祝祭への憧憬
ゴールデンウィークは今のところ満喫しているが、唯一後悔していることがある。それは「フェス」に申し込まなかったこと。新生活や研修のことで頭がいっぱいで5月頭まで考える余裕がなかった。友だちがアップするビバラロックやJAPAN JAMのストーリーを見るたびに、チケットを申し込まなかった自分を叱る。
コロナでしばらくフェスは行われていなかったのであまり考えることはなかったが、あれほど全身でのめり込める祝祭空間をフェスの他に知らない。おそらくコロナ禍の開催なのでディスタンスを保ちつつ声が出せない環境なのだろうが、それでも大好きな音楽を生身で浴びれる非日常的な体験が人生に彩りを与えてくれるのは間違いない。
そんなわけで最近はまた「邦ロック」にハマっている。邦ロックとは日本の音楽J-POPの中でも特にバンドサウンドでかき鳴らされるジャンルのこと、と思ってるけど違ったらごめんなさい。とにかくここではフェスに出演するようなアーティストたちの音楽のことを指している。
中学生の頃から気がつくと邦ロックばかり聴いている。片道1時間かかる登下校中はもちろん、夜中は邦ロックアーティストが多数出演する10代向けのラジオ、「SCHOOL OF LOCK!」を欠かさずに聴いていた。中でも一番好きなバンド「Base Ball Bear」はついにファン歴が10年を越えた。高校の頃は友だちとバンドを組んでASIAN KANG-FU GENERATIONやRADWIMPS、[Alexandros]といった崇拝するバンドたちのカバーをしていた。
大学に入ってからも聴き続けていたがコロナ禍になってライブやフェスにもいけなくなり、家にいる時間が長くなると嗜好が変わっていわゆるロックからは離れてしまった。少し落ち着いたアコースティックな音楽だったり、流行りのシティポップだったり、メロウなラップだったり、血が沸き立つような音楽ではなく家でリラックスして聴ける音楽を聴くようになった。
それがここ数日のフェスに関するSNSでまた変わった。やはり邦ロックからしか得られないエネルギーがあるように思う。久しぶりの感覚に耳が喜んでいる。
そんなことを思いながら気づくと5月後半に開催されるフェスのチケットを購入していた。時に自分の衝動的な行動力が恐ろしくなる。