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【硬式テニスバックハンドで手首が痛い場合の原因の俺の頭の中身】アウトプット講義

【硬式テニスのバックハンド時の手首の痛み:医学的視点から原因と対策】


こんにちは、テニストレーナー兼スポーツ理学療法士のSHINJIです。
今回は、硬式テニスのバックハンドで手首に痛みが出る原因について医学的に掘り下げ、効果的なストレッチや筋力トレーニングの方法について
痛みの原因や解剖学的要素、適切なケアのポイントを理解し、適切な予防・対処法を学んでいきましょう。


バックハンドで 手首が痛くなる原因

  1. 尺側手根伸筋腱(ECU腱)の過負荷と炎症
    バックハンド動作では、尺側手根伸筋腱(Extensor Carpi Ulnaris, ECU)が重要な役割を果たします。ECU腱は手首の尺側(小指側)で手を伸ばす働きを担っており、バックハンドの衝撃を支えています。この腱が過剰に引っ張られたり反復して負荷がかかると、腱炎や腱鞘炎を引き起こしやすく、手首の痛みが生じます。

  2. 前腕屈筋群と伸筋群の不均衡
    前腕の屈筋群と伸筋群の筋力バランスが崩れると、手首の安定性が低下しやすくなります。バックハンド動作では、特に手首を伸ばす動作(伸筋群の働き)が求められますが、屈筋群とのバランスが取れていない場合、筋肉の過緊張が生じて痛みを引き起こすことがあります。

  3. 手関節の不安定性(手根骨の不安定性)
    手関節の構造上、手根骨(特に三角骨や月状骨)が微細に動きます。テニスのバックハンド動作中に、手根骨の微妙な不安定性が発生すると、周囲の靭帯や腱、筋肉に過剰なストレスがかかります。これにより手首に痛みを生じる可能性があります。

  4. 橈側手根屈筋腱(FCU腱)の過度な緊張と腱鞘炎
    橈側手根屈筋腱(Flexor Carpi Radialis, FCR)は手首を内側に曲げる役割を担うため、グリップの強さをコントロールする際に重要です。FCU腱が過度に使用されると腱鞘炎を引き起こし、バックハンド時に手首の内側が痛む原因となります。


バックハンドでの痛みを軽減するためのストレッチ

痛みを和らげ、柔軟性を高めるために、手首や前腕の筋肉を的確にストレッチする

  1. 前腕屈筋群のストレッチ
    手首を伸ばしながら前腕屈筋群を伸ばします。前腕屈筋群(主にFCRや手根屈筋)は、手首の内側に位置し、手首の屈曲動作に関与します。ストレッチ方法として、肘を伸ばして手首を反らし、指先を下に向けて軽く押さえ、30秒程度キープするのが効果的です。

  2. 前腕伸筋群のストレッチ
    手首を下方向に曲げて、前腕の伸筋群(主に手根伸筋)を伸ばします。この筋群が硬くなると、バックハンド時に手首が過度に伸展されやすく、痛みの原因となります。肘を伸ばして手首を内側に曲げ、もう片方の手で指先を軽く押さえながら30秒ほどキープしましょう。

  3. 橈側・尺側手根筋のストレッチ
    手首を内外に捻る(回内・回外)動作を通じて、橈側・尺側手根筋の柔軟性を高めます。特に手首の横方向の動きに関与するため、グリップの際の安定性が向上します。軽く握り、肘を伸ばしたまま手首を内側、外側に回し、各30秒ずつ行います。


 手首を安定させるための筋トレ

手首の安定性を確保し、バックハンド時の負担を軽減するために鍛える筋肉

  1. 手首屈筋群の強化
    手首屈筋群(FCRや深指屈筋、浅指屈筋)は手首を内側に曲げる働きを持ち、グリップ力の安定に寄与します。軽いダンベルを持って手首をゆっくり屈曲させるトレーニングを行いましょう。週2-3回、各15回×2-3セットを目安に取り組むと効果的です。

  2. 手首伸筋群の強化
    手首を伸ばす動作に関与する伸筋群(手根伸筋)も強化します。手首を固定し、ダンベルを使って手首をゆっくりと伸ばす動作を繰り返しましょう。このトレーニングはバックハンドの安定に有効です。

  3. 前腕回内筋・回外筋の強化
    前腕を内側・外側に回転させる筋肉(回内筋群・回外筋群)も重要です。手首のひねり動作の際に安定性を保つことで、過剰なストレスを軽減します。ダンベルやセラバンドを用いて、回内・回外を交互に行い、前腕の強化を図りましょう。

  4. 手根骨周囲の安定性強化
    手根骨周囲の靭帯や細かい筋肉群を刺激することで、手首の安定性が向上します。ボールスクイーズやエキスパンダーを使用して、手根骨周囲の安定性を鍛えると良いでしょう。これによりバックハンド時の手首のブレが軽減され、怪我の予防にもつながります。


【バックハンドで手首が痛い場合、負担のかかりやすいサーブとその理由】

テニスにおいて、バックハンドで手首に痛みを感じる選手は、特定のサーブ動作でその痛みが悪化しやすい傾向があります。特に「スライスサーブ」や「キックサーブ」は手首への負担が増大しやすい


