「プイプイゆういちカー」と「夢の島志念公演」についてTwitterに載せきれなかった雑感
知らない間に実装されていた新エディタの機能を試すのもかねて最近配信で観た2つのライブ、真空ジェシカ×竹内ズ ツーマンライブ「プイプイゆういちカー」・「夢の島志念公演」の感想を。
基本的に配信ライブはいつも滑り込みでしか観られていないのでライブについて詳しく書くという感じではなく、「Twitterに書こうと思ったら書けるけど全部書いていくと総ツイート数が結構増えちゃうな……」(私は特に意味のないツイート数縛りをしています) というレベルのことをちょこちょこ箇条書きで書いていこうかなと思います。
プイプイゆういちカー
別にお笑いに限らず、文化的なコンテンツを見るときに教養とまでは言いませんが多少の雑学というか予備知識があるとさらに楽しめることってあると思うんですよ。特に真空ジェシカさんと竹内ズさんは00年代を駆け抜けたオタクならニヤりとしてしまうような、いわゆるニコニコ文化圏の知識があると楽しいネタをやられている印象があります。まんまと好きになっちゃいます。
というか、真空ジェシカさんは良くも悪くも観客が“分かっている”ことを前提にされている漫才が多い気がします。メタネタとか。そういった意味では真空ジェシカさんの2本目はまさに真骨頂と言った感じでした。どこが面白かったかというのを観客に説明する、という禁じ手すらもオチへのフリにしてしまう大胆さ!
ライブ冒頭の世界からのサプライズ動画だってそういうネットミームだと知っていなければ訳が分からないし、その後ネタ中に若干伏線を張りつつドンココさんたちできっちりパロディをしているのも流石としか言いようがありません。
竹内ズさんのネタはもちろんそうでないものもありますが、どこかに死や暴力があってそれがハピツリくらいの感覚で現れているのが大好きです。今度ディズニーランドに行くんですが、そのときに2本目のコントがチラついちゃったらどうしよう。ピカピカのやつ……。
これはTwitterでも少し書きましたが、4本目はそれぞれ真空ジェシカさんがコントを、竹内ズさんが漫才をしていたんですがそれが本当にすごかったです。どちらもKOCやM-1の予選で見ていたら衝撃でしばらく他のネタの内容が入ってこなくなってしまうのではないかというくらい。とても良いものを見ました。
竹内ズさんの漫才のつかみと終わりはお二人の仲が悪いことが周知の事実であることから成り立っているものですが、それにしても「死ね」で終わる漫才なんてすごいですよね。直球の「死ね」に比べたらザ・パンチさんの「お願い、死んで〜」なんてどれほど丁寧なんだろう。ちゃんとお願いしてますからね。
夢の島志念公演
夢の島「志」念公「演」なんですよね。例によってTwitterはツイート数縛りをしているので当該ツイートは消してしまったんですが、元ネタに引っ張られて公園と表記してしまっていた投稿がありました。観終わった後に「ああこれ『演』じゃないとダメだな……」と感じ、反省。
タイトルからしてそうですがライブ中も『2D OR NOT 2D』『地球ネコ』『舵をとれ』など平沢進やP-MODELの曲がたくさん流れていてすごく良かったです。完全な余談ですが先述した予備知識の話と少し関連して、『2D OR NOT 2D』という曲名がハムレットの有名なセリフ “To be, or not to be“ をもじったものだと気付くのに数年かかりました。世の中知らなくてもいいけど知っていた方がなお良いことだらけだなと実感した出来事です。
OP映像がとにかくかっこいいので観てほしいんですが、それによると小松さんが「咆哮」、永田さんが「孤独」、ぴんくさんが「虚構」とのこと。ぴんくさんの「虚構」はもうその通りだと思いますし、小松さんと永田さんのフレーズもイメージに合っていると思います。でも小松さんのネタって演説っぽいなとも思っていて。今回のライブで言えばどちらかというと永田さんのネタの方が魂の叫び感がありました。
小松さんがピンになってからのネタを拝見するのはこれが初めてだし、銀兵衛時代の漫才をたくさん見てきた訳でもないのですが、当時から小松さんの演説を聞いているような感覚で彼らのネタを受容していました。ただ、以前は生徒会長の演説だったのが今は政治家の演説になっているみたいな、そういった趣向の違いは感じます。
はっきり言って小松さんのネタは私には難解だったんですが、理解に時間を要する部分は何回か巻き戻して確認できるのが配信ライブのありがたいところですね。理解した上で面白くないと思う分には好みとかあるし仕方がないですが、“理解できない=面白くない”としたくはないので……。
永田さんをお見かけしたのが2019年の芸人卓球以来2度目というウルトラにわか状態でしたが、今まで何で永田さんのネタを拝見してこなかったんだろうと後悔してしまうほど面白かったです。1本目も2本目も徹頭徹尾好きでした。それはもう猛烈に刺さりました。
正直地上波や多くの人の目に触れる場所で披露できるネタではないのですが、だからといって下品かと言われるとそうではなくむしろ文学作品のような品の良ささえ感じます。私小説や増田文学を読んでいるかのようです。己の性欲や劣等感など決して綺麗とは言えないものたちが、非常に清冽な水の中にぷかぷかと浮かんでいるような、そういう不思議なものを見ている感覚になりました。
ぴんくさんは本当にいつどのネタを拝見しても全て面白いので、いつか独演会に行ってみたいなとずっと思っているんですが毎回予定がつかなくて悲しいです。(次回もそう) 一個一個がこんなに素晴らしいのに全部一気に拝見したらどうなってしまうんだろうな。
本当に良かったんですけど、ネタについてお話されているパートがマジで全然聞き取れなくてそれだけ残念でした。(音量上げても環境音も一緒に大きくなるので) お三方のお笑いやネタに対する姿勢はめちゃくちゃ知りたかったです。
以上です。結構長くなってしまいました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?