【展覧会】強制収容所博物館
2018年12月10日に、強制収容所博物館がオープンしました。
2023年は、5周年です。
以前に、たびこふれの記事でも紹介したことがあります。
今日は、この強制収容所博物館の中の様子を紹介します。
展示はドアから始まります。
1つずつどこの収容所のドアか、ということが、ロシア語と英語で書かれています。
展示室内は、収容所の中をイメージしているのか、照明が暗いです。
上のドアを裏から見るとこんな感じです。
階段を下りて、1つ目の展示室には、ソビエトの初めての収容所です。
1920年代初めのモスクワの地図です。この地図をよく見ると、鉄道がぐるっと囲んでいますが、このぐるっと囲んでいる線路は、今のМЦКの線路です。
2部屋目の展示室です。
3部屋目の展示室は、ソロヴェツキーの収容所です。
ソロヴェツキー島の地図です。
ソロヴェツキー島の絵葉書です。ソビエト時代は、もともとあった修道院の玉ねぎ屋根とその上にあった十字架を壊したので、玉ねぎ型のドームがない屋根になっています。
この絵もそうです。2つだけ玉ねぎ型のドームが残っているけれども、あとは、すべて玉ねぎ型のドームが壊されています。
ソロヴェツキー島の当時の写真の展示もあります。アルバムになっていて、1枚ずつめくって見ることができました。ただ、他の人が見ていると、少し待つことになりますが、貴重な写真なので、待ってでも見る価値はあります。
こちらも上のスクリーンで映像が流れ、下の部分は、アルバムになっていて、1枚ずつめくって見ることができます。時間がかかるけれども、この展示は、ソロヴェツキー島よりも充実しているので、見た方がいいです。
5部屋目の展示室は、白海運河建設です。
ソロヴェツキー島の囚人が、白海運河を作ったのは、知っていましたが、その囚人の中に日本人がいたことを、この博物館で初めて知りました。
写真を見れば、分かるでしょう。勝野金政さんという人です。1933年から5年間収容されていました。
勝野さんが日本に帰国後に書いた本をロシア語に訳した音声を訊くことができます。
別のスクリーンでは、勝野さんの写真が映し出されていました。
ここからは、映像を見ながら撮った写真を紹介します。
白海運河の建設模型もあります。白海というのは、ロシアの北の方の海で、夏でも水温が低くて泳ぐことができない海です。
運河を造るのに使った道具です。重機など使わず、人力です。
そして、この展示室に入った時に、異様な空気を感じました。
足元には、数えきれないほどたくさんの断薬があります。
銃殺するのに使ったのと同じ数だけの断薬です。
スターリン時代に、1日にどのくらい銃殺したかという記録も展示されています。
これを見ていたロシア人が、「恐ろしい」「悪夢だ」とつぶやいていました。
ソルジェニーツィンに関する展示もあります。
モスクワのコムナルカの展示です。モスクワで処刑された人の集団埋葬地の1つです。
窓が少し開いているところがあったので、写真を撮りました。収容所をイメージして、光が入ってこないような作りになっています。
ソルジェニーツィンの奥さんもこの博物館の設立に協力しています。
そして、スターリン時代には、強制移住というのも行われていました。
これは、沿海州(ウラジオストクがある地域)に住む朝鮮族の人たちが、中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタンなどに強制移住させられたことが分かる展示です。
私は、何かの本か映画でこのことを知っていましたが、2016年にこの強制移住に関するドキュメンタリー映画を見ました。
【ホームページ】
毎月第3週(15日のある1週間)の火曜日は、入場料が無料になります。
【最寄り駅】
ツヴェトノイ・ブリヴァール駅(9号線・灰色の地下鉄)とドストエフスカヤ駅(10号線・黄緑の地下鉄)からも同じく徒歩15分です。
【ソロヴェツキー島の収容所に収容された人の関連記事】
【ソロヴェツキー島の記事】
【12月10日の過去記事】