[2024/04/25]覚え書き「くだらんくてもそれでいい」
「仮面ライダー WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦」を見ました。東映特撮FCに配信が来ていたので。見ました。
つい先日仮面ライダーガッチャードを見始めたばかりで劇場に足を運べなかったわけだけど、露骨に劇場版への伏線が貼られていた割に設定微塵も拾わないまま本編が進む上に「前回のあらすじ」で劇場版ありました!wって言われて早く見たくてしょうがなかったので、マジで楽しみにしていた。
結論から言えば、「これを見なくても本編は充分楽しめるが、間違いなくこれは本編だった」ですね。
マジェード初変身、絶対に必要な要素だったし、クロスウィザードのパーソナリティとか理解してればより27話が熱くなるし……
見た方がいいです、まだ見てなくてガッチャードを見ているなら。マジで。
※以下、ネタバレ感想を含みます。
今回これだけは絶対言及しようとしていた部分として、「ギーツケミー」の存在の話をしておきたい。
公開前から色んな意味で話題だった彼だが、その正体はすでに死んで霊となっていた英寿がかつて飼っていた犬「コンスタンティン」であったということで、かなりここはこだわっていたように思った。モチーフが露骨に「ごんぎつね」だったのも、それこそ万人に受け入れられている童話で、後述のエピソード性を生むのに必須だったということなんでしょう。露骨すぎると冷めるタイプの人間だけど、これは仕方ないね。それ以上にいい例え方がなかったと思いますよ。
冒頭の意味深な雨と犬小屋のカット、お化け騒ぎ、何故かケミーにならなかった英寿、「俺はペットは飼わない主義なんだよ」、雨の中英寿を庇うギーツケミー。全部が実はこうでした、に帰結する、キーパーソンとしてめっちゃいい構成をしていたし、何より「4人の英寿と黒狐」から描いている「浮世英寿」ってどんな奴なの?のエピソードの補完として、「人並みにペットの犬を愛し、離別に悲しみ、コンとの別れ以降『ペットは飼わない』と言うようになる」は、あまりにも人間臭いエピソードだった。
何よりも、別に英寿って「本物の願い」にずっと真摯だったことがさらに補強されたんですよね。別に「コンが生きている世界」も叶えるチャンスはあったはずなんですよ。それをしないで「俺はペットは飼わない主義」なんてカッコつけてるわけで。お前さあ。本当にさあ!「リアル」じゃん!!!!ニラムが求める「リアリティ」に100%答え続ける最強のリアル存在じゃないですか!!!!!おバカ。
もはや声優がVtuberで荒れたとかどうでもいいよ。いやどうでも良くないからこのあとこの話するけど。文句のつけどころがあるとしたら個人的にはその声優問題くらいでした。
で、ここからが本題。
ギーツケミーの声優問題ですが、正直に言えば「本編見たらYES寄りの思考になったが、こればっかりはデリケートな問題すぎてこれ以上のことは言えない」が結論。
そもそもこの話をするには、「Vtuber」というジャンルが世間的にかなり特殊な受け入れられ方をしていることが前提になります。その上、以下の2つに留意しなければなりません。
・Vtuberは「好意的に捉える人」と「否定的な人」の溝がかなり深いジャンルである
・特に今回起用された「白上フブキ」を擁するホロライブは、側から見たときに「常に何かしらで炎上している」というマイナスイメージがついてしまっている(有名な例で言えば桐生ココの「もう一つの中国」問題、潤羽るしあ…というより中の人であるみけねこ氏を取り巻く問題※等)
※これは箱の問題というより個人の問題なのでカウントするか怪しい
Vtuberを普段じゃなくてもある程度受け入れられる人は全く考えもしないかもしれませんが、Vtuberに興味のないオタクは本当に容赦なくVtuberのことを「絵畜生」だの「配信者上がりのキャバクラ」だの言いたい放題言います。自分は一般的なYouTuberと同じ目線でVtuberを見ているので何とも言えない気持ちになりますが、残念なことに受け入れられない人のアレルギー反応は相当大きいです。(映画コナンのゲストに声優経験のない有名人を連れてくるのが嫌われがちだということとかなり近いイメージ)
