2022年7月観て良かったYouTube動画
こんばんは、チェ・ブンブンです。
7月はめちゃくちゃ面白いYouTube動画をたくさん見つけたので紹介していきます。
1.【検証】47都道府県でどれが1番キレイに着地するの?(おめがシスターズ)
VTuberの動画は基本的に平面的であり、3Dライブになったとしてもそこまでカメラは動かないイメージがある。その中でも「おめがシスターズ」はVTuberとして何ができるかを突き詰めていると言える。
ヴァーチャル空間を利用して、かつてのトリビアの泉やテレビの大型特番でやるようなことを個人でやってのけてしまう作品はインスピレーション掻き立てられる。「巨大野球盤で試合をする」、「はるか上空から球を落とす縦ボウリング」、「ヴァーチャルの世界でエスカレーターに乗るときのフワッとした感覚を再現できるのか」などといった意欲的な作品を発表している。
さて、その中でも群を抜いて斬新だったのが、「2mの高さから都道府県を落として傾きを調べる」という動画だった。まず、都道府県を落としてみる発想が面白い。そして、現実空間なら空気抵抗などの影響を受けて平等な環境で調査することは難しい。だが、物理法則を制御できるヴァーチャル空間であれば同一条件で検証することができるのだ。
そして実際に落としてみると、意外な結果になる。発想力とその結果の意外さ、双方で成功している動画と言える。
2.朝のピーナッツくん体操〜Special Live〜(ピーナッツくん!オシャレになりたい!)
ピーナッツくんは3年前に3Dライブを行なっているのだが、朝っぱらから高カロリーなライブとなっており衝撃を受けた。ピーナッツくんといえば、元々はアニメをアップしていた方だ。ピーナッツくんをはじめ、コバルト田中、デニムくん、レオタードブタが次から次へと現れて、歌い踊る奇抜さがクセになる。デニムくんが米津玄師「Lemon」と「Flamingo」を歌うのだが、段々と近づいてきてカメラに向かって接吻を始める場面には戦慄した。ギャグ枠から一転、レオタードブタが歌うと、フリースタイルラップを始める。このテクニックの高さに驚愕させられる。ここまで、様々なアバターとシンクロしてVTuberとして現出させていくVTuberはいるだろうか?唯一無二のクリエイターであろう。
3.ピーナッツくん - PetbottleRocket (Prod. nerdwitchkomugichan)(ピーナッツくん!オシャレになりたい!)
ピーナッツくんの楽曲「PetbottleRocket」のMV。ワンマンライブ「Walk Through the Stars Tour」で初お披露目となった本作は夏を感じさせる爽快さがありつつ、VTuberならではの世界観を体現している。
夢で見たかつてのペットボトルロケット。夢は自分の意思で動いているようで、自由には動けない。起きて部屋の中で、相方ぽんぽこさんと一緒に動画を作ることで広い世界に飛び出す。ペットボトルロケットの想像力で大きな大きなロケットを作ることができると画は語るのだ。部屋という狭さは閉塞感と直結しそうだが、VTuberにとっては自由への、大海原への入り口だと再定義している。
名取さなさんの「モンダイナイトリッパー!」もそうだが、今や足を使って肉体的に遠くへ行くことと同様インターネットを通じて精神的に遠くへ行くことも重要視される時代と言える。本質的に人間にとっての豊かさは精神的なものであり、それは肉体的行動、精神的行動どちらからでも得ることができる現れである。
4.明るさの設定を間違えすぎたガジェットyoutube(ダンダス)
ガジェット紹介YouTuberのモノマネを模したコント。「常闇ライト」というネーミングセンスの面白さ。そして画面が真っ白になりほとんど見えなくなりながら商品紹介するのだが、肘を強打する。そして、それすらも美味しいと画面に魅せるのだが血が見えない。
「めっちゃ血が出てて草」とテロップが出るのだが、面白いことにテロップがテロップとして機能している。バラエティ番組やYouTube動画におけるテロップの出し方は、言葉で話していること、画を見て分かることを説明してしまう。補助機能としてのテロップの役割は全く果たされていない。しかし、この動画においては血が出ている情報が画から観測することができない。「めっちゃ血が出てて草」というテロップが、画からは分からぬ情報を説明しており本来のテロップの役割を果たしていると言える。YouTube動画におけるテロップを批判的に描いた傑作であった。
5.最終鬼畜なんか小さくてかわいいやつ・T【ちいかわ音MAD】(ぐんま!)
