうオフの姿が話題になりました。春馬くんも撮影当初は「父性なのかわからない」なんて発言だったのに、途中から待受画面にするほど。
やっぱり春馬くんの優しい姿は、自然と見る人の心を捉えるのでしょうね。
これまでも子供と動物がよく懐く姿はあったけれど、こんなにパパ感が自然とは。
膝の上に座らせてる姿や、抱っこしている姿が優しくて、愛おしい。
個人的には、すみれさんとホラー映画を見てる時の怖がり具合と、オープニングのくわえタバコでやさぐれている昭和のチンピラ感がツボです。そして、10代の頃からずーっと「憧れの女優さん」だった黒木瞳さんと共演できてよかったね!と。
話は飛びますが、最近気づいたことで、私が初めて春馬くんを見たのは、長渕剛さん主演の『ボディ・ガード』7歳の春馬くんでした。当時、ものすごいカリスマでちょっと怖かった長渕さんの目の前で少年が喧嘩(いじめ?)をしているシーン。いくら子供とはいえ、長渕さんがそんなにじーっと見てる前で喧嘩するなんて緊張するわ。と思って見ていたものです。
TWO WEEKSのやさぐれ春馬氏、あの頃の長渕さんの舎弟役で見てみたかった。
このドラマオンエア中の8月に『アイネクライネナハトムジーク』公開で、舞台挨拶に回ったり、韓国でドラマアワード受賞&台湾でファンミーティング。
多部さんをエスコートしたり、レッドカーペットでスピーチする姿はとても素敵なジェントルマン。スクリーンの中の佐藤くん、まるで別人。
ドラマ・映画 『太陽の子』
9月中旬から撮影したと思われる、日米共同制作で科学と戦争というテーマで議論を重ね、ドラマと映画、同時進行で撮影し異なる視点から描いた作品。8Kの最新映像技術が用いられているそう。ドラマは終戦75周年になる2020年8月15日に放送。映画は2021年公開予定。
主役は核爆弾の研究をする京都帝国大学の学生、石村修(柳楽優弥さん)。春馬くんはその弟で、陸軍下士官として出征したものの、肺の療養のため一時帰還する裕之役。京都が舞台なので、関西弁。
人生何度目?の坊主頭。昨年『銀魂2』で子役以来久しぶりに共演し、とても共鳴しあった柳楽さんと兄弟役。現場では今回も阿吽の呼吸でやりやすかったのでしょうか。
思わず2ショット写真を2枚並べたくなります。カメレオン俳優と言われる2人、とりあえず、同じ人には見えません。そして、全然顔が似ていないのに、兄弟役をやると何となく似ているように思えるのも不思議。
映画 『コンフィデンスマンJP プリンセス編』
昨年のロマンス編に続いて2作目。他の方々はマレーシアのランカウイ島で撮影でしたが、春馬くんは日本で1日のみの撮影参加だったそう。『太陽の子』の撮影で坊主頭になっているのでウィッグですね。
出番は少ないですが、黒シャツに赤のスーツで、コミカルなダンス&「縛っちゃうぞ〜」の流し目。そして、韓国スターになって雑誌グラビア。
さすが田中亮監督、今回も春馬くんのいいところ撮りして下さいました。
ヒット作だけあって、ゲストも豪華。メイキングもとにかく楽しそう!
次の英雄編は春馬くん中心話になる予定だったとか?次作に過去映像で出演するとか?出演したとしたら、それはそれは、すごいことですね。
映画 『天外者』
10月頃、京都を中心に撮影された主演映画。2017年に田中光敏監督からお話をいただき、本当は2018年に撮影予定だったのが準備が間に合わず1年延び、この時期の撮影になったもの。太陽の子から京都続きですが、こちらは薩摩弁。
2020年12月11日に公開。同じ日に東宝の力入れ作品「新・三国志」も公開だったのですが、TOHOの六本木と日比谷がこの2作品の3日間がほぼ同じ客席数になるように設定したことは、注目の大きさを物語っていたと思います。
当初、天外者のレビューが「春馬くんファンの三浦春馬おすすめ評」に溢れていたので、春馬くんファン以外の方にも見ていただきたい思いで書いたのがこちら。
田中監督は2017年大河の直親様を演じる春馬くんを見てお声かけ下さったそう。歴史上実在した方の史実を、主演で演じるのは初めて。五代友厚プロジェクトの方々が7年もの歳月をかけて準備してきた思い入れのある作品ということで、ものすごく想いを込めて準備をしてきたと思います。
五代さんが藍事業に力を注いだことに目をつけ、日本製で取材した藍の工房にハンカチを作ってもらったり、殺陣の構えに五代さんの像のポーズを取り入れたり。
多分、各シーン1つ1つに春馬くんこだわりエピソードがあったんじゃないかな?なんて思ってしまう。
お母様との別れの泣くシーンについて監督の後日談。
引きと寄りの2回撮っていて、普通は多少演技にずれが生じるので切り替えの際に何か別の景色などを入れるのだけど、春馬くんは2回とも全く同じように泣いたので、切り返しを入れては失礼だと思ってダイレクトに繋いだそう。そんな俳優さん滅多にいないそうで、「ものすごい集中力」と仰ってました。
