ChatGPTのロールプレイングモード
ChatGPTの出力をより正確にするために、GPTに特定の「ロール」(役割)を与えるというテクニックがあります。
例えば、イラストを出力して欲しい場合、ただ「かわいい猫の画像を出力して」と書くのではなく、「プロのイラストレーターのように」や「芸術家のように」と役割を指定することで、より質の高い出力を得ることができます。
今回は、ロールプレイングによって出力の精度がどれだけ変わるかを検証してみます。チャットGPTや他の画像生成AIを使って、同じ題材でどのような違いが生じるかも比較します。
使用するAI
ChatGPT 4.0
まずは「アニメ調のかわいい猫のイラスト」という題材で、特に細かい指定なしに出力してみました。
かわいらしい猫のイラストが出力されました。ChatGPT 4.0にはDALL-Eが搭載されており、詳細な指示がなくても高品質な画像を生成することが可能です。
次に「水を飲んでいる女性」というテーマで出力してもらいました。
こちらも、指示通りのイラストが高いクオリティで出力されました。特に指定をしなくても十分な結果が得られることが分かります。
ここで、役割を持たせた場合に、絵のクオリティーがどう変化するかを検証してみます。
次に、以下の人格(ロール)を用意しました。
プロのイラストレーター
一般人
3歳の子供
GPTには「それぞれの人格になりきって絵を出力してください」と指示を出し、どのような画像が出力されるかを確認します。
検証1:「アニメ調のかわいい猫のイラスト」
プロのイラストレーター
非常にクオリティの高い画像が出力されました。アニメ調や可愛らしさが際立っており、プロならではの細部へのこだわりが見られます。
一般人
こちらは一般人の人格で作成されたイラストです。先ほどよりもディテールが簡略化され、カジュアルな仕上がりとなっています。
3歳児
3歳児の人格によるイラストは、子供らしい無邪気さが感じられるテイストです。プロや一般人とは異なり、非常にシンプルな形で表現されています。
出力後、GPTに「各人格としてどのようなことを意識してイラストを描いたか」を聞いてみました。
プロのイラストレーター:
細部へのこだわりと洗練されたデザインを意識しました。アニメらしい豊かな表情や柔らかな毛並み、背景に工夫を加え、プロフェッショナルな仕上がりを目指しました。
一般人:
親しみやすさとシンプルさを意識し、プロほど細かくはないが、カジュアルでかわいらしいイラストを目指しました。
3歳の子供:
無邪気で単純な形や線を意識し、素朴で愛らしい表現を心がけました。細部はシンプルに、楽しい印象を優先しました。
役割を与える事で上記の様な描き方を意識して書くようになります。
更にどの様な意図で出力するのかを聞いてみましょう。
細部のへのこだわり、洗練されたデザインを意識して出力しているみたいです。
実際に出力されたイラストは、毛並や目の書き方、ポーズや表情といった細部へのこだわりが感じ取れます。
分かりやすく大衆的なイラストを出力する事を目標に描くみたいです。
プロのような精密さは求めず、身近でわかりやすいイラストと書いて居るようにパット見で分かりやすいようなイラストを描くみたいです。
単純な形や線
正確な描写や構図は重要ではなく、子供らしい自由な発想がイラスト
この辺りが子供のイラストの中心になる考え方になっています。
他の2つの絵と比べても簡素に書かれているのが分かると思います。
(3歳児が描いたにしては上手すぎると思いますが…笑)
検証2:「水を飲んでいる女性のイラスト」
プロのイラストレーター
細部まで描き込まれた、まさにプロのイラストレーターのような仕上がりです。特に髪や水の表現がリアルで精密です。
細部のへのこだわり、洗練されたデザインが感じられます。
一般人
十分にクオリティの高い画像ですが、プロのものと比べるとシンプルで親しみやすい印象に仕上がっています。
身近でわかりやすいイラストですね。
3歳児
かわいらしい子供の絵のようなイラストが完成しました。シンプルで明るい雰囲気が特徴的です。
子供らしい自由な発想がしっかり出ていますね。
今回も、イラスト出力後、各人格で描いた際に意識した点についてGPTに聞きました。
プロのイラストレーター:
繊細なディテールと質感を意識し、表情や髪の描写、水の透明感や反射など、プロらしい仕上がりを重視しました。
一般人:
シンプルでカジュアルな仕上がりを目指し、親しみやすい印象を大切にしました。複雑すぎない表現で、ラフな雰囲気を保ちました。
3歳の子供:
素朴で無邪気なタッチを意識し、シンプルな形や線で楽しい雰囲気を出しました。全体的に明るく、子供らしさを強調しました。
検証結果
これらのように、GPTにロールを与えると出力が大きく変わることがわかります。
このテクニックは文章の生成や新しいコンテンツの開発など、さまざまな場面で役立つでしょう。
今回はイラストの検証を行いましたが、次回は文章や他の要素でも検証してみます。