~娘の話~じいちゃんは天使が空につれていったよ
父が亡くなったのは、11年前。
娘が小学一年生の時だった。
孫娘は私の小さい頃にそっくりだったし、当時まだ無邪気な年頃で
「じいちゃんじいちゃん」と父にくっついていたから、特に可愛いがっていた。
亡くなる少し前から入院していた病院で、孫娘の存在がこの世に命を引き留めているんだろうな
と思う言葉を繰り返していた。孫と別れる事はとても心残りだったのだろう。
が…とうとうその時は来てしまった。
四十九日が近づいたある日、娘が言った。
「きのうじいちゃんがゆめにでてきたよ!」
幼いなりにじいちゃんがいなくなった淋しさから夢を見たんだろうと思い
「どんなふうに出てきたの?」
と聞いてみた。
すると娘は
「なんか、ひろいのはらみたいなところにじいちゃんがいて、ふたりでいっしょにあそんだよ!
それで、さいごにてんしたちがきて、じいちゃんをそらにつれていったよ」
と言った。
私は、「あれ?娘ってフランダースの犬、見たことあったっけ?」と思った。再放送でもやってなかったくらい古いアニメの最終回の悲しい場面…
天使たちが亡くなった主人公を空に運んでいく。私が子供の頃、号泣したアニメ。
「まぁ何かの番組で見たからそのシーンが夢に出てきたのかな…でもじいちゃんと天使って絵面はなんか想像できないw」なんて思っていると、娘は続けた。
「じいちゃんいってたよ。『じいちゃんはもう
しんじゃったから○○○(娘)のそばにいられないけど、ずっとみまもっとるでな…
じいちゃんがいちばんかなしいのは、○○○とか
おにいちゃんが、じぶんでじぶんのいのちをころしてしまうっていうことだから、どんなにつらいことがあっても、それだけはしちゃダメだよ…』って」
それを聞き私は、「あー本当に父は、孫娘に最後の言葉を伝えに来ていたんだな…」と思った。
魂がまだこの世にいるうちに。
「どんなにつらい事があっても自殺なんてことは考えちゃダメだよ」
ということを6歳の子に分かりやすく伝えたかったのだろう。
その頃の娘は「自殺」というものなんて多分よく分かっていない。そんな発想がないのに、そんな内容の夢を見ることはないだろうと思ったし、
もし私が最後、大切な人に何か伝えるのならこれに尽きるかな…と思う。
ありがとうお父さん…一番大事なこと、娘に伝えに来てくれて。息子にもちゃんと伝えたよ。
両親は実の子に恵まれなかった。私は養女だ。
念願の我が子だったのだろう。
二人にとても大事に育ててもらい、私は小さい頃から何不自由なく幸せに生きてこれた。(甘やかされて育ったため、ポンコツ人間の自覚はあるw)
血のつながった実の親子の関係とは少し違うだろうし、特に父はすごく気を使っていたんじゃないかとも思うけど、最後まで私と孫たちを本当に
大切に思ってくれていたんだと、四十九日を前にあらためて実感した。
これできっと、心置きなく天国に行けたかな…
ずーっと見守っていてくれるよね?
ちょっと重めの話におつきあい頂きありがとうございます😌
今回の表紙は、父を天国に連れて行ってくれたであろう天使たちのイラストを使わせて頂きました。ありがとうございました!
次は🐈⬛ねこ二匹目を迎えた日🐈⬛
を振り返ろうと思います。
またおつきあい頂けると嬉しいです♪
おやすみなさい
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?