真のファインプレーとは平凡なもの--「誰も教えてくれなかった“社会人の心得”を20年で学んだ話」⑫
真のファインプレーとは平凡なもの
ファインプレーと聞くと、多くの人が想像するのは、ギリギリのピンチを華麗に切り抜ける瞬間ではないでしょうか。
プロ野球選手が豪快なダイビングキャッチを成功させるシーンや、仕事で締め切り直前に致命的なミスを発見し、土壇場で事態を収拾する――いわゆる「劇的な一手」を思い浮かべるかもしれません。
確かに、それらは目を引く「スーパープレー」です。
しかし、冷静に考えてみれば、そういった状況は、あと一歩間違えれば大惨事に繋がりかねないギリギリの状態。
プロ野球なら観客を沸かせる良いエンタメですが、仕事の現場では肝を冷やすことのほうが多いでしょう。
では、真に評価されるべき「ファインプレー」とは、どのようなものなのでしょうか。
真のファインプレーの定義
真のファインプレーとは、問題を事前に察知し、そもそも「問題として表面化しないよう対処すること」です。
周囲にリスクやトラブルの影を一切感じさせず、あくまで「平凡」に見えるような盤石な仕事。
それこそが、真のファインプレーと言えるのではないでしょうか。
例えるなら、プロ野球の守備で、打者の傾向を読み、飛球コースを予測して守備位置を調整するシーンです。
もし通常の守備位置ならギリギリのタイミングになる打球も、巧みな判断によって、難なくアウトにしてしまう。
観客には平凡なプレーに見えるかもしれませんが、その裏には計算された完璧な準備があります。
この「目立たないが、誰よりも重要な仕事」を実現するためには、次の3つの要素が欠かせません。
1. リスクを察知し、対策する力
2. チームで連携する力
3. 平凡を極める姿勢
1. リスクを察知し、対策する力
リスクを察知するには、広い視野と細やかな観察力が必要です。
兆候や違和感を見逃さない姿勢が、問題を未然に防ぐ第一歩となります。
例えば、「プロジェクトの進行が遅れているが、今はまだ修正可能な段階だ」と早期に気づければ、リソースの追加やスケジュールの見直しを図ることで、大きなトラブルを回避できます。
リスク察知力を高めるためには、日頃から情報を集め、分析し、過去の経験を次に活かす意識が重要です。
それは、単なる「場当たり的な対応」とは対極のスキルです。
2. チームで連携する力
個人の力だけでは、真のファインプレーは成立しません。
チーム全体で連携し、情報を共有し合うことで、対策が円滑に進むのです。
例えば、「この段階でこういうリスクがある」という情報を関係者全員に早めに伝えれば、それぞれが適切な準備を整えることができます。
特に、大規模なプロジェクトや多人数での作業では、透明性のあるコミュニケーションがトラブル防止のカギとなります。
プロ野球でいえば、内野手と外野手が「次のバッターは強打者だから、この方向を固めよう」と声を掛け合うようなものです。こうした細やかな連携が、全体を盤石にします。
個人の気づきだけでは何も解決しません。
周囲に共有することが、不可欠なのです。
3. 平凡を極める姿勢
「真のファインプレー」は、結局のところ「当たり前のことを当たり前にやる」姿勢に行き着きます。
スケジュール通りにタスクを進める、期日までにきちんと準備を整える、想定外の事態が起きても冷静に対応する。
これらは一見地味ですが、これを徹底できる人こそ、信頼を集めることができます。
華麗なダイビングキャッチより、堅実なグラブさばきで確実にアウトを取る。それが本当の「仕事力」です。
そして、それが積み重なった先にこそ、真に輝く瞬間があります。
「当たり前のことを当たり前にやる」
簡単そうに聞こえますが、実際にやってみると難しいものです。
社会人の土台となる、重要なスキルといえます。
結論:平凡こそ、最強
まとめ
真のファインプレーとは、リスクを見越して動き、確実な準備を重ね、周囲が気づかないうちに問題を解決してしまうことです。
それは地味に見えるかもしれませんが、長い目で見れば、チームや組織に最も貢献する力と言えるでしょう。
派手さを追い求めるのではなく、「平凡」を徹底する。それこそが、仕事を進めるうえで重要なことと言えます。
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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おわり