しかも特撮のオタクを長くやっている人ってこういう所謂「アイドル売り」みたいなものをかなり嫌っている傾向があります。
主語がデカくなってしまっているのであまり良くない言い方なのかもしれませんが、実際筆者は特撮におけるアイドル的な起用は「ウルトラマンサーガ」でかなり微妙な気持ちになったことがあるのであまり好意的ではないのと、あまり大声では言えないですがただでさえ治安・民度で見下されがちな特撮作品と同じく治安・民度で見下されるVtuberという組み合わせが、メリットを凌駕するデメリットを生むだろうなと思っていたのが理由でかなり反対派でした。オタクに媚びて何のメリットがあるんだ。と思っていたので。
で、まあそんな気持ちを抱えていながらの鑑賞でしたが、ぶっちゃけ見ている間は微塵も気にならなかったので、(それ以上に本格的にストーリーが良かったから)どうでもいいや〜〜〜〜〜!!って思ったのが正直なところ。
何よりも、Vtuber自体「存在するけど存在しない」という曖昧な存在で、ギーツケミーも同様に存在するけど存在しない(ケミーとして一緒に戦ったけど、正体は犬の幽霊)ものだったことを加味するに、単にオタクに媚びようとしたとか、話題性があるとかだけの起用じゃないことだけはよくわかったので、これ以上は言及しないのが正解というか。
ホロライブ自体は個人的にあんまり好きじゃないんですけど、かといって「だからクソ」というのはやめましょう。とは思えました。なのでこの話はここで終わり。
あとはクロスウィザードの話はマジで本編でやって欲しかったです。これを見ずに第2部見てたんか俺は!?と思ったし、これを見てると見てないとじゃ面白さが変わるレベルじゃないか。マジェード初変身だけじゃないよこれは。
特によかった部分と言えば夢の世界の話で、肉ではしゃぐ道長、どう見てもキューンな王子を追いかける祢音はまっすぐな理想で、景和くんは諭す取り調べをしているんだけども、彼の本質は結構恐喝的な取り調べをするタイプなのに理想はああいう感じなんだなとか改めて思えたり、りんねは父親がいることに嬉しそうな表情を浮かべたり…(これを踏まえた26話のりんねの涙のこと思うとキツすぎる)
特にりんねがそうなんだけどこういうのがさ!!必要なんじゃねえかな本編に!!!!!!なくても面白いけどあった方が絶対面白いのはダメじゃないかな!?!?!?!?
クロスウィザードがひとりぼっちを宝太郎に救われたの知ってるのと知らないのとじゃ27話のクロスウィザードがなんとか捻出した力で産まれたクロスホッパーの重み変わっちゃわないかな!?!?!?!?!?!?!?!?!?
ここで偽りのホッパー1との会話挟んでるのを知ってるのと知らないのとじゃ27話の「ガッチャ…!わかったよ宝太郎…!」の重み変わっちゃわないかな!?!?!?!?!?!?!?!?!?
りんねの初変身を見たスパナの表情を見てるのと見てないのとじゃ19~21話の重み変わっちゃわないかな!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
終始こんな感じの気持ちでした。僕は26話が好きです。
残りは見ててよかった部分の箇条書きでも残しておきます。みんなも見よう。
・映画だと終始ツッコミになる道長くん
・夢の世界のスパナの扱いの悪さ(後のことを考慮すると笑えないジョークすぎる)
・みんなして年上なのに妙にギーツメンバーを舐めてる錬金アカデミーの面々(特に宝太郎)
・クロスウィザードのキャラクター性
・オーマイガッチャ!(オーマイガッチャの意)
・ガッチャ(ついてこいの意)
・ガッチャ(やったぜの意)
・ガッチャ(願いの意)
・ガキの扱いを理解している英寿くん
・「おいでませ エクシードファイター」
・「俺が牛に!?………それはそうか」