もう一度映画を見直してびっくり。ほんと、まるで1回の演技をカメラの位置を動かして撮ったかのよう。こういう技術的なお話、嬉しいです。
日本のエンターテイメント業、演劇界の未来を夢見て、まっすぐ進んできた春馬くんの生き方、向き合い方は、五代さんの生き方に通じるものがあり、まさに「あなたはほんまに天外者や」と春馬くんに言ってあげたくなります。
坂本龍馬役の三浦翔平さんとは『ごくせん』以来11年ぶり。
お父様役の生瀬さんは『14才の母』『ごくせん』『ダイイングアイ』。
お母様役の筒井真理子さんは『ラストシンデレラ』で継母。
奥様役の蓮佛美沙子さんは『君に届け』とリアル高校で同級生。
伊藤博文役の森永悠希さんは先日まで『TWO WEEKS』で弟分役。
春馬くんのいい作品オールスターズのようなキャスティング。きっと楽しかったことでしょうね。
撮影前の9月25日 五代友厚さんの命日に墓前祭に参加。五代友厚プロジェクトの方々の前で突然のスピーチを求められるも「臆することなく皆さんの前でしっかりと想いを伝えることができました」(『日本製』より)と。
この作品、パンフレットにも映画のエンドロールにも事務所の名前がないんですよね。自主制作に近い映画は広告費もかけられなく、上映館や期間も限られてしまうから、事務所的にはあまり賛成できないお仕事だったのでしょうか。
過去の作品を見ていると、そういう作品こそ、作った人が大事にし、関わった人が伝え続け、後世にも残っていくように思います。
映画 『ブレイブ-郡青戦記-』
12月から1月にかけての撮影で、2021年3月12日公開予定!
「俳優になるきっかけが三浦春馬さんだった」と慕ってくれている新田真剣佑さん主演の映画。制作発表の時「共演できた時間は宝でした」なんて涙ぐんでくれて、なんだか、昔の小栗さんと春馬くんを思い出してしまいました。
以前、友人と「春馬くんに何の役を演じて欲しいか?」という話になった時「徳川家康。だけど、家康は丸顔なイメージだから、春馬くんが年取ってもうちょっと膨よかになってからかな〜」と答えていたのが、思わぬ形で叶うことになり、役柄を聞いて嬉しくなった作品。
家康は落ち着いた知的な話し方、振る舞いが必須。ぴったりだと思います。
最後の映画撮影が松平元康=徳川家康。本望です。
ミュージカル 『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』
当初3月7日から29日の東京公演の後、富山、福岡、名古屋、大阪、と4月末までツアー予定だったのが、3月に入りコロナの影響が大きく取り沙汰されるようになり、幕が開いたのは3月20日。ところが24日の東京五輪延期発表の後、世論が厳しくなり、27日が千秋楽になることが発表され、結局11公演のみで終了。
「不要不急」と見なされたコンサートや舞台は、やる、やらないでアーティストの中でも意見がわかれました。ミュージシャンがアーティスト本人やバンド内で決断できるのに比べ、演劇の舞台は関わる役者や事務所が多く、稽古にかけてきた時間も長い分、判断が難しかったと思います。
誰もが初めて体験する未知の恐怖や不安から、不満やどこにぶつけて良いか分からないやりきれない思いが、エンターテイメントや、営業を続ける店舗、ライブハウスなど、対象として言うことができるけど直接の知り合いではない人たちに集中したように思いました。
特に名の知れたアーティストの一部に批判が集中し、春馬くんもその対象の1人に入ってしまっていたと思います。
27日の千秋楽、春馬座長はまず最初に子役の子たちに祝福を述べ、ベテラン俳優さん、共演の方々に挨拶を求めた後、最後に挨拶の言葉を述べたそう。
「本日は誠にありがとうございました。
私ことですがこの状況になってから、 ある作品を観ました。
私は一人の男として、俳優として、エンターティメントで 生きさせていただいている人間として、演劇からもらうパワーというものを感じました。
こういう状況になった時に、エンターティメントと いうものは一番不必要なものかもしれません。 でも、これから先、みんなに余裕ができた時、いつの日か エンターティメントが皆さんの気持ちを少しでも 回復させることができたらということを 信じて走って行くべきなんだと感じました。 僕たちが演劇を信じることが、この業界にとって 良いことになり、とても血の通った仕事であると 自負しています。 いつか皆さんの心を豊かにできるように 最高のエンターティメントをとどけられたらいいなと。
また会えることを祈って お別れの言葉とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
2021年2月の今もなお、状況はあまり変わっていませんが、2020年当時の方が批判も多く、座長の心痛は大きかったと思います。
2年目の 『せかほし』
4月に2年目を迎えたNHKの『世界はほしいモノにあふれている〜旅するバイヤー極上リスト〜』25分番組だったのが、50分番組に拡大!
