とうちゃこ
火野正平さんが亡くなり、しばらく経ちました。
私は、NHKBSの「こころ旅」をよく観ており、両親と一緒に観てました。
はじめは、なんか面白い人が旅してるな。この人、自転車乗ってるのにタバコなんで吸ってるのかな?
と様々な疑問を持っていましたが、正平さんのユニークさに惹かれファンになりました。
両親は、「名脇役で昭和の人ならみんな知ってる」と言って、楽しそうに番組を見ていました。
正平さんも年を取るにつれて、移動距離も少なくなります。それでも、ヒーヒー言いながら「チャリオ」を漕ぐ姿は、私が若い頃に友人達と近くの山を自転車で登り、同じようにヒーヒー言っていた姿と重なるものがありました。
どこに行っても、正平さんはその土地の名物を食べることより、自分の好きな食べ物があったらそれを食べていました。
ラーメン、ナポリタン、オムライス…
辛党でナポリタンにタバスコを沢山かけるのですが、辛すぎてむせる姿は、まるでドリフを見ているようでした。
正平さんを見るたびに「こんな、じいさんになれたらいいな」といつも思っていました。独特なファッションも好きで、帽子にはおばけのマークがついていて、「このおばけはどこのブランドのものなんだろ?」と母と話していました。
両親と何歳までやるのかね?そろそろ引退かな?と毎年話していました。正平さんが、亡くなったとネットで見たときに、「えっ」と思いました。
そして、しばらくすると涙が少し出てきてしまいました。
「とーちゃこ」がもう見れないのか…そう思うと寂しくなりました。
あんな、じいさんには自分はなれないと思うけど真似るだけはできるかな。目的地についたら、自転車じゃなくても「とーちゃこ」って言おうかな。なんて、思ってます。