助けて欲しかった…
以下1/4日経夕刊社会欄から抜粋。
’24年元旦、石川県志賀町を震度7の地震が襲った。親族の家にいた当時5歳の中川かなとちゃんは、石油ストーブの上のやかんが倒れ、お尻に熱湯がかかった。尻がただれ、母親の岬さんは慌てて、救急車を呼んだが「やけどでは出動できない」と断られた。自走でなんとかこぎ着けた金沢医科大病院では「軽傷ではないが重症でもない」と、入院できず、泣き続けるかなとちゃんとロビーで一夜を明かした。3日朝、41度を発熱。再び病院に向かうも待機が続く。診察直前に呼吸が止まり、集中治療室に入ったが目を覚ますことなく5日に息を引き取った。痛がるため患部に触れられず、一度もだっこできなかった。かなとちゃんを診察した男性医師は、1月9日取材に対し「対応が正しかったかどうか時間をかけて検証する」と述べた。12月中旬になっても病院から母親岬さんには何の連絡もない。
やけどの痛みで鳴く息子と病院のロビーで過ごした夜の母子のむなしさを思うと、私はその救急隊と医師を受け入れることはできない。