いつからか、JUJUさんは春馬くんのことを「三浦くん」ではなく「春馬くん」と呼ぶようになり、春馬くんはJUJUさんへの敬語がなくなり、せかほしは姉弟のお部屋にお客様をお迎えし、いろんな「素敵」を教えていただきながら姉弟が食べたり飲んだり、何かを作ったり、と、体験型の番組のようになっていました。
大抵は春馬くんチャレンジ。パスタを打ったり、お肉焼いてみたり、編み物したり。コメントしている時は、とってもダンディーでジェントルマンな春馬さんなのに、体験コーナーになると、ほんとお茶目でチャーミング。
頂いた花束をぶんぶん振り回してお花を折ってしまったり、
頬張り過ぎてリスのほっぺのようになり、モゴモゴしていたり。
おしゃれなメガネをかけて編集者、ワル馬、ローラの友達、白鳥仮面、などいろんなポーズをとってみたり。(これはさすがのエンターテイナーぶり!!神回でした。)
女性用の宝石やアクセサリーまで似合ってしまう、特異なお方。
2年目も癒し度満点のせかほしでした。
経年美化
12月のFNS歌謡祭で1stシングルの「Fight for your heart」のほか、郷ひろみさんと一緒に「言えないよ」を歌い、堂本兄弟ではカップリング曲の「YOU」を披露。
1月16.17日にシンシア・エリヴォさんとのコンサートにゲスト出演して歌ったり、MUSIC FAIRでも歌唱披露。2月には久しぶりに事務所主催の「ハンサムライブ」にも出演し歌ったそうで、歌手活動も多い年でした。
『TWO WEEKS』あたりから、一気に渋くなった印象があります。様々な番組にゲストで出演しているのだけど、話し方も話す内容も落ち着いていて、嵐と変わらず、TOKIOと同世代と言われても違和感がない。
お顔そのものは若いし、そんなに変わってないのに、醸し出す雰囲気と話す内容が一気に大人っぽくなりました。
秋ー冬のウェーブヘア(ウィッグ)の頃はジェントルマン。堂本兄弟で「YOU」を歌った時など色香漂う立ち姿。指先まで綺麗で見惚れます。
短髪解禁の12月のFNSでは黒スーツでスタイルの良さが際立ち、グッと精悍なダンディー姿に。
一体どこまで経年美化し続けるんだ。
この年のインタビューで心に残った言葉
ー表現力を磨くためにどんなことを心がけていますか?
…そうだなあ、人に寄り添うことだと思います。
僕なんかが言ったところで何の説得力もないですけど、樹木希林さんの本に書いてあったんです。人の痛みにしっかり触れること。そして誰かの思惑をしっかり汲み取って、考えたうえで寄り添ってあげる。それが役者にとって必要だと書いてあって、たしかにそうだなと思いました。
普通に生きていると、人と接することが煩わしかったり、自分に自信がないと他人の気持ちに踏み込むことはなかなかできないけど、でも仕事を通してなら戦えるし、寄り添うことも恥ずかしいと思わずにできるかもしれないって。
今回の稽古場でも、自分の意見を出して、周りの人がどう思うかをしっかりと話し合いたいです。役を通していろんなキャストの方とコミュニケーションを取りながら、支え合っていけたら、いいものができるんじゃないかと思います。
舞台は何かに迷ったときの修行と勉強の場なのかもしれません。生の舞台は逃げられない。自分と向き合いながら、役者や監督に丸裸になってぶつかっていくような、そういう場所なんです。
舞台って素敵な場所だし文化だからこそ、多くの人に身近なところで感じて欲しいんです。僕が映画もドラマもマルチにやっていきたい理由の一つがそこにあります。もっと若い世代から、ご年配の方まで、観て、感じてほしい。そして産業としてきちんと潤ってほしいんですよ。今の僕にとってはドラマも映画も舞台も全部やりたいことなんです。僕自身がそれらを循環させる役目を担わなければならない、というか。
自分のことだけでなく、エンターテイメント界全体、演劇界の未来まで考えた発言が多い年でした。
とても29歳とは思えない成熟ぶり。
外見も中身も素敵な経年美化。生きた芸術品です。
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この内容は以前「三浦春馬さんを語ろう。13年間の思い出とこれから」を書いた際、大幅に削った私の記憶と思い出です。個人的な見解になりますこと、ご了承ください。
17歳から年齢別に綴っています。
28歳 ← 前後はこちら → 30歳
一部分の抜粋は誤解を招く表現もございます。
引用、転載の際は事前にご連絡いただけましたら幸いです。
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