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優れたリーダーは「朝令暮改」を厭わない--「誰も教えてくれなかった“社会人の心得”を20年で学んだ話」⑭

「朝令暮改」とは

「朝に出した命令や方針が、夕方には改められる」という意味。
一貫性がなく方針や命令が頻繁に変わることを表現する言葉。

現代社会では、方針が頻繁に変わることに対して否定的な意味で使用されます。

実際、属している会社や組織の方針が頻繁に変わったら、不安になりますよね。

ただ一方で、元はといえば「朝令暮改」は、中国の古典『漢書』に由来する言葉で、当初は時代や状況に応じて柔軟に方針を変えることを肯定的に捉えるものだったそうです。

「朝令暮改」のリーダーが結果を出す

私が前職で所属していた会社で、開発のトップに立ったリーダーが、まさに「朝令暮改」といった頻度で方針変更をする方でした。

・前日OKだったものが、次の日にNGになる
・前回プレゼンしてNGだったものが、今回突然OKになる
・これまで指摘のなかったところを、急に変更しろという

など、今までには考えられない頻度で方針変更しました。

現場ではリテイクが増え、作業量が増えて体力的に消耗します。
また、いつ覆るかわからない不信感を常に抱えながら作業することに、精神的なプレッシャーを感じます。

当然、無計画で行き当たりばったりに感じる方針変更の連発に、現場では不平不満が噴出していました。

ただ、そうして出来上がった商品は支持されました。
単発のヒットではなく、安定したヒット商品の供給で、業績は上向いていきます。

どういう「朝令暮改」が効果的なのか

では、「朝令暮改」はどんなときでも有効なのか?
というと、そんなことはありません。

冒頭でも説明したとおり、否定的な意味と肯定的な意味が同居するように、使い方によっては、混乱して崩壊することにつながりかねません。

ポイントになるのは、どの層で方針を変えているか、です。

根本的な目標やビジョンは揺るがない。
それを実現するための戦略やアプローチは柔軟に対応していく。

という内容のように、根幹はしっかりと固めた状態にしておくことが、重要です。

その上で、戦略やアプローチを柔軟に変えていくことは、時流に乗りつつ、目標やビジョンを達成するために有効な「朝令暮改」と言えるでしょう。

優れたリーダーは「朝令暮改」を厭わない

優れたリーダーは、目標やビジョンを達成するために方針を打ち出すことが求められます。

そんな中、「朝令暮改」とも言える方針変更を実施できるのは、本当の意味で「根本がブレないからこそできること」だと言えます。

現場サイドからは、不平不満や日程的、金銭的な理由で「できない」と頻繁に言われるでしょう。

それを簡単には受け入れず、自分が信じる方針を貫くために、前言撤回してでも進んでいく、ということは、並の精神でできることではありません。

「朝令暮改」を厭わず、結果を求める姿勢には、見習うべきものがあります。

まとめ

しっかりとした根幹の上で実施する「朝令暮改」は、流行の移り変わりが早い業界では効果的といえます。

ただ、それなりの負担を現場に強いるものであるため、先を見通した判断が必要なのは言うまでもありません。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございます。
他の記事にも目を通していただけると幸いです。

おわり




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