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家造りを真剣に考え直してみました!!っていう設計士の話【福井県】
リーフハウス設計部の西村です。
このブログは現役設計士が日々思うこと等を書かせていただいているページです。
目次の中で気になるところから読んでいただけると嬉しいです。
キドリスタイルでは『豊かな暮らしがずっと続く家造りを』をコンセプトに家造りに取り組んでおります。今回はそのコンセプトについて解説させてください!
3つの理想な暮らし
キドリスタイルでは豊かな暮らしがずっと続く暮らしを実現させるために具体的に以下の3つの暮らしの設計を心掛けています。
1.低燃費で心地いい暮らし
お家での暮らしで誰もが望むことの一つに、
「冬寒くなく、夏は涼しい家」
これは住む人にとってはモチロン、家にも大切なことです。
そのためには断熱・気密・空調・換気計画の一つ一つを丁寧にすることが大事だと考えています。そして暮らしていく上では、心地いい空気を保つための冷暖房費を抑える工夫が必要です。
イニシャルコスト(建築費用)+ランニングコスト(光熱費)+メンテナンスコスト(フィルター交換費用など)をトータルで考え最適な組み合わせの仕様をご用意して低燃費で心地いい暮らしを実現します。
2.使用感を追及したストレスフリーな暮らし
住む人の暮らし方を想定し、変化(成長)し続ける家族に合い続ける家を目指してます(^^)/
収納は多いほどいいってよく言うけどホント?
広いリビングがホントに豊かな暮らし?
モノをなくすだけでシンプルデザイン?
などなど、挙げるとキリがありませんが、こんなことを自問自答しながら設計に取り組んでおります。設計って人との会話だと思うんです。話し合った内容を整理して図面化したり、思いついた提案を勝手に(笑)描いてみたり。
そんな家はきっと愛される存在になって、結果ストレスフリーな家になると思っております。
3.木質感に拘った愛着が増していく暮らし
使い込んだ道具やよく着る服や時計、アクセサリーって愛着が沸いてきかわいく見えてきたり相棒みたいな存在になっていきますよね!
お家も住みはじめは遠慮がちに生活してきたのが、年月を重ねるごとにそこに馴染んでくるというかもう以前からそこにあったかのような存在に感じるようになると思います。
その家と住む人の関係を更にやさしくつなぐ素材として木を使った仕上げをご提案いたします。
色々な効用があると言われている木。
段々と色やけしてくる木。
そんな木を使ってお家をデザインしながら使いやすさを考えております。
帰ってきたら家族に言うように家にも『ただいまっ』って永く付き合ってもらえるような家造りを目指しています。
11の家造りの工夫
ここからは先の3つの理想の暮らしを実現するための工夫を書きます。
1.保温効果がしっかり発揮できる工夫
断熱・気密はお家が出来上がると見えなくなってしまいます。が、住み心地を決める重要な項目もまた断熱・気密です。
断熱だけが良くても気密が悪いと冬は冷たい空気が足元に流れますし、夏は熱い空気が小屋裏から降りてきてしまいます。そうならないようにキドリスタイルでは断熱等級6以下(0.45程度)、気密性能C値=0.5以下に設定しております。
断熱性能は数値だけにこだわらず断熱効果がしっかり発揮できる仕様を採用しております。各部位の仕様:
〇床=硬質ウレタン系断熱材 厚66㎜
+テープ張り
〇壁=HGGW24(裸)
+防湿シート 厚0.2㎜(継ぎ目ほぼ無)
〇天井=硬質ウレタン系断熱材 厚100㎜
(桁間断熱)
上の構成についての結露計算もしております。
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計算では結露判定が出てしまいますが、実際の現場に13時前後3時間ほどいましたが肉眼では結露はしていませんでした。
※この前後2週間で最も外気温・湿度が高い日の結果です。
※上の表は岐阜県立森林文化アカデミー辻充孝先生の温熱教室より
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冬場コンセントから風が出てきたり夏の2階が熱い原因がこれらの要因が大きいです。
※上記の図は前真之先生のセミナーより
2.トータルコストを抑える空調・換気の工夫
トータルコストとはお家で暮らすうえで必要なお金(主に建物の維持管理のお金)の合計を言います。どんなお金かと言いますと、、
〇イニシャルコスト:お家を建てる時のお金
〇ランニングコスト:光熱費(主に冷暖房費・給湯費・換気費用など)
〇メンテナンスコスト:換気扇・エアコン等のフィルター代、掃除手間など
これらにかかる費用を抑えるために以下の内容でのご提案をしています。
①C値0.5以下とダクト式第3種換気扇採用
②外皮計算で熱損失量を算出
③熱負荷計算で夏季・冬季の熱負荷量を算出
④熱負荷量に合う容量のエアコン選定(下図)
⑤室内の空気循環量計算にて必要な風量の把握
必要な風量=熱負荷量÷温度差×3
※熱負荷量:夏冬それぞれで計算
※温度差:(夏)室温-送風、(冬)送風-室温
※3:定数
※上記式は前真之先生のセミナーより
⑥⑤の結果を踏まえてエアコンの配置計画
といった順番で換気・空調計画を行います。
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ダクト式第三種形式です。
換気扇はルフロとレンジフードのみです。
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※上の表は岐阜県立森林文化アカデミー辻充孝先生の温熱教室より
3.使いやすさが持続できる工夫
生活する中で身体が触れる場所を特に意識しながら設計しています。ドアの開き勝手はモチロン、カウンターの高さなどは使い方に合わせて慎重に打合せしていきます。
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4.心地よい居場所を点在させる工夫
天井が高くて広いリビングにも憧れますが、僕は気分に合わせた居場所が所々にある方が豊かな空間になる気がします。
一人静かに居たい時、
家族の雰囲気を感じながら何かしてる時、
おしゃべりが弾んでる時、
家族団らんの時、
そんな思い出が積み重なる居場所がいくつもあるそんな家造りを志しています。
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吹き抜けで一階にいる家族の雰囲気もゆるく感じます。
5.収納する物が整理しやすくなる工夫
整理するのが苦手ながらも割とデスク周りはスッキリしている私からご提案する物をスッキリ収納するコツは、ズバリッ!
