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私の夢の叶え方

少し前に仕事で夢が叶ったと思うことがあった。
気づいたらいつの間にか叶っていて、そういえば私はずっとこんな光景に憧れてきたとふと気づいた。

そんな風に、夢はある日突然ドラマティックに叶ったわけではなかった。

そこに来るまで、好きなことを仕事にして、それをただひたすら毎日こつこつとやってきた。
初めは簡単にできなかったことが毎日続けるうちに当たり前にできるようになり、そうなるとまた新たなチャレンジがやってきた。

それは、楽しいことばかりではなくて、苦しいことや辛いこともたくさんあった。華やかではなくて、とても地味な毎日の繰り返しだった。

20代はいろんな仕事を転々としてきた。
私は飽きっぽくて、一つのことを長く続けられない人間だと思っていた。

けれど、好きなファッションを仕事にしてから、私は苦しくてもそれ以外の仕事をしたい思ったことはなかった。
いろんなことがあっても続けられたのは、ただただ、好きだったからだ。

それは、ファッションの中にいつでもときめきを見つけることができたからで、一つクリアしたらもっと先を見てみたくなったからだ。

私は10代後半からファッションが大好きで、当時はまだ民放でハイファッションのコレクションを放送する番組があって、それを毎週深夜に見ていた。本屋さんではランウェイを特集する季刊誌を長時間立ち読みした。
田舎に住んでいた私はメディアでしか見ることができない遠い場所にある、美しいファッションの世界に憧れていた。

その当時はまさか私がその場にいられるようになるとは思ってもみなかった。

目眩くように、ドラマティックに叶った夢では無かったけれど、私はそれを見ながら静かに感動していた。美しくて、華やかで、繊細で、力強くて、そして自分がこんな素晴らしいエネルギーあふれる場にいることに胸がいっぱいだった。

私は夢を叶えようとして、この仕事を選んだわけではなかった。目標を立てて、そのために歩みを進めていくというのは苦手な方だ。

私はただ目の前の好きを追い続けていたらここにきていた、という感じがする。

夢が叶ってからもまた、いつもと変わりない日々が続いていく。その中には辛いこともあるだろう。そして、私はその普通の日常の仕事の中に、変わらず"好き"の輝きを見つけて、まためげることなく歩いていくだろうと思う。

私にとっては夢って大きくジャンプして掴み取るものじゃなくて、好きなことを日々積み重ねて、ふと前を見たら目の前にあるものだった。

それは、道の途中の褒美のようなもので、これからもまた私はこの道を歩き続けていくだろう。

私はこの仕事を始めるまで、積み重ねていくことの凄さを知らなかった。その地味で華やかでもなんでもなくて、時間のかかるものは、いちばん私の力になった。
その積み重ねた時間は決して消えることがない。そのことの素晴らしさと力強さを実感している。

これからも私はそれを続けていくだろうと思う。
そしてそれは、私のいちばん揺るぎない自信になるだろう。

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