#3


オフィスを出て、少し廊下を歩くと2台自動販売機があった。お昼を持ってきていなかったことを少し後悔しながら、「コンポタでも飲んで紛らわそ。」と思い、自販機に向かうと、そこに拓哉がいて、軽く会釈をしただけの私に向かって、「深津さんお昼コンポタで済ませるんすかぁ。あ、一緒にお昼行きます?」と聞いてきたのだ。軽く交わした私は、「ダイエット中なので。」と答えた。

「深津さんって、ここ長いんですよね。オレ、ここではまだ新人みたいなもんなんで、優しくしてくださいね。」

「まぁ、私もそんなに教えられることはないけど、こちらこそ、これからよろしくお願いします。」
歳上とは思えない、人懐っこい子犬みたいな、可愛らしい人だと、その時は思ったのだった。




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