2023/05/26 ザ・ギース単独ライブ2023「neu(ノイ)」
この記事を書くためにnoteを久しぶりに開いたら最後の記事が2022年5月でまた一年以上更新してなかったのか……と己の筆不精さを再確認しました。
ここ一年間で、ここ数年では一番推していたコンビが解散してしまったり、身体を壊したり、会社を辞めたりとまあ色々とあったんですが、とりあえずは無事に生きています。
相変わらずお笑いから遠ざかり気味な日々は続いていますが、ザ・ギースさんの単独は這ってでも行くという信念があるため今回も母親と一緒に観てきました。
以下感想です。
※全体的に長いです!コントのタイトルはテキトーです!役名は聞き取れたものに関してはカタカナ表記にしてあります。
●OP
会場中方の出入り口から聞き慣れた声が聞こえてきます。どうやら、このライブを観にドイツからはるばるやってきた熱烈なザ・ギースファンの外国人という設定のようです。今までの単独のように公演中の諸注意を言っていくのかと思いきや、どちらかといえば今までの公演で起きたことやボヤきを言っていく感じでした。「4日目は疲れのピーク」とか、「昨日観に来ていたせきしろさんが『尾関がフワフワしていた』って言ってた」とか。恒例の噛んでる噛んでない論争も。
二人が演じるドイツ人というのが付け鼻+欧米アクセントという超ステレオタイプで「えー……」と思っていたところ、「今はこういうのも良くないから」と後半は付け鼻を外していました。そこも含めてフリだったのかと納得する一方で、ハラハラさせないでくれよ!(泣)とも思ってしまいました。ここでポリコレ系の話をしてもしょうがないのですが……。
余談ですが、ちょうどお二人が会場に入ってきて舞台に歩いてきたくらいのときに比較的大きな地震がありまして、母親がしばらく「地震?怖い」と小声で怯えていました。後で分かったことですが東京は震度3だったみたいですね。
●OP映像
公演中に書いていたメモには「ビデオテープミュージック風?」とあったんですが、今思い返すと別にそんな感じでもなかったかもしれません。ビデオテープの映像なんて無かったし。(自分の感覚が当てにならなさすぎる) とにかく、近年流行っているニューレトロっぽい雰囲気で色味とかがポップで可愛らしい印象でした。
●同窓会
同窓会の会場の喫煙所で久しぶりに再会したミノワ(演:尾関)とサエジマ(演:高佐)。医師として順風満帆な人生を送るサエジマとは裏腹に、ミノワの人生はというと……。今回はクイズという形式でしたが、自分の人生に悲観して少々ヤケを起こしている尾関さん演じる人物・他愛もない遊びの中で展開される身の上話、という要素は1st DVD『Dr.バードと優しい機械』に収録されている「退屈なフライト」を彷彿とさせます。しかしネガティブだった同コントと比べるとこちらは割とハッピーエンド。
●婚活パーティー
これは色々書いてしまうとネタバレになってしまうし、ネタバレした状態で観ると面白さが結構損なわれそうなコントなので詳しくは書きませんが今回の単独で一、二を争うほど好きでした!是非これでKOCに殴り込みをかけてほしいという勝手な願望。ネタバレにならない範囲の感想としては、高佐さんが美脚でした。
●インタビュー
尾関さん演じるソフトテニスの日本代表、船本(フナムシの船に河原に落ちているエロ本の本、というのが本人談) にインタビューを行うも、先程のありえない自己紹介からも分かる通り船本選手は超超超卑屈!彼の突飛な言動に振り回されるインタビュアー。しかし、「松戸は台所の三角コーナーみたいなところ」など時々卑屈では済まされないワードも飛び出し、終いには……。
アフタートークによると、程度は違うもののあの卑屈な感じは割と普段の尾関さんそのままだそう。確かにちょっと失言が混じるのもらしいっちゃらしいかも。
●時間停止
ダブルデートのような形式で開かれた宅飲み。時間停止能力を習得した男(演:高佐) は、もう一組の男女が買い出しへ行き部屋では自身と憧れの先輩(演:尾関。長谷川京子似のイイ女)の二人きりの状況になったことを利用して良からぬことを考えます。しかしなかなか一筋縄では行かず……。テレパシー、サイコメトリー、テレポートともはやお馴染みとも言える超能力コントシリーズです。「(尾関の)前歯が消しゴムみたい」というパワーワード。
