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私の永遠のアイドル、最後の勇姿

いまだに留学先の大学からアプリケーション書類が来てません。不安で流石に大学にメールしたほうが良いのでは、、と思い始めてるCHEEです。

先日、私の愛するサッカークラブであるBorussia Dortmundから一つの投稿が。マルコロイスが契約延長をせず今季限りを持ってクラブを退団する、と言うものだ。
1989年生まれの彼は幼少期の頃から生粋のドルトムンターで試合のエスコートキッズとしてヴェストファーレンのピッチに立つことも。ユース時代から長年ドルトムントで過ごしていた彼は16歳の時に当時3部にいたアーレンに放出されてしまう。彼にとっては大きな挫折の1つだっただろう。しかし3部での実戦経験が功を奏し、決して恵まれない体格ながらも持ち前のスピードと創造性を武器に徐々に名前をドイツ中に広めていった。2009年、ドイツの強豪ボルシアメンヘングラードバッハに移籍する。そこでの目覚ましい活躍のおかげで2012年に愛する黄黒のクラブのジャージを身に纏って帰ってきた。そこからの活躍は言うまでもないだろう。ドイツ年間最優秀選手を2回、DFBポカール制覇2回、ドイツスーパーカップも2回制覇。リーグタイトルこそ取れてはいないものの、彼の力は偉大であると言わざるを得ない。
サッカーを知っている人であればご存知だと思うが、彼は大きな大会の直前での大怪我に泣かされることが多く”ガラスの天才”なんて言われている。幾度となく怪我をし、その度に復活して帰ってくる。バイエルン、バルセロナ、レアル・マドリード、マンチェスターUnited、City、PSGと数えきれないビッグクラブからのオファーもあったが、その度にクラブに対する愛を示しファンに安心感を与えてくれた。
そんな不死鳥の如く蘇り忠誠心を誓ってきた天才と今季でお別れ、誰が予想していただろうか。今季は途中出場も多く、ドイツ紙の記事でもクラブは延長するつもりもないとの報道が多く目立ち、ファンは当然ながらクラブのフロントを猛烈に批判。正直どっちの気持ちもわかる。彼こそがドルトムントの象徴でありレジェンド。引退はドルトムントでさせてあげたいし、彼の満足行くまでドルトムントでサッカーをやらせてあげたい。でもクラブも将来を考えないといけない。ケールがSDになってから実力主義チックなクラブとなったのでそれをロイスにも適応したまで。ある意味フェアなのだろう。正直まだ全然書き足りないけど、これ以上書いてもダラーとした文章になっちゃうのでこの辺で終わらせる。

Marco Reus ヴェストファーレンでのラストマッチ

試合前からスタジアムの熱量は凄まじく、アップでロイスが入場する瞬間の歓声は画面越しでも地響きのような震えを感じた。
ブンデスリーガ最終節 最下位で既に2部降格が決まっているダルムシュタットをホームに迎えた一戦。5位ドルトムントも4位RBライプツィヒとの順位変動が起きないため、正直そこまで本気で戦う必要は無かった。でもロイスのためなら話は違う。テルジッチ監督は先発でキャプテンバンドをロイスに託すことにした。この日の実況は安井さん。おそらく今いるサッカーの実況者の中では一番ブンデスに精通している人だと思っている。なのでこの起用は個人的にとても嬉しかった。

さぁ、選手入場だ。大音量のHEJA BVBとともに名物南スタンド2万5000人黄色い壁によるコレオがでてきた。

偉大な11番の背中とロイスに対する感謝のコレオ
DANKE MARCO! (ありがとう、マルコ!)

