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【不登校の子どもの居場所づくり】適応指導教室ってどんな場所なんだろう?
相談の中で不登校の子どもから、
「学校には行けないけど、勉強したい」
「自分と同じような境遇の子とおしゃべりしたい」
「学校に戻れるように練習したい」
このような言葉が出てくる時があります。
また、ママたちからも「学校以外の場で活動できる場所を知りたい」という言葉もよく出てきます。
今までの経験上、子ども自身が安心できるお家の中で、エネルギーを貯めて次のステップに進みたい、という気持ちが出てきた時にこの言葉が出てくることが多いように感じます。
そんな時に活用できる場所が、適応指導教室です。
適応指導教室ってなんだろう?
適応指導教室とは、市区町村の教育委員会が不登校の小中学生を対象に、学習援助などを目的にして運営している教室になります。
地域によっては、適応指導教室という名称ではなく、独自の名称で呼ばれているところもあります。
人数も場所によってさまざまですが、私がスクールカウンセラーとして働いている地域では、10人前後と小さい集団での運営となっているので、大人数が苦手なお子さんも安心して活動できると思います。
また、適応指導教室に通うことにより、学校に通ったことと同じ扱いになり、出席日数としてカウントしてもらえます。
特に、受験が視野に入る中学生は、出席日数などが気になると思うので、適応指導教室に通うことにより悩みが軽減するかもしれません。
私のところに相談に来てくれたお子さんにも、適応指導教室に通うメリットとして出席日数のことや少人数での指導のことを伝えると、通ってみようと決める子もいました。
適応指導教室ではどんな活動をするの?
適応指導教室では、学習はもちろん、運動や制作活動、遠足などの行事も行われます。
学校に通えなくても、さまざまな体験ができるよう、カリキュラムを工夫している適応指導教室も多いです。
また、通っている子たちが交流しやすいように、ゲームなどの遊びの時間も盛り込まれています。
適応指導教室は少人数で運営されていることがほとんどなので、子ども同士の距離も縮まりやすく友達が出来やすいというのも、メリットの一つだと思います。
私自身、スクールカウンセラーとして活動していて適応指導教室の指導員の方とお話しさせていただく機会があります。
どの方も、通ってくるお子さんたちのために、少しでも楽しい活動をできるように工夫したいという熱意を持たれている方々ばかりでした。
活動以外にも、場所によってはカウンセラーも来ているので、悩みごとの相談もできます。
友達との付き合い方や学校のこと、進路のことなどさまざまな相談ができるので、子ども自身も気軽に活用してもらえると思います。
通っている子どもだけでなく、ママたちも相談できるので、お家での過ごし方などをお話ししてみるのもいいのではないでしょうか。
では、いざ適応指導教室に通いたいな、と思った時どうしたらいいのでしょうか。
適応指導教室にはどうやったら通えるの?
基本的には、在籍している学校を通しての申し込みになります。
申し込み後に適応指導教室等で面談を行い、現在の生活状況や通う目的の確認、通所のペースなどについてお話ししていきます。
子どもの状況によっては、学校に1日だけなら登校できるから、それ以外の日は適応指導教室に通おう、ということも可能です。
事前にスクールカウンセラーと相談して、適応指導教室をどのように活用していこうかということを一緒に考えておくのもいいかもしれません。
そうすることによって、子ども自身が具体的なイメージを持ちながら、適応指導教室の利用を前向きに考えられるきっかけになると思います。
そうして、子ども自身の希望や目標などを面談でお話ししてもらった後、適応指導教室内で検討して、適応指導教室に通えるかどうかが決定します。
おわりに
今回は、適応指導教室についてお話ししていきました。
私のところに相談に来てくれたお子さんの中でも、実際に適応指導教室を利用し、そこから学校復帰に進んだ子もいます。
また、学校復帰できなくても自分に合った高校へ進学し、休まず登校できている、という子どももいます。
どんなやり方がいいのかは、子ども達それぞれ違いますが、子ども自身が納得したやり方で進んでいくことが、何よりの近道です。
私自身、どのやり方が正解かという答えはまだ見つかっていませんが、相談に来てくれた子どもやママたちと協力して、みんなが納得できるやり方を探していきたいと考えています。
ご家族で話してもなかなかいい案が思い浮かばない、そんな時にはスクールカウンセラーを活用していただくのもいいかもしれません。
今回も読んでいただきありがとうございました。