VPoP兼デザインマネージャーに聞く、いまChatworkでデザイナーとして働く面白さ
こんにちは。Chatwork プロダクトデザイン部 UXデザイン・リサーチチームのリーダーの仁科です。
少しずつ暖かくなってきましたね。私は趣味の家庭菜園でジャガイモを育て始めました。蒸したてをマヨネーズのCMみたいに食べるのが楽しみです🥔
さて、久しぶりになってしまった「Chatwork プロダクトデザイン部のマガジン」ですが、1月から新年度を迎えて経営戦略がアップデートされ、プロダクトデザイン部を取り巻く組織体制もいくつかアップデートがありました。
今回の記事では、新戦略や体制変更によって変わった点、今までの良き文化を残している点などを、新マネージャーの海老澤と一緒にお話ししていきたいと思います!
この記事に登場する人
新しい組織体制について
仁科:海老澤さん、このChatworkデザインマガジンには初登場かと思います。まずは海老澤さんの現在のお仕事内容を伺ってもいいでしょうか?
海老澤:はい。初めまして、海老澤です。
私はこの2024年の1月から、ビジネスチャット「Chatwork」のVPoP、プロダクトマネジメント部のマネージャー、プロダクトデザイン部のマネージャーと、3つの役割を兼務しています。
現在Chatwork株式会社には、下記の3つの戦略に基づく組織があります。
(1)ビジネスチャット「Chatwork」の成長を推進する「コミュニケーションプラットフォーム本部」
(2)顧客企業の業務プロセスを巻き取り本質的なDXを後押しする「BPaaS本部」
(3)自社のデータや技術力を駆使して新規事業を創出する「インキュベーション本部」
去年までは(1)(2)を兼務しながら、主に「BPaaSプロダクトの立ち上げ」を推進していたのですが、今年からビジネスチャット「Chatwork」のプロダクト責任者としてプロダクトの更なる成長のために、プロダクト戦略の策定、予算調整、人員配置などを統括しています。
出典元:Chatwork、中期経営計画2024−2026を発表
仁科:去年からスタートした新事業「BPaaS」を理解した上で、事業同士の連携はもちろん、ビジネスチャットとしての「Chatwork」の成長をさらに引き上げていく役割なんですね。
海老澤:そうですね。
また、プロダクトマネージャー(以下PdM)、プロダクトデザイナーの合計15名ほどのマネジメントも担当しています。
実はデザイナーをマネジメントするのは今回が初めてのチャレンジなので、試行錯誤しながら取り組んでいます。
私のこれまでの経歴については下記で触れてもらっているので、キャリアについてご興味を持っていただけたら下記もご覧いただけると嬉しいです。
仁科:プロダクト組織を取り巻く環境の変化についても触れられればと思うのですが、今年からマーケティングやセールスなどのビジネス組織と、デザイナー・PdM・エンジニアが所属するプロダクト組織がひとつの本部になりましたね。この部分は組織として特に大きく変わった点かと思います。
海老澤:そうですね。今までは大きく分けてビジネス組織とプロダクト組織で本部が分かれていましたが、シナジーをより強化するために、今年からそれらの部門がすべて同じ本部の所属となりました。
ビジネス組織とプロダクト組織が深い顧客理解をもとに近い距離で協働することで、よりスピード感を持って戦略推進ができることを目指しています。
仁科:私が担当しているユーザーインタビューのリクルーティングも、マーケティングやセールスの部門と一緒に進めた方がスピーディに進むので、すごくありがたいアップデートです。
新マネージャーから見たプロダクトデザイン部の印象は?
仁科:ところで、海老澤さんは去年までも「BPaaS」の事業でデザイナーとの協働はあったと思いますが、プロダクトデザイン部の中に入り込んでコミュニケーションを取るのは初めてかと思います。
マネージャーに就任されて、プロダクトデザイン部の最初の印象はどうでしたか?