自分が大学時代の頃よくニコニコ動画やYouTubeでMAD動画を観たものだ。「一本満足バー」のCMですら少ない素材を使い回し、独特のリズムを作り込んでいた。さて、「ちいかわ」のアニメもMAD動画化されていた。
ちいかわがヤクルトを飲むと、サイケデリックな映像になり、スフィンクスネタの音を細かく刻み込む。ブロッコリーを食べる音で擦り、今度はブロッコリーを吐き出す音で擦る。左右反転を使う。MAD動画あるある(定石)を押さえつつ、少ない素材で手数を見せていく技巧に興奮した。
6.【通販】最高の環境で運動をするため本格ルームランナーを導入しました。(ぽんぽこちゃんねる)
ぽんぽこさんとピーナッツくんはコンビでユニークな動画を作っている。おめがシスターズ同様。ヴァーチャルと現実を組み合わせて動画を作っている。「Roomrunner!」の楽曲にも繋がる本動画は、平面的になりがちなVTuberの配信に立体感を与えている。ルームランナーの箱を開ける際、前に向かって外箱が落ちてくる場面で空間を立体的にすることに成功した。
また、現実の物体としてのルームランナーの上にアバターを乗せて配信者とアバターを融合させて生み出す独特な挙動を観ると、レオス・カラックスの『ホーリー・モーターズ』の世界が遂に訪れたなと実感する。
さらに、ルームランナーに乗りながらホラーゲーム実況をする時に抱く、感覚の違いについても詳細にレポートされており、新鮮出会った。
7.現役ハッカーが、映画の「ハッキングシーン」の矛盾点を解説【Part2】 | WIRED.jp(WIRED.jp)
映画におけるハッカー描写がどれだけリアルかを解説した動画。映画の良し悪しではなく、映画におけるハッカー描写が現実に即しているかどうかだけを注目して語っているところが良い。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』の終盤におけるコンピュータウイルス描写に関して「通常はブラウザーやフィードを変えるような操作的な攻撃はしない」と語っており、意外とリアルに思っていた描写はそうでもないんだなと感じた。
なお、突然映画に登場するハッキングデバイスに対して、「これは可能だ。このデバイスは僕が作った。」と語るところに吹いた。
8.ちいかわに出てくるキメラのモノマネ(油粘土マン)
油粘土マンさんの短いコントは、編集技術の向上により、もはやサイレント映画のような早さを持つようになった。ちいかわのキメラのモノマネ動画は実際のアニメとシンクロする。油粘土マンさんのパートを踏まえると、ちいかわの世界がいかに物騒かがよく分かる動画になっている。「銃弾で靴磨きをする人」もそうだが、彼のやられる演技の向上も確認できる。
9.【MOTHER2】クライマックスなのか?つよい主人公のぼくでーす!(さなちゃんねる)※シリーズ
名取さなさんのMOTHER2配信シリーズは毎回ギリギリの戦いで面白い。確かに回復が間に合わなかったり、重要なアイテムを持っているのに気づかなかったりもどかしい部分もあるが、コメント読みつつ、ダジャレを放ちつつ、ゲームの世界に没入していく彼女の姿を観ると、凄い情報処理能力だなと感心する。終盤になると、敵の攻撃もとても強くなり一瞬の油断で全滅してしまう様子はRTA動画ではなかなか味わえないものだろう。
名取さなさんの実況にハマるきっかけとなりました。
なお、この記事を書いている時、彼女はギーグと死闘を繰り広げていました。そして、最終決戦の中、彼女がカメラを壊してしまって、立ち絵のアバターを用意しないといけないハプニングが起きてしまう。VTuber動画特有の予測できない配信となっている。
10.RTA in Japan 2020: MOTHER2(RTA in Japan)
RTA in Japanで行われたMOTHER2のRTA。2人の走者が4時間に渡りひたすら駆け抜ける。通常の並走RTAだと、大きく差が出るものだが、このRTAだと最終的に1分差しか出ない。抜きつ抜かれつのデッドヒート、走者の巧みなテレポート爆速移動術。名取さなさんの泥臭い戦いとは違ったMOTHER2配信を楽しんだ。
映画のベスト
1.The Timekeepers of Eternity
2.バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー
3.UN MONDE
4.ミニオンズ フィーバー
5.FROM THE REPORTS OF SECURITY GUARDS & PATROL SERVICES NO.1
6.地下室のヘンな穴
7.サラリーマン物語 新入社員第一課
8.WANDA/ワンダ
9.四月
10.ゴーストブック おばけずかん