安井さんの実況も相まって選手入場の段階で私は大号泣。止めたくても止められない。大好きな選手とのお別れがここまで苦しくて寂しいものだったろうか、、、
でも彼の姿を目に焼き付けるために瞬きは厳禁だ。もう正直テルジッチのサッカーに期待するものはないのでとにかくロイスのサッカーを楽しむことに。
前半から果敢に攻めるドルトムントは10分、サンチョのマイナスクロスに走り込んだロイスが得意の形からダイレクトシュート。これは惜しくもクロスバーに阻まれる。立て続けに28分にサンチョから次はザビツァー。このシュートもクロスバー。しかしこの跳ね返ったボールを素早く回収したマートセンが魅せる。ロイスとのワンツーで少し余裕の生まれた隙に素早く左足を振り抜いた。この素早いグラウンダー性のボールはゴールの隅へ。ドルトムントが先制し1−0。ロイスに1Aがついた。
そして36分、ペナルティエリア手前でロイスが倒され絶好の位置でFKを獲得する。もちろん蹴るのは1人しかいない。数日前のインタビューで記者から『君のホームでの通算ゴールは現在99だ。』と言われた彼は『もちろん点を取りたい』と公言。
自身のホーム100点目を取る最大のチャンスでこの男がやってみせた。彼の右足から放たれる球は綺麗にゴールに吸い込まれ見事な追加点を獲得。『彼が愛したスタジアム、そして愛されたスタジアム』で偉大な記録を作った。サポーターだけでなくチームメイト含めた全員が幸せを感じた瞬間だっただろう。この幸せな空間を少しでも味わえたこと、画面越しとはいえとても誇れる貴重な経験だ。

いつものやんちゃな彼の笑顔、アディエミやサンチョとのセレブレーションが画面に映し出されると彼と今までのパートナーの姿がフラッシュバックされた。ゲッツェやレヴァンドフスキ、オーバメヤンにムヒタリアン、我らが香川真司はもちろん、最近でいえばハーランドやベリンガムの影も見えた。彼は数多くの才能の持ち主と共闘し、存在が彼らに隠れることなく素晴らしいコンビネーションを見せてくれた。ロイスがいるからドルトムントに移籍すると決心した選手だっていた。数えきれないほどの貢献度に対して我々はなんと賛辞をおくるべきだろうか。今までの全ての功績、感謝に対して鳴り止まないロイスコール。ノビーも最後のロイスコールということもあってか気合いが入ってた、ありがとう。

後半も追加点を取り迎えた82分、とうとう来てしまった。
彼がヴェストファーレンとお別れをする時だ。スタンディングオベーションと同僚たちによる花道によって彼は愛するドルトムントのスタジアムに別れを告げた。

彼のいる間にドルトムントに興味を持ち、好きになり、そして何よりMarco Reusのプレーを見れたことに心から感謝したい。てっきりドルトムントで引退すると思ってたので退団することに対してまだ実感が湧かない。来シーズンのスカッドにも入ると勝手に思ってる。悔しいし悲しい。

しかし、最後に

忘れてはならない、我々はCLファイナリストだ。ロンドンにある聖地ウェンブリーのピッチに立つ資格があるのだ。立ちはだかる相手はCL優勝14回を誇る絶対王者スペインのレアル・マドリード。失うものはない。
思い返せばミラン、ニューカッスル、PSGと死の組と言われるグループでまさかの首位通過を果たし、世界中のサッカーファンを驚かせた。
ベスト16では当時リーグ無敗独走中のPSVにさえ勝てるか怪しいと言われた。
ベスト8はスペインの強豪アトレティコ•マドリード。シメオネ率いる長期政権の堅守なチームに誰もが敗退するだろうと思われていた。それでも劇的逆転勝利で再び世界を沸かせた。
そしてベスト4、もう一度パリとの再戦。エムバペはおそらくPSG選手として最後のCLチャンス、相当気合は入っていたはずだ。運には救われたものの怯えることなく戦い続けた結果が実を結び運命の一戦へと駒を進めた。幾度となく世界中のサッカーファンの予想をひっくり返し、約11年ぶりのファイナル進出。ロイスもフンメルスも前回涙を飲む結果となった。ここでリベンジしないでいつするんだ。今大会、一貫していた『チャレンジャー精神』を忘れず、120%の力を出せれば勝機はあると思っている。ロイスがドルトムントの選手として戦う本当に最後の試合だ。盛大に送り出してやろうじゃないか。クロースの引退やナチョの退団など知ったこっちゃない。

前回の悔しさを知る人たち

さぁ、愛するレジェンドと11年越しに忘れ物を取りに行こう。

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