海老澤:そうですね。最初に感じたのは、部内の情報共有やコミュニケーションがとても活発で、心理的安全性が高いという点ですね。
自分がアサインされていなくても、部門のメンバーが担当しているプロジェクトや施策の動きをよく知っているので驚きました。
実際に中に入ってみると、毎朝顔を合わせてコミュニケーションを取っていたり、毎日デザインレビューを実施できる仕組みがあるなど、色々と取り組みがあることがわかりました。
実は自分がPdM部のいちメンバーだった頃から、「なぜかデザイナーは情報通だな」という印象があったのですが、こういった取り組みによって風通しが良くなっているんだなと感じました。
仁科:こういった取り組みは以前からあって、ところどころアップデートしつつも基本的には変えていない部分ですね。
私も、心理的安全性の担保や育成の観点で重要な部分だと思っています。
海老澤:確かにそうですね。部署の中でスキルを高め合う文化が育ち始めているなと感じています。
仁科:海老澤さんと一緒に採用面接などに同席することがあるのですが、そのあたりも候補者さんへのアピールポイントとして挙げてくれていますよね!
プロダクトデザイン部の新体制
仁科:プロダクトデザイン部の中の体制についても変わった部分がありますよね。この辺りも少しお話しできればと思います。
海老澤:一番大きい変更点は、UXチームとUIチームを分けて、メンバーの強みや注力領域をより明文化したことですね。
プロダクトデザイン部には元々、下図のように「広いデザイン領域の中で、グラデーションはありつつも、どこかに軸足を定めて得意をより伸ばそう」という考え方がありました。
部内ではその考え方の定着が進んでいたものの、デザイナー以外の部門から見て少しわかりづらいという課題がありました。そこで今年からプロダクトデザインの中での専門領域を、組織図上でも明示的にしました。
仁科:これによって、初めて協働するPdMやエンジニアにもデザインの専門領域が説明しやすくなったように感じます。
カジュアル面談でよくいただく質問
仁科:そういえば採用面接に同席していると、よく聞かれる質問があるような気がしています。今日はこちらについてもお話しできればと思います。
海老澤:たくさんありますが、まず1つ目は「PdMとデザイナーの連携について」ですかね。企業や組織ごとに、事業のフェーズや状況に合わせてPdMやデザイナーの職域はそれぞれに定義されている場合が多いと思うので、「Chatworkだとどのようなコラボレーションや棲み分けがあるのか」、というのを気にされる方が多いですね。
仁科:役割として重なってくる部分も多いですよね。
海老澤:Chatworkの場合は、主にUXデザイナーが施策検討からPdMに並走していく形が多いですね。
また、ユーザー像が捉えづらい時はユーザーリサーチを入れることもあるので、そこはUXリサーチャーが入る場合もありますよね。
UXデザイナーはよりユーザー視点を大事にしたコンセプト策定と、その認識合わせの推進に重きを置いていますね。
PdMはKPIや費用対効果などを踏まえて、よりバランスの取れた意思決定の推進に重きを置いている形です。
今年は新しいチャレンジとして、プロダクト戦略においては注力テーマのみを策定しており、各テーマにおけるWhy、WhatについてはPdM・デザイナー・エンジニアの職種横断チームで決めていくスタイルに変えています。
なので、なおのことPdMとデザイナーの連携が重要になってくると考えています。
仁科:Chatworkは13年の歴史があるプロダクト、かつ関わるメンバーが多いプロダクトなので、周囲への説明もPdMやUXデザイナーが担っている部分が多いように感じます。
次に多い質問はどんなことでしょうか?