ちなみに、このコントに入る前の幕間公開着替えで尾関さんがやたら何かを探しつつも見つからなかったのか諦めたように袖へ戻っていってしまった一コマがありました。恐らく状況的にカツラを探していたのかもしれませんね。
●雪山
恒例の一発ギャグコーナー。公演が始まる前に母親が「今回は一発ギャグあるかなあ?」と言っていましたが、あったよ!一本目から長くスベる高佐さん、ネタが飛んで死亡した尾関さんとのっけからアクセル全開でした。
尾関さんに至ってはネタ中に一度暗転してしまい、「ウケなかったのは途中で照明が落ちたせいだ!」と不満をぶちまけるも、「ちゃんと打ち合わせをしないからこうなるんだ!俺は打ち合わせのときからスタッフさんの前で長めにスベってる!」と高佐さんは激怒。高佐さんのプロ意識を感じると同時に2回も同じ長尺ネタでスベってるなんて……と恐ろしい気持ちに。
さらに尾関さんは最初飛ばしてしまったネタにもう一度挑むという禁じ手を使い見事に爆死。また、殴るシーンがあったのですが尾関さんが誤って高佐さんにヒットさせてしまったようで「本当に殴ることないだろ!」と高佐さんが叫んでいたのが不憫だけど面白かったです。
ウケた場面もあったものの今回は全体的に両者とも大スベり、やらかしが目立ったような印象。でもそこが一発ギャグコーナーの醍醐味だと思っているので、とても楽しかったです。
●食レポ
とあるラーメン屋にて、食レポをこなすタレント(演:尾関)とラーメン屋の店主(演:高佐)との間に起きた出来事を描いたコント。冒頭尾関さんが容器から割り箸を全然取れなくて手こずるとか、「12本撮りの12本目」など面白ハプニングや面白ワードもあるのですが、何と言ってもこのコントの見どころは高佐さんの素の面倒くささが爆発しているところ。招待などで来てくれたお客さんの面白いという感想が本当かどうかに非常に敏感な高佐さん。「多分本当にこういうこと言われたんだろうな」と想像できるリアルで細かい愚痴が止まりません。
あと全然ネタの内容には関係ないんですが、尾関さんが着けている蝶ネクタイの色合いとデザインがドオーというポケモンみたいで可愛かったです。
●銀行強盗
やったー!!えっちなネタだ!!
初めて銀行強盗をしに来た男(演:高佐) が銀行員の女(演:尾関) に手取り足取り色々と教えられていきます。「時間停止」のときは「こいつが長谷川京子似な訳ねえだろ!」と設定に入り込めなかったのですが、何故かこちらの方は見れば見るほど尾関さんがイイ女に見えてきてドキドキしてしまいました。朱肉で紅をひくシーンとか、なんて艶っぽいんだろう……と思いました。
●ドッジボール居酒屋
会社員の男(演:高佐)が最近ハマっている居酒屋にて行われる独特なサービス、“投げ放題”。店員と本気のドッジボールを行いぶつかったらペナルティメニューが追加され、逆にぶつけたら次回から使える少額のクーポンがもらえるというあまり割に合わなさそうなルールのもと、白熱した戦いが繰り広げられます。
今までもネタ中にガチでベンチプレスやショットガンタッチをやって己を追い詰めてきたザ・ギースさん、今回も当然本気でドッジボールをしています!たまたま最前列で観ていたのですが、客席前にネットを張ってもなおボールが飛んでくるなどとんでもない臨場感で最高でした!最前列で良かったなあ。
おじさん二人が舞台上で真剣にドッジボールをしているだけでも十二分に笑えるのですが、「(退場時の背中に当てる)非紳士的行為」や「ピザセーフ」のようなドッジボールあるあるに絡めた言葉のセンスであったり、熱くなりすぎて普通に「死ね!」といった暴言が飛び出したりする状況が本当に面白かったです。
●待ち合わせ
お互いの夢のために別離したカップルが「10年後の今日、もし覚えていたらまたこの公園で会おう」という約束をし、そしてその期日がやってきます。公園にやってきた男(演:高佐)はベンチに座りながら元恋人を待つのですが、そこに現れたのは待ち侘びた女性ではなく……?
