キングオブコント2020雑感
前回思い切りお笑いと関係ない記事を書いてしまったのでここらで軌道修正をしたいと思います。
「お笑いのある世界に生まれてきてよかったです」という名言の誕生から一年、まさか世の中がお笑いがなくなってもおかしくはない世界になってしまうとは思いませんでした。色々なライブが中止になっていた3、4月頃はこんな状況で賞レースなんかできるんだろうかと不安でたまりませんでしたが、8時間のお笑い特番のトリという形でキングオブコントが開催されて本当によかったです。
以下、ネタの感想など。 ※結構ネタバレを含みます
①滝音「ラーメン屋」
恥ずかしながら名前くらいしか存じ上げていなかったんですがめちゃくちゃ面白かったです。設定がバラされるまで少し時間がかかるネタをトップバッターでやる勇気もすごいですし、漫才師というだけあってワードが一個一個強く順番さえ違かったら……というifを考えざるを得ません。いやまあそれは全組そうなんですけど。KOC用のネタが2本しか無かったっていうのもかっこいいですね。
②GAG「河川敷」
GAGさんに関しては2017年は受験でそもそも番組そのものを見ておらず、2018年に見たときは正直ハマらなかったんですが、その後色々なネタ番組で見るうちにあのコテコテ感がクセになり大好きになったという経緯があります。これもそういう魅力が詰まった素晴らしいネタだったと思うんですが……。点数の低さ自体もそうですが話題になっていた2本目が見られなかったのが悲しいです。
③ロングコートダディ「ダンボール」
嘘みたいにムキムキな先輩が淡々と謎の段ボールを動かすという明らかに異常な状況から始まり、これからどうなるんだろう?と思っている中で今までの全てが無意味だったと分かる瞬間が来たときの気持ちよさ!確かに爆発が起こるような派手なネタではないのかもしれませんが、全体的に漂う面白い不穏さやシンプルながら秀逸なオチがもっと評価される大会であってほしかったです。
④空気階段「霊媒師」
結果的にファイナルに進めたのでよかったですがもっと点数高くてよくね?と思ったネタです。もぐらさんが演じるキャラ自体も勿論、コミュニティFMを受信してしまうという状況、ラジオのカスみたいな言い争いなど面白くなかった瞬間がなかったと言ってもいいかもしれません。後半の盛り上がり方も最高でした。繰り返すようですが、これでファイナル行けてなかったら暴れてるところでした。
⑤ジャルジャル「野次」
まさに!という感じのネタでした。これで高得点を得て結果的に悲願の優勝となったのはある意味当然の帰着というか、そうでなくてはならないはず。福徳さんの声質が捲し立てるような野次と本当によく合っていて、しつこければしつこいほど面白くなっていった感じがありました。よくあるJ-POPの歌詞の薄っぺらさをイジっているという点ではこっちのが隠れ悪意じゃねえかとは思いましたが。
⑥ザ・ギース「シゲさんとの別れ」
はっきり言って私はザ・ギースさんが大好きだしこのネタも何回も見ているので客観的に見ることができず、「頼むハネてくれ…!」という気持ちで5分間を過ごしていました。ジャブとしてちょろっと演奏する曲をドンキの店内BGMとオールスター感謝祭の曲に変更する、何より高佐さんの演奏がめちゃくちゃ上達しているというブラッシュアップをかけていたのがよかったですね。
⑦うるとらブギーズ「陶芸家」
個人的には去年の1本目よりもこっちの方が好きかもしれません。初めに「いい」やつを割ってしまったときに狼狽えたときからもう虜です。そのあとはボーナスタイムと言わんばかりに陶器が割れていく音を聞くだけでゲラゲラ笑ってしまう状態に。私パンダチーズのCMが大好きなので、人が何かを破壊していく様を見るのがツボなんでしょうか。
⑧ニッポンの社長「ケンタウロス」
あまりにも話題になりすぎていてズンドコベロンチョとか鮫島事件とかそういう類いのものなんじゃないかと思っていたので実物を見られてマジで嬉しかったです。笑いすぎて死ぬかと思いました。だから当然めちゃくちゃ高得点なんだろうなと思ったらあんな感じだったのでまた審査へのヘイトが溜まる結果に……。ひどい、ひどすぎるぞ!あんなに面白かったのに!!!
⑨ニューヨーク「結婚式」
「何も本当に楽器を弾かなくてもいい」という当たり前のことを教えてくれたネタ。……というのはまあ冗談で、キャッチコピーは何だったのかというくらいまっすぐに面白い素敵なネタだったと思います。馬鹿馬鹿しいことを全力でやっても怒られないのがコントのいいところだと思っているので、内容がエスカレートしていくごとにこちらのテンションも上がっていきました。
⑩ジャングルポケット「娘」
トリでしたが勢いとテンポのよいパワーのあるネタでした。テレビに引っ張りだこで本来賞レースに出なくてもいいくらいの人たちがこういうコントをかけているという時点でとても熱い……。しかも昔失敗してトラウマになっているネタを引っさげてリベンジしてくるというかっこよさ!滝音さんと同じで順番がもう少し早ければと思ってしまいました。
ファイナル
①空気階段「定時制高校」
今年1月のやさブラ段 (https://note.com/cheekama/n/n45f98fb6e38e)を始め色々なところで見ていた大好きなネタ。今までは「いいもん見たなぁ……」と何となくでしか言語化できなかったのですが、かたまりさんが発した「恋の尊さみたいなのが伝わればいいなと思って」という言葉で完全に腑に落ちました。彼らと縁が深い銀杏BOYZの歌詞が如く、綺麗なことばかりじゃないけどどこまでも純粋で美しい素晴らしいコントでした。あと女装したかたまりさん本当に美人すぎ!
②ニューヨーク「ヤクザ」
たまんね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。ファイナルでは一番笑ったかもしれないです。髪の毛を切りすぎてしまって見せたくないと駄々を捏ねていたら、逆にハードルが上がりすぎてしまってついには見せるタイミングを失してしまう……という別にヤクザではなくてもいい状況設定。ですが、いかんせんヤクザなのでそのラリーの先には人の生き死にが関わってくる。こんなにも最高でしょうもないことはありません。 見られてよかったです。
③ジャルジャル「空き巣タンバリン」
5chで散々「空き巣タンバリン」と書かれていてどういうことだよと思っていたら本当に空き巣タンバリンだったというお話。いや何回空き巣タンバリン言うねん。タイトル通りの理不尽な状況の中で続々に理不尽が足されていく気が狂いそうになるネタ。そんな中でも繊細な部分が垣間見えるのは本当に流石だなと思います。最後だし既にお酒を飲んでいい感じになっていたのでホイッスルを吹き始めた辺りでボリュームとか考えずにゲラゲラ笑ってた気がします。
最後に全体的な感想とか来年は改善してほしいところを長くなりすぎないように箇条書きで記しておきます。
・今までのシークレット制度は改めて考えてもクソだった
・かっこいい煽りVとかキャッチコピーはやっぱり最高
・全組面白いので賞レースは残酷
・でもそんな中でジャルジャルさんが報われて本当によかった
・審査員の人数を増やしてほしい
・審査員の年齢層にもう少し幅を持たせてほしい
・テグスは別に使ってもいいだろ
・審査員は「優勝するネタではない」とか冗談でも言わないでほしい
・審査員
以上です。来年は審査員関連の愚痴が無くなりますように!
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