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星に願いを

昨日、
仕事帰りに投票を済ませたと娘から届いた写真
東京都知事選挙投票日で七夕だった。
何とも暑い日で、
すぐにエアコンのスイッチを入れる。
炎天下、
汗だくになって体を動かすことが好きだったとは
とても思えない。
きっと東京も暑かったに違いないと思いながら
夜、娘たちとくだらないやり取りをした。

今朝も5時に起きるとまだ外は静かで
人の気配を感じないこの時間が堪らなく好き。
だけど同じ頃、娘たちも起きているし、
いつかの東京で
5時台の電車が満席なことにびっくりした。
何なら長女は電車が動く前からタクシー出社で
仕事に備えることもある。

娘が最初に住んだ京急蒲田駅近くには、
和菓子屋さんがあって
そこのみたらし団子が美味しくて。
だけど、4年後、浅草へお引越し。
その後、次女も近くに住むことになった。
決めたきっかけは
空港まで浅草線1本で行けること。
次女は毎日片道1時間半の通勤時間、
朝は必ず座れるように銀座線始発駅であること。
そんな経緯でふたりは同じ町で暮らしている。

娘たちに会いに行くようになって
東京タワーよりスカイツリーが好きになった。
昔の憧れの東京の象徴よりも
娘たちの居場所を知らせてくれる目印。
おかげで今は飛行機の中からも
「あそこにいるんだ」ってわかる。

浅草を訪ねてホッとするのは、
観光客の賑わいの中にも
人々の暮らしの温度をちゃんと感じることができること。
昔のトレンディドラマに出てくるクールな街ではなくて、エコバッグが似合う町。

引っ越しの手伝いで初めて訪ねた時は
まだコロナ禍で、娘宅に向かう途中のお店で
定食のテイクアウトをお願いしたことがあった。
PayPayでの支払いに慣れてしまっていた私は
お財布を持たずに受け取りに行くと支払いは現金のみ
「すみません、お財布を取りに戻ります。
10分後に必ず伺います。」とお伝えすると
「いえ、せっかく炊き立てのごはんと焼きたてのお魚なので、まずは持って帰って召し上がってください。お代はその後で大丈夫です。」とご主人
そのお弁当の美味しかったこと。
どこの誰ともわからない私に
お弁当を持たせて下さったことへのお礼を伝えて
「娘が近所に越してきました。
何かの時にはどうぞよろしくお願いします。」と
ご挨拶した娘の浅草暮らしの始まり。

でも、コロナ禍が明けて娘を訪ねた時に
そのお店は閉じられていて、
あのご主人はどこかでお元気なのだろうか、と。
引越しで疲れてのお弁当のやり取りで
「こんな方がご近所にいらっしゃれば大丈夫」と
安心して家に帰ったことをお伝えしたかった。

そんな町の浅草寺はもうすぐ『ほおずき市』
願い事を叶えたい娘たちは四万六千日となれば
仕事帰りに寄るのだろうか。
いつか娘を訪ねた時に出会した
忘れられない夏の景色。
自分のことは厄祓いもしたことないのだけれど、
親とは不思議な生き物。

娘たちの七夕の願い事はここでは内緒。
東京の夜は明るくて
空を見上げても星が見えないかもしれないけれど
いつも空を見上げて星を眺めては
ふたりの無事を祈っている。

いつかの浅草寺、ほおずき市

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