夜更かしの一思い
土曜のバイト終わり、疲れた私は久々に昼寝をしてしまった。
今までの雨を忘れてしまうような晴天の中、柔らかい布団の中で全てのことを忘れるように眠りに落ちた。
ブィィーンというバイクの音で深夜0時に目を覚まし、思い返してみたら8時間もの昼寝をしてしまっていた。
お夕飯を食べるのもすっかり忘れていたため、お腹がすいた私は深夜に煌々と光るコンビニに足を運ばせていた。
このゴールデンタイムには全てが美味しそうに見えた。普段は食べない野菜もりもりのサラダも、前を通る度に目をチラつかせてくるデザートたちも。極めつけはあの揚げ物がまた私の心を踊らせた。
結果、暑い夏に向いている釜玉うどんに梅おにぎり、あとはチキンをひとつ頼んで暗闇の中に戻って行った。
少しばかり遠いコンビニまでの行き道には、光が灯らない焼肉屋さんや、24時間営業のコインランドリー。またいつ見ても変わらない自動販売機があり、そこには中年の男性と、女性が笑顔で話しながら飲み物を選んでいた。
久々に歩く深夜の街には懐かしさと、初めて歩いた時のようなまだ夢にいる気持ちがあった。
住宅街にポツポツと光る窓を見て「寝れないのかな」とか、「徹夜パーティの日かな」とか色々と想像を膨らましては笑い楽しく自宅へと帰った。
家にあったあの炭酸をプシュッと開けて1口グッと飲み込んだ。身体中に炭酸が行き渡って、一気に夢から覚めた。
炭酸がいまこの時間の始まりを合図したように泡が弾けていった。
しゅわしゅわなる音が静かな夜に響く。
冷房を切って窓を全開に開けて移動出来る机を窓の近くに置いて食事をまた始めた。
これからまた夏が始まるんだってこの夜ふと思った。
どんどん明るくなっていく空に少し不安を感じながら星を数える。きっとまだ見えていない星があるのだろうと目を凝らしながら見る。見えるはずの無い星を数えては指の数を増やす。
だんだん消えていくあの星を眺めながらまた考え事をする。まだ無くならないこの炭酸がきっといつかは無くなるのだろうと思いながらふと泣けてきた。
たまには夜更かしもいいのかもね。
そう思えた今日だった。
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