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夫に出張ホストを薦めてみたら自分から割とマニアックなサービスを提案しだした件

アイスコーヒー飲みながらふと目の前の夫にわたくし、言ったのよ。

「ごく一部のコアな需要だけど...ひょっとしてあなたって出張ホストの需要があるかもしれない」

「えーーッ、俺ダメだよ、…ブサイクだし...中高年のおっさんだし...話術もないし...」

「でも、精力だけは...無限の精力だけは...50代の今でもその辺の下手な22歳の青年よりたぶん全然あるから…そして歳を経たおっさん特有の誠意のある接客力クレーム処理力はあるし...だから(テクニックはともかく)精力だけを求めてる女性になら、商売としていけると思うの」

「精力だけ

「それに...普段はヤバいほどモテないのに、なぜか政界の上流夫人東大卒のキャリア女性にだけ異常にもてるじゃない?なんかこう大酋長みたいな女性にだけはやたらと上から目線でやたらと情けを掛けられるじゃない。これは儲かるわよ」

心底、謎なんですけど

うちの夫、国会議員夫人と、東大生または東大卒の女と、スーパーキャリア女性にだけは、異常に人気があって

仕事でたまたま知り合うと大体何度も食事に誘われたり、繰り返し高級寿司をおごってもらえたり、ほぼラブレターだろうという手紙を何回も貰えたりするの...!

3流大学出身の濃い顔の愉快なブサゴリラよ?別に高身長でもないしジムで鍛えたりも全くしてないしてないわ...うっすらデブよりよ?

でも、なんか、なんかあるのよ...このこの男からにじみ出て溢れ出る有り余る精力

一部のガチの戦闘民族の頭領みたいな女たち「だけ」はムラっと反応するみたいなのよ...


きっと南の島で出会った片言の英語しか喋れない気のいい野生の漁師とのアバンチュールとかなんかそういう

ものすごく雑な扱われ方なんだとは思うけど...。


「...そうかなあ...んーーーー確かに妙ーーーに親切にはされるけどあれはモテとは違うと思うよ?まあわかったよ、出張ホストということは、つまり、ご婦人とデートしてフィーリングが合えばホテルに行くわけですね」

「あ、あなたはデートは無理」

「え」

「だってアナタ、女をお茶に誘うときに、自動販売機に連れて行くでしょ...あとは防波堤で釣りとか秋葉原電気街とか...銀座に連れて行かれたと思ったら立ち喰いコロッケの名店とか…エスコート能力ゼロでしょ。あれじゃ出張ホスト失格よ?」

「えーっでもあのコロッケ美味しかったよね?」

「ウンウン美味しかった美味しかった。ただね、オシャレしてデートのつもりでついてきたら、銀座の大通りを歩きながらコロッケ齧らされるのに耐えられる剛の者はわたくしくらいかな…とにかく、もうどう教育したって無理なのは知ってる。せめて永遠にそのままピュアなおっさんでいてネ」

「…プンプン!!!じゃあどこ連れてくの?」

「どこも連れて行かない。いきなり即ホテル。あなたの場合はそれしかない

「そんな!」

「ひたすら無限の精力だけでご婦人に、も、も、もういい、もう結構、わかったわかった、ヒリヒリしてきた足もガクガクしてきた、わかったからもう勘弁してくれと言われるまでノンストップで何度でも即復活して繰り返し繰り返しご奉仕して、お客様がスカッと燃え尽きるまでご満足していただく。もうね、気持ちよくなくていいのよ。気持ちいいとかなんかそういう事も超越した

厄落としの滝行体験みたいなサービスにしましょう」


「ひどい...ひどすぎるよ...!俺の人格、人権、ついでにテクニックまでもが完全無視されてるよ…!」

「で、もちろん秘密厳守

「えーっ秘密厳守なの?!」

「そりゃそうでしょ?政界の上流夫人東大卒のキャリア女性しか来ないんだから」

そしたら秘密厳守と聞いて夫はものすごくがっかりしてとんでもないことを言いだしたの。

「秘密厳守はキッツいなぁ…そっか目隠しかぁ…」


「えっ」


「だって秘密厳守ってことは俺は目隠しでしょ。俺はベッドの上で目隠しして待機するわけですね…目隠しで脱ぐの無理っぽいから全裸かあ…何も見れないんだ…ちょっとつまんないかも…」

って夫がしょんぼりしながら言うの。

「め、目隠し&全裸待機…?!」


「え…?でも…だって君が秘密厳守じゃないとお客さんが来店しないっていうから…お客さんを呼ぶためには仕方ないんでしょ?... そりゃ、俺だって全裸も目隠しも本当は嫌だけど…」


いや自分自身を目隠しする他にも、もうちょっと他にも秘密厳守する方法ってあるんじゃないかしら…あと、全裸待機しなくても自分の服くらいなら目隠ししたままで後でなんとか脱げないかしら…不器用な男にはそんなことも無理なの…?


てゆうか、その状態で見知らぬ中高年のご婦人がやってきてもまあ行為していいかなー、と考えられるそのメンタルがやっぱ一味違うな...。

「よし、出張ホストのコンセプトは固まってきたわね、あとは店名を考えましょう、ねえあなた、店の名前何がいいかしら?」

すると夫はショボーンとした顔で一言言い放ったのでした。


「出張ホスト『されるがまま』」


うんそんな感じ…そんな感じよね…あなたのエロ人生を要約したような店名ね…本当にその絶倫キャパシティを人生の中でひとっ欠片もなんの役にもたててないわねあなたって…。妻としては実に都合がいいけど、どうしてそこまでモテテクニックが低いのかしらねぇ…




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