見出し画像

【Z Flip4レビュー】完成度は高いがまだ一般向けではない...

折りたたみスマホが登場してはや3年、最初は不具合や欠陥があって慎重に扱わないと壊してしまうのではないかというイメージが強かった。しかし、去年あたりからSAMSUNGだけでなく、Huawei・Xiaomi・OPPO・Vivoといった大手スマホメーカーたちも次々と折りたたみスマホを発表・発売し始めた。SAMSUNGに関しても去年に発売されたZ Fold3とZ Flip3はバッテリー持ちさえ目を瞑れば意外と使えそうなイメージで、折りたたみスマホはもう一般人が手を出してもいいレベルまで来ているのではないかと思った。

そこで人生初となる折りたたみスマホであるZ Flip4を購入したので使用感をまとめてみた。

Z Flip4の特徴

まずは簡単にZ Flip4の特徴を紹介する。

  • 開くと6.7インチ、背面に1.9インチのカバーディスプレイを搭載。

  • SoCはSnapdragon 8+ Gen1を搭載。

  • リフレッシュレートは120Hz。

  • バッテリー容量は3700mAhで普通のスマホより少ない。

  • カメラは広角と超広角のデュアル構成。

  • 防水に対応

  • 日本版はFelica搭載

Z Flip4の外観


これがZ Flip4本体で、ブルーを購入した。とてもいい色なのに日本で発売されないのは残念だと思う。それはさておき、背面は磨りガラスになっているため高級感があり、指紋が目立ちにくくサラサラとした触り心地が良い。


Z Flip4は折りたたんだ状態だと隙間が生まれてしまう。
他社の折りたたみスマホは折りたたんだときに隙間がないものがほとんどだが、それらは防水に対応していないことを考えると「見栄えを優先した結果、防水性能を捨てた」とも言える。
実際に使っていて折りたたんだときの隙間が気になるなんてシチュエーションはなかったので、隙間の有無はそこまで重要ではない。


開くと6.7インチのディスプレイが広がる。画面比率は22:9になっており、Xperiaより縦長だ。ただ横幅は抑えられているから片手でも十分操作できる。ベゼルもかなり狭く、4辺が均等になっているので見栄えがいい。


ちなみに折り目は普通にわかるくらい目立つ。画面消灯時にもはっきりと視認できる。ただ、コンテンツに没頭していれば折り目もそこまで気になるレベルではなかった。

折りたたみ機構

折りたたむとコンパクトに

Z Flip4最大の特徴は折りたたむことで半分のサイズになること。ポケットに入れる人は収まりが良くなるし、かばんの中にスマホを入れている人は取り出しと収納の際に引っかかりづらくて良いのではないだろうか。

本体がスタンド代わりになる

Z Flip4のヒンジは自由な角度に曲げて使うことができる。
平らなところに置いて安定した写真撮影ができたり、机に置いた際に動画が見やすくなったりと、普通のスマホだと別途スタンドを用意しないとできないことがスマホ単体でできるというのは意外と役に立つかもしれない。

ただし重心のバランスが悪いのか曲げる角度によっては倒れてしまうことがあった。

Z Flip4のカメラ性能

Z Flip4は広角、超広角のデュアル構成で望遠は搭載しない。Pixel6Proで望遠を愛用していた自分にとって、望遠がないのは残念に思う。

広角カメラ

メインの広角カメラは1/1.76インチのセンサーを搭載しており、周りのフラッグシップスマホと比べると小さい。このことからも撮影前から写真に期待はしていなかった。

Z Flip4
Pixel 7 Pro

一目見ただけではZ Flip4のほうがPixel 7 Proより色が濃く、SNS映えしそうな写真に見えるが、よく見てるとPixel 7 Proのほうが細部までしっかりと撮影できていることがわかる。ただ、スマホで見たりSNSに上げる程度であればそこまで違いには気づかない。

Z Flip4
Pixel 7 Pro

ただ夜景だと大きく差が出た。どちらも同じように明るく写せてはいるものの、Z Flip4のほうが明らかにノイズが多くて画質が悪い。

Z Flip4
Pixel 7 Pro

拡大するとわかるが、Pixel 7 Proは「Prince Hotel」がはっきり見えているのに対してZ Flip4は滲んでしまって読めない。

超広角カメラ

続いて超広角カメラを比較する。

Z Flip4
Pixel 7 Pro

Z Flip4とPixel 7 Proどちらも同じくらい広い画角で撮影ができる。ただ、超広角に関してもPixel 7 Proのほうが精細に撮れている。

Z Flip4のバッテリー持ち

Z Flip4は折りたたみを実現するために本体中央にヒンジがある都合上、大きなバッテリーを載せられない。最近のスマホが5000mAhといった大容量のバッテリーを搭載したしているなか、Z Flip4に関しては3700mAhと少なめ。
そんなスマホにハイエンドSoCであるSnapdragon 8+ Gen1を搭載したらバッテリー持ちは悪いのではないかと思っていた。

しかし、パフォーマンスモードをライトにしてみたところ、日常利用ではモードと違いがわからず快適で、リフレッシュレート120Hzと併用してもバッテリーがギリギリ1日持ったので、心配するほど悪くなかった。
ただ、原神といったゲームをプレイするとゴリゴリとバッテリーが減っていくので、Z Flip4でゲームをするのはおすすめできない。

充電速度に関しては25Wと速くないが、そもそもバッテリー容量が少ないので速度の割にすぐに充電は完了する。またワイヤレス充電にも対応しているので手軽に充電できる。

まだ一般向けではない…

Z Flip4は普通のスマホとして使えるのに折りたたんでサイズを半分にできるという取り回しの良さは魅力的に感じたものの、

  • 発熱による性能低下、バッテリーがそこまで持たないためゲームに不向き。

  • 同価格帯のフラッグシップスマホと比べるとカメラが弱い。

  • 約14万円は高い

といった感じでまだ一般の人におすすめできるものとはいえない。14万円を払ってまで欠点に目を瞑ってこのスマホを使うと言われたら使わないだろう。それにスマホを1台持っている人が2台目として買うならともかく、Z Flip4を1台だけで使うのにはまだ不安が残る。
今やiPhone14無印ですら約12万円もするが、やはり約14万円は高価な部類に入るため、一般人が手を出すのにはまだ早いと感じる。

どれも同じような見た目、スペックでマンネリ化したスマホに飽きていた人やスマホオタクなら買ってもいいのではないだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?