 スライスサーブでの手首への影響

スライスサーブは、ボールに横回転(スピン)をかけることによって横方向へ曲がる軌道を描くサーブです。この回転をかける際、手首や前腕が複雑に動くため、特にバックハンドに痛みがある場合に負担がかかりやすくなります。

  1. 回内・回外の動作
    スライスサーブのスピンを作るために、手首が小指側へ回内(プロネーション)される動作が必要です。このとき、手首の内側(尺側)に負担がかかりやすくなり、既にバックハンドで痛みを抱えている選手の場合、この動作がさらに痛みを引き起こすことがあります。

  2. 尺側手根伸筋(ECU)の負担
    手首の内側には、尺側手根伸筋(Extensor Carpi Ulnaris, ECU)という筋肉があり、手首を小指側に曲げる役割を担います。スライスサーブの横回転をかける際、ECUが強く動員され、負担が集中することで炎症や痛みが発生しやすくなります。

  3. 前腕の回旋動作
    スライスサーブでは、手首や前腕を横方向に回旋させながらラケットを振るため、手首にねじれの力が加わります。この回旋による負担は、特にバックハンドで手首に痛みがある場合、さらなるストレスとなりやすいです。


キックサーブでの手首への影響

キックサーブは、ボールに縦回転(トップスピン)をかけて高く跳ねる軌道を描くサーブで、打点も高く、スイングが強力になるため手首への負担も大きくなりがちです。

  1. 手首の背屈・回内動作
    キックサーブを打つ際には、手首を背屈(反らす)させながら、さらに回内させる動作が必要です。これにより手首の背屈筋や回内筋が大きく引き伸ばされ、既に手首が痛い選手には特に負荷がかかりやすくなります。

  2. 前腕屈筋群の負担
    キックサーブでは、打球時に力を込めるため、前腕の屈筋群(Flexor Carpi RadialisやFlexor Carpi Ulnaris)が動員されます。これにより、手首の内側や小指側に負担が集中し、腱や靭帯に負担がかかりやすくなります。この動作は、バックハンドで痛みがある場合に症状を悪化させる可能性が高いです。

  3. 打点の高さとリーチの影響
    キックサーブは高い打点でボールを捉え、トップスピンをかけるために手首を一瞬でコントロールする必要があります。このタイミングでの不安定さが手首に負荷をかけ、回外筋や回内筋を酷使するため、痛みが誘発されやすくなります。

その他のサーブと手首への影響

フラットサーブやスピンサーブも一部の選手には手首に負担がかかる場合がありますが、スライスサーブやキックサーブほど手首への回内や回外動作が強調されないため、バックハンドで手首に痛みがある場合でも比較的リスクが低いとされています。


【理学療法士による手首痛に対する徒手検査】

1. Finkelsteinテスト

  • 目的:ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の検出

  • 方法:患者は親指を握り込んで拳を作り、手首を尺屈(小指側へ曲げる)します。この動作で、長母指外転筋腱(APL)と短母指伸筋腱(EPB)に痛みが生じる場合、ド・ケルバン病が疑われます。

  • 解釈:痛みが感じられる場合は、手首の親指側に炎症が生じている可能性が高いです。特に、テニスプレーヤーのバックハンドや強力なグリップ動作で発生しやすいです。

2. 手根骨のモビリティテスト

  • 目的:手根骨間の動きの制限や不安定性の評価

  • 方法:理学療法士が手首の手根骨(特に舟状骨と月状骨)をつかみ、動きをチェックします。微細なズレや可動性の低下、不安定性が見られる場合、手首の痛みの原因と関連していることが多いです。

  • 解釈:手根骨の不安定性は、バックハンドやサーブでの手首の衝撃を吸収する能力を低下させ、炎症や腱鞘炎を引き起こす可能性があります。

3. Thompsonテスト(手関節の背屈テスト)

  • 目的:前腕伸筋群(特に橈側手根伸筋、尺側手根伸筋)の筋力と柔軟性の評価

  • 方法:患者の前腕を固定し、手首を伸ばすように指示します。理学療法士が手首の背屈に抵抗を加え、痛みや力の低下があるかを確認します。

  • 解釈:このテストで痛みや筋力低下が見られる場合、手首の伸筋群に炎症や筋力不均衡がある可能性があります。バックハンドでの過負荷が原因となっていることが考えられます。

4. Tinelサイン

  • 目的:手根管症候群の診断

  • 方法:患者の手根管部(手首の中央)を軽く叩き、親指や人差し指にしびれや痛みが感じられるかを確認します。

  • 解釈:しびれや痛みが親指や指に放散する場合、正中神経の圧迫が考えられます。手根管症候群は、グリップの強さや手首の過度な使用に関連し、テニスプレーヤーにも見られることがあります。

5. 回内・回外ストレステスト

  • 目的:前腕の回内筋・回外筋の筋力と安定性の評価

  • 方法:患者は肘を固定し、前腕を回内(内向き)・回外(外向き)させます。理学療法士は軽い抵抗を加え、手首や前腕に痛みや筋力低下があるかを確認します。

  • 解釈:回内や回外で痛みが生じる場合、前腕の筋力バランスの不均衡や炎症が考えられます。特にスライスサーブやキックサーブの動作に関連しやすいです。

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