「物の指定席を造ること!」
です。物をしまう場所、置く場所をお家の計画の早い段階で決めておくことでやたら大きい納戸が存在感を示すこともありません。
そして、
「しまうものに合わせたサイズの収納を造る!」
大きめにつくっとこーっと奥行きを深くしすぎた収納ははっきり言って使いにくいです( ;∀;)
6.お家のメンテナンスが楽になる工夫
メンテナンスでお金がかかる代表的なものに
1位:外壁
2位:換気扇のフィルター交換
3位:エアコン掃除
があります。私の主観です。( ;∀;)
この中で換気扇のフィルター交換ですが当社で採用しているルフロ400は年一回の換気扇部分の掃除と年一回のフィルター交換で換気量が維持できます。熱交換換気扇も魅力的ですが、メンテナンス頻度でいうと年3回くらい必要という話を聞いたり、、
しかも給気と排気が同じ換気扇なのでこわれたら大変そうかなと( ;∀;)
あと、中間期は熱交換しなくてもいいのに、、
などと冬・夏はとても魅力的なのですが、トータルコスト比較するとルフロ400を現段階では採用してます。
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メンテナンスは年一回のフィルター交換と換気扇の掃除のみです。
7.太陽の力を最大限活かせる工夫
教科書通りなのですが、冬に直射日光がよく当たる窓はLow-Eガラスは日射取得タイプを採用しています。
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日射取得タイプを使うと冬はいいのですが夏はあかんーーっと思われるのですが、アウターシェードをご提案しています。洋風すだれです。
冬に直射日光が良く当たる窓の選定に日当たりシュミレーション(福井コンピュータ)を使って確認しています。
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ここではこのシュミレーションにより2階の窓を通常より40㎝上げました。
8.福井県の気候の特性を読み解く工夫
福井の天気の特徴といえばズバリ雨っ!!
雨も楽しめるお家をーーと言いたいところですが、実際はそれより家に車で帰ってきていかに玄関まで雨にぬれずにいけるか、です( ;∀;)
あとは、外壁材に合わせた屋根の掛け方です。
外壁に鉄板を使うと実はなるべく屋根を出さずに計画します。なぜかというと鉄板は雨で現れないと白さびが発生してしまい見た目が悪くなってしまいます。左官壁はその逆でなるべく屋根を出す工夫をします。
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9.和の佇まいと今の暮らしを組合わせる工夫
先人たちがその時の最先端の技術を使って建てたものが今僕たちの目の前にあります。それらは今見ると古く感じますがすごく味があって愛されて残ってきたんだと思います。そんな和の佇まいをもった空間を再現しながら今の暮らしに落とし込むことに挑戦しながらご提案したいと思っています。
10.経年変化に愛着を感じてもらう工夫
なるべく工業製品を使わず自然の素材を適材適所でご提案していきます。主に福井県産材の杉材をメインで使います。
木目のもつゆらぎというかやさしさが生活に馴染むころ色もいい感じに焼けていると思います(^^)/
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写真のは源平柄ですが、赤い部分のみや白い部分のみなどもご用意しております。
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凸凹が良い感じです(^^)/
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11.敷地の特性を活かす工夫
敷地を読むということですね!(笑)
そこには街並みがあり生活があります。山にポツンと建つなら自由にできますが、街中に建つときはやはりそこにあるものを大事にしながら建物の配置であったり形を設計していきます。
以上3つの理想な暮らしと11の家造りの工夫をお届けしてきました。
家造りをする人にとって豊かな暮らしがずっと続きますように(^^)/
ご質問などなんでも受け付けております!
リーフハウス 設計部 西村
電話:090-5676-8773