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選ばれし相談相手③

しばらく雑談をしていると石屋の店主は3種類の石を渡してきた
全部明るい黄色い系…明らかに陽の気を纏っている
「ほら、どう見ても陽でしょ?」はい、そーですね

そして店主はその石を私の左手に握らせ、右手の親指と人差し指で丸を作るように指示した
「マックスに力いれて〜」
そう言うと店主は丸を作った指を引き離そうと引っ張った
石を持っていると指は外れないのだが、石を置くと指は外れてしまう
私も店主もかなりの力で勝負していた
いわるゆオーリングテストというもので、石との相性を確かめるものらしい。合っていると指が外れないという。
石はこれでオッケーという事で店主はチマチマとブレスレットを作り始めた

鉄球みたいな人です

いきなり陽の人と言われても困るというか、どうすればよいかわからない
私は誰とも会わずに家でアニメを観たりしているのが至福の時だったのだ
フッ軽でなど動けないと北の国からの純のようにブツクサ言っていると
「あなたは鉄球みたいな人です。一度止まると再び動き出すには結構なエネルギーが必要。でも動き出したらゴロゴロと勢いよく転がるし多少何かがぶつかってきてもおかまいなしに進む。止まると錆びつきますよ」

鉄球…初めて言われたがなんだかしっくりきた
10代〜20代の頃は何も考えずに暮らしていた
好きな事をして、好きな物に囲まれていた
楽しかったし、不思議と友達もいた
今はどうだろう?
もっと貯金しておけばよかった
勉強しておけばよかった
あの人を傷つけてしまった
などなど過去を後悔ばかりしている
あの頃に戻ってやり直したい考え、ラノベの転生物や異世界トリップを読んでは現実逃避の毎日だ
今だって決して不幸なわけではないのに、だ
すっかり錆びついていたようだ

そうこうしている間にブレスレット完成
私はパワーストーンを手に入れた
実家で飼っている女王様のような猫の目と同じ色のブレスレットだった

よし、なんか元気が出てきた
パワーがみなぎってきた(気がする)

「反芻はやめて、軽い気持ちで過ごしてください」

耳から入った情報を頭で整理しながら帰路に着いた
占いではなかったが、摩訶不思議ワールドだった

何かを始めてみよう
そう思って私はnoteを始めた
荒ぶる鉄球は転がらなければならないのだ

ブレスレットを左手につけ始めてから、なぜか左腕にやけど虫が止まっていたり左耳が中耳炎になった
今までにない体験をしている…




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