正直ドッジボール居酒屋がラストだと思っていたのにまだもう一本ある時点でびっくりしたのですが、それに負けないくらい濃いネタでとても良かったです。こちらもネタバレすると面白さが半減しそうなのであえて伏せますが、尾関さん演じる人物が本当にツボでした!ヤバい奴の解像度が高い!全編通してほぼずっと狂っているのに最後はちょっと余韻を持たせてくる感じもずるい。
それと、劇中で何度も流れる強烈な音楽があるのですが、それの作曲が涼太氏らしくやっぱり天才だ!となりました。
●感想など
ザ・ギースさんの何がすごいって、20年目に突入しても良い意味で若手のようにがむしゃらにコントと向き合っていることだと思うんです。それこそ、20年なんて言ったらTHE SECONDに出ていてもおかしくないような芸歴ですし。(キングオブコントに芸歴制限が無いのは良くもあり悪くもありますが……)
これは私の個人的な考えですが、「こんなの漫才じゃない」という論争はよく見るけれど「こんなのコントじゃない」というのはまず単語からして聞いたことがありません。それくらいコントって自由だし何でもありな気がします。でもその分コントは漫才と比べると常に新しい設定や捻った展開を求められていると思います。
いつぞやの反省しないで高佐さんが「新しくて面白いことをやり続ければキングオブコントで優勝できる」みたいなことを仰っていて、そのときは「当たり前だよ!」みたいなツッコミを受けていたと記憶しています。(たぶん)
でもそれを実行に移すのはどんなに大変なことか。ましてや20年目の今は単に情熱だけで突っ走れない部分だってきっとあるでしょう。でもできる範囲で新しくて面白いことを全力で模索して、使えるものは何でも使って……という泥臭いところが本当に大好きです。今回の単独ライブもそうした面が存分に発揮されていて、いつだってそのときが一番面白い!というのをザ・ギースさんは見せてくれます。
ライブ本編以外の感想だと、今回のグッズはめちゃくちゃ良かったですね。Tシャツは自分に似合う色ではなくて持て余しちゃいそうなので見送ってしまったんですが(でも刺繍のデザインとか本当に可愛かった!)、ホテルのルームキー風のキーホルダーは買いました。
ライブ2日目へ行っていたフォロワーさん曰く「キーホルダーは100個しか作っていなかったけど1日目で40個売れたらしい」とのことだったので、4日目は残ってるのかちょっと不安だったんですがまだ残っていてよかったです。結局受注生産になったみたいですがやっぱりすぐ手元に置いておきたいので。
母親とザ・ギースさんの単独ライブに行くのはもはや恒例となってはいますが、そもそも母親は未だにお笑いはあまり好きではないので、つまらないものにはつまらないとハッキリ言うし、分からないときは分からないとちゃんと文句を言います。でもそんな母親が終演後しきりに「面白かったねー!」と言っていたのできっと母親も私と同じ気持ちでいてくれていたんだと思います。(終演後に入ったお店がイマイチだったみたいでそっちの文句はずっと言っていました)
コロナ禍を経験して、誰かと実地で感想を言い合えることの喜びをより噛み締められるようになったので、来年も是非母親と単独ライブを観に行きたいです。
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