海老澤:次に多いのは、「UXとUIはどこで境界線を引いているか」ですね。
仁科:今度はデザイナー同士の話ですね。先述のプロダクトデザイナーの職域分解の図のように「デザイナーは軸足を定めて得意領域を伸ばそう」と言いつつ、その中で重なってくる部分はありますもんね。
海老澤:UXとUIで担当を分けて進めるかどうかは、状況や施策の規模などでも異なる、というのが正直な回答ですね。
ちょっとした文言や一部のコンポーネントを変更するような改善は、施策のコンセプト策定・ワイヤ作成・UIデザイン・エンジニア連携まで、UIデザイナーが一貫して実施する場合が多いです。
逆に、利用体験が大きく変わるような機能改善や新機能の追加など影響範囲が広い場合は、UXデザイナーが前段の体験設計、UIデザイナーはワイヤフレームに落とし込む前後から、と役割を分けて取り組むこともあります。
UXデザイナーはユーザー課題の探索だけを担当しているわけではなく、PdMと一緒に施策のスコープを絞り込むなどの案件推進も担ってもらっています。
ちなみに、UXとUIは必ずしもどちらかに軸足を定めなければいけない、というわけではなく、どちらもやりたい人も活躍できる環境です。
「UXとUIどちらの経験も積みながら、いずれ軸足を定めたい」と思っている方も、良い経験が積めるのではないかと思います。
仁科:実際にどちらも得意なメンバーもいますしね。
他にもよく聞かれることはありますか?
海老澤:あとは、「デザインシステムは存在するか」という質問もよくいただく印象です。
現状、「デザインシステムとして整えられているものはほぼない」というのが、こちらも正直な回答です。
ただ、カラーのFigmaコンポーネントの充実化や、デザイン方針などルールの整備は「デザイン基盤チーム」を中心に少しずつ進んでいます。
こういった活動に興味がある方にも面白いフェーズだと回答してします。
いまChatworkで働く面白さと、活躍しやすいデザイナー像
仁科:「面白いフェーズ」というワードが出ましたが、今年13周年を迎えた「Chatwork」のデザイナーとして働く面白さは、海老澤さんから見てどんなところでしょうか?
海老澤:そうですね。候補さんとお話しさせていただいていると、「Chatworkは仕組みがすでに整っている」「グロース施策などすでにやり尽くしている」「機能追加の余地はもうない」などの印象を持たれている感覚があります。
実は私も入社前、話を聞くまでは「いまChatworkに入ってもすることがないのでは?」という印象がありました。
ですが実際には、グロースの余地はまだまだあると考えていますし、仕組み化やそのアップデートが追いついていない部分も多々あり、伸び代がまだまだたくさんあります。
仁科:実は私も入社前は、「すでにプロダクトも組織も完成している」という印象を持っていました(笑)
海老澤:歴史を重ねたプロダクトの宿命なんでしょうか(笑)
いまChatworkで働く面白さとしては、プロダクトデザインの領域でいうと、「BPaaS」という新しい領域を含めて、プロダクトに閉じないUXをトータルで設計・提供することにチャレンジできるというフェーズであるという点です。
そのためにはもちろん顧客理解が重要ですが、ユーザーリサーチなど人間中心設計プロセスの普及や仕組み化も道半ばです。
また先述のデザインシステム周りも、コンポーネントやガイドラインの整備・充実など、組織の規模や状況に合わせた効率化として、やりたいこと・やるべきことがたくさんあります。
社内のデザイン組織の環境としては、マーケティングやブランディングのデザイン部門が別に存在しており、それらと連携しつつ、プロダクトデザイナーはプロダクトのUX/UIに専念できるのも魅力の一つだと思います。
仁科:海老澤さんから見て、どんなデザイナーが活躍できそうでしょうか?
海老澤:Chatworkでは日々、大小さまざまな規模の施策が動いています。 それらの戦略やKPIなどを理解した上で、PdM・デザイナー・エンジニアをはじめとした様々な職種と積極的にコラボレーションを取りながら、スピーディにデリバリーを重ねて反応を見ながら改善することに強みや興味がある方が活躍しやすいと思います。
また先述の通り、仕組み化が追いついていない部分も多いので、UX・UIどちらの領域に関わらず、ナレッジシェアや効率化などの仕組みづくりにも意欲的に取り組める方だと、とてもやりがいを感じていただけると思います。
仁科:この辺りのキーワードにピンと来た方は、ぜひカジュアル面談などでお話しできると嬉しいですね。
海老澤さん、本日はありがとうございました!
今回はプロダクトデザイン部の新マネージャー、海老澤と一緒にお届けいたしました。いかがでしたでしょうか。
Chatworkのプロダクトデザイン部では、一緒に働いてくださる仲間を募集しております。ご興味を持ったいただけたら、下記